あらすじ
貝は海からの贈り物。
真珠には、
不思議な魔力が潜んでいる。
祖母と孫、母と娘、女友達――。
真珠がつなぐ人生と夢を描く、
極上の短編集。
展覧会を一目見ることができたら、フェルメールに捧げる物語を書くときめ、作家の私はアムステルダムに向かった。(「フェルメールとの約束」)
パリで設計事務所を営む祖母に憧れ、建築の勉強をしている杏樹。祖母からシャルロット・ペリアンの写真を見せられ、衝撃を受ける。(「あの日のエール」)
リタ、碧海、芦花はハーバードの同級生。メトロポリタン美術館の学芸員であるリタの企画展のため久しぶりに鳥羽で集まることに。(「海からの贈り物」) ほか
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Posted by ブクログ
真珠にまつわる短編集。いくつかの小説は自伝なのかなとも思わせるような表現。
奇しくも2026年にフェルメールが日本にやってくる。
フェルメールにまつわる長編も読んでみたい。
長編とはまた違ったテイストで素晴らしい小説です。
Posted by ブクログ
私は正直に言うと原田マハという作家があまり好きではなかった。
にもかかわらず、この本を手に取ってしまったのは新聞の書評欄での紹介になにか引っかかりを覚えたからだった。引っかかったのの一つ目は、書評を書いたのが〝芸人”という肩書きの名前も顔も浮かばないヒコロヒーなる人物だったことだ。当然どんな人なのか本来なら想像もできないはずなのだが、彼(?)は違った。
「今の自分はどんな本を読んでも説教されている気分になる。自分を愛するとか知らねえよ、こんな劇的な出会いあるわけねえだろう、前向きに生きるとかやってらんねええよ、・・・と悪態をついてしまう」という短い書評文の冒頭を読んだだけで、通常のある意味気取った書評とは違って読み手の〝生の〟声が聞こえた気がした。次いで、私が嫌いな原田マハをなんでこの生の声が称賛することになったのか、私は思わず書評の続きを読んだ。
7つの物語からなる連作短編集であるこの本は、真珠の養殖と販売で有名なミキモトの公式HPでの連載を書籍化したものだということだった。だから、物語のモチィーフが真珠であるのは当然だった。
「真珠は貝の中に入り込んだ異物を排除するのではなく、自らを守るために真珠層で包み込み、それが何層にも重なってできるのだという。つまり異物を排除するのではなく、包み込むことで円くなっているのだ」という、引用なのか評者の解釈なのかわからない一節に、私は何十年も会えていなかった旧友にばったり出くわしたような気がした。
この「真珠の秘密」とも「真珠の哲学」ともいえる考え方というか感じ方は、40年以上に渡って私の中で引っかかり続けている。
ソマリア出身の女性ボーカリストであるシャデーの「Parls」を聞いたのは、まだ学生の時だった。そのなかでシャデーは、故国ソマリアで虐げられ不本意な生き方を強いられている女に、自身の心情を仮託してParls(真珠)と題した一曲で「女は身体の中に一個の硬い石を抱えている」と歌った。
ついで今から12年前、作家の村上由佳は『ありふれた愛じゃない』を、
「真珠の輝きは、貝の苦しみから生まれる」
という一言から書き始めた。この作家は私より数年年下だけれど、若かりし頃私と同じようにシャーデーの曲に胸を震わせた経験を持つのだろうと予感してその一冊を読んだが、読んでみて、随所にシャデーの曲の含意が暗喩としてちりばめられていて、私の直感は間違っていなかった。
それで、いよいよ原田マハの『すべてが円くなるように』を読んだ。タイトルからしてシャデーから始まる真珠の真髄が通底しているのは明らかだった。
冒頭の一遍、「フェルメールとの約束」を一読して鳥肌がった。これから読む人のために詳しくは省くが、書き手としての原田マハが、「真珠の首飾りの女」が代表作のひとつである画家に向かって誓わないではいられなかった思いを「約束」というタイトルに真珠の一粒のように凝縮した短編は、見事というほかない。
原田マハのことは嫌いだ、という前言は撤回しなければならないときが来てしまった。
Posted by ブクログ
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が表紙の単行本。原田マハさんもフェルメールも、どちらのファンでもある私としては、引き寄せられるように、当然の如く手にした一冊です。
内容は「真珠」をテーマにした7つの短編が収録されています。
最初の「フェルメールとの約束」という作品。著者が原田マハさんなので、これはエッセイなのでは?と、つい思ってしまった物語で、主人公が宿泊したホテルで出会ったとっても素敵なコンシェルジュに、フェルメールが描いた「真珠の耳飾りの少女」と同じくらいすっかり魅了されてしまいました。
「庭の朝露」という作品は母から娘へ、「あの日のエール」という作品は祖母から孫へと、真珠を通じて人生や夢が受け継がれていく様子が、感動的に描かれています。
最後の「海からの贈りもの」という作品では、女友達の時が経ても変わらない友情と、真珠をテーマにした短編集の締めくくりに相応しい、真珠の神秘的な美しさの秘密が丁寧に描かれています。
上記以外の短編も含めて、どの作品も優しさと感動に溢れた幸せな読後感に満たされる一冊でした。140ページ程なので一日で読み終えてしまいましたが、何度でも読み返したいと思います。
Posted by ブクログ
14年ぶりに来日するフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」をぜひ観に行きたい!と思ってたこのタイミングで、マハさんの新作品が読めたなんて幸せ♡
真珠をテーマにした7つの短編集。
短編なのが淋しくもあるけど、人の想いがギュッと詰まった温かいお話。あっという間に読み終えてしまった!
人に個性があるように真珠も個性があって、それを選りすぐるのは人の手。しかも自然光のもとで選別し、真珠同士のバランスを確認しながら並べ替え同じ輝きを放つようにマッチングされていく。
まさに職人技ですね。
人工でない限り世界でただ一つの真珠。
フェルメールの絵画の少女の真珠もあの小さな一つのイヤリングが放つ輝きも、母親から贈られたネックレスもそれぞれの想いをまとっている。
ダイヤと違った温かい光。
マハさんの描く女性がこの作品でも輝いています☆彡
短編の一つに森茉莉さんが現れたのは意外だったけどうれしかった。朝井まかてさんの「類」を読んでから森家ののファンに♡
大阪のフェルメール展は8月21日から9月27日ですが、チケットは6月からネット販売されるそうなので、売り切れ前に購入して、必ず観に行きますよー。
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『ミキモト 』公式サイトで連載されていたものを単行本に!
真珠がつなぐ人生と夢の短編集は、まるでショートフィルムを観ているよう。印象的なシーンが心地よい余韻となって心を温めてくれる、極上の作品集でした。
*フェルメールとの約束
「マハさんがモデルでは?」、と思わせるストーリーにドキドキ……。自分のなかの強い思いが不思議な巡り合わせを引き寄せる、そんな風に感じました。
*真夏の夜の夢
言葉でどう表現すればいいのか難しいけど、忘れられない人生の美しい瞬間に立ち会ったような気持ち。ラストシーンの映像が瞼の裏に焼き付いて、静謐な時間そのままに思い出されます。
*いつか、相合傘で
可愛くて、愛しくて、淡い思い出。だけどかけがえのない宝物のようなシーン。こういう瞬間が人生を形作っていくんだろうな。初めて子どもと美術館に行った日のことを思い出しました。
*あの日のエール
静かで美しくて力強い、とても素敵なお祖母様。溢れんばかりの愛を感じて幸せな気持ちになる。お守りのように心の中にあって、その後の自分を励ましてくれるような素敵なストーリーでした。
*海からの贈り物
世界の「MIKIMOTO」の真珠の生産地・伊勢が舞台。宝飾品パールとともに同窓生との再会を描いた代表作とも言える短編。どこか懐かしくキラキラした思い出と、未来への希望に満ちていて、穏やかで幸せな気持ちで読み終えました。
上質な映画を観終わったあとのような、余韻が心地いい短編集でした。
原田マハさんの作品は長編小説もいいけど、短編もとても良い。ずっと追いかけて行きたい作家さんです。
Posted by ブクログ
真珠がつなぐ人と人との心温まるストーリー。
真珠それ自体はどちらかというと「丸い」ものであるが、タイトルは「円い」となっている。
小説を読み進めることで、真珠が一種のシンボルとして「円い」という意味がその輪郭を帯びてくる。
筆者の柔らかい情景描写と行間に滲む情緒を余すことなく堪能できる作品。
Posted by ブクログ
7つの短編、ミキモトHPに連載されていたものらしい
パールをめぐる、絵画、おばあちゃんの大事なネックレス、養殖場、それぞれの短編がぎゅっと短くまとまりあっという間に読み終わる、それぞれもっと長く読みたい!!
表紙のフェルメールの絵画がまた飾りたくなる感じ
そして最初のフェルメールとの約束はなんか、本当にこんなことが起きそうな、マハさんの体験談なのかな?と思ってしまうステキな話
京のうなぎの寝所のお家の蹲に見つかる一粒のパールの指輪の話、
ケンブリッジ郊外で清酒作りをする奥さんのパールのネックレス、
シカゴに母子のみで転勤したその娘の成長に感動する話、
あの日のエールでの祖母、70歳からパリで自分の建築事務所を開きたいと言う夢を叶えに行く人たらしの祖母の一言、
「ご親切にありがとうございます。あなた、嫌な顔ひとつなさらず、ステキだったわ」
そんな事が言えるばあばになりたいものだ!
モナンジュ= 私の天使、と呼びたいからモン、私の杏樹で名付け親になった祖母、タマヨ
プロダクトデザイナーのシャルロット・ペリアン
コルビジェに見出され、日本の民藝と融合した家具やインテリアデザインを伝授した
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フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の表紙が美しくて、このまま部屋に飾っておきたくなるような本書。
こちらは、パールでお馴染み「MIKIMOTO」さんの公式サイトで連載されていた「真珠」をテーマにした七つの短編が収録されております。
どの話も短いながら程よくまとまっていて、それぞれがまさに一粒一粒の真珠のような、円やかな輝きを纏ったストーリーなんですよね。
特にフェルメールの作品を巡る「フェルメールとの約束」は、まるでアムステルダムの街にいるような気分にさせてくれる情景描写に、物語の世界に一瞬で惹きこまれました。
そして何といってもフェルメール作品への深い敬愛の念がヒシヒシと伝わってきて、これはもう是非フェルメールの物語を長編で描いて頂きたいです。
さらに、女性建築家、シャルロット・ペリアンに憧れてパリで設計デザイン事務所を開いたタマヨさんのお話、「あの日のエール」も好きでしたね。
(マハさん、シャルロット・ペリアンの物語も良かったらお願いします~♪←我ながら勝手な読者ですな・・(^^;)
そして、ミキモトの真珠養殖場を訪れた女性達を描く「海からの贈り物」も、一粒の真珠が生まれるまでの長い時間と想いが受け継がれていく過程が綴られていて、私も〈ミキモト真珠島〉に行ってみたくなりました。
特に、海女の波留子さんの、
「貝はなぁ、海からの贈りものなんよ」
という台詞はとても印象的でした。
ということで、短編故に若干の物足りなさはあるものの、真珠のような美しい筆致で綴られた優しい物語を堪能させて頂きました♪
ところで、この本を読み終えたら、クローゼットの奥で眠っていたパールのネックレスを久しぶりに出してみたくなりました。
特別な日だけでなく、なんでもない日常にこそ、真珠の温かな輝きを身に付けるのって素敵ですよね~・・って、そんなキャラではないんですけど(´▽`;)ゞ
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展覧会を一目見ることができたら、フェルメールに捧げる物語を書くと決め、作家の私はアムステルダムへ向かい…。真珠がつなぐ人生と夢を描く短編集。
ミキモトの公式HPに連載されていたというだけあって、7つの短篇はすべて真珠絡みのストーリー。取材したままを書いたという感じがある短編もあったけれど、総じて読み応えはあった。でも原田マハはやっぱり長編が読みたい。次はフェルメールの?
(B)
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一編一編が、真珠のように個性豊かな輝きを放つ掌編集。物語にアートを絡ませ、豊潤な人間ドラマを紡いでおり、読み応え抜群だった。中でも「いつか、相合傘で」がお気に入り。恋を知った少女のいじらしさ、可愛らしさと、知らぬ間に成長していた娘に感動を隠せない母親に心が暖かくなった。
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さすが原田マハさん。真珠をテーマにしたそれぞれの短編集。1話目はマハさんの体験談だったと思う。粋な話、ホロってとする話、特に「いつか相合傘で」が好きかな。
Posted by ブクログ
原田マハさんの短編集。
141Pと短く、字も大きいのですぐに読めます。
真珠にまつわる物語ですが連作ではないように思いました。
「フェルメールとの約束」
「フェルメールと約束した」という作家がアムステルダムに『真珠の耳飾りの少女』を観にいきますが、チケットが手に入りません。この作家とはマハさん自身ではないでしょうか。
「庭の朝露」
京都の西陣の組紐商の家。
「真夏の夜の夢」
「ユーレイカ」
下北沢の「邪宗門」というお店に通う憧れの友人べスの憧れの人とは…?
「いつか、相合傘で」
ひとつの傘をシェアして帰ることーアイ・アイ・アンブレラー相合傘。
「あの日のエール」
70歳でも夢は叶う。
「海からの贈り物」
世界で初めて真珠養殖を成功させたのは日本。
前回の、マハさんの短編集『黒い絵』はブラックで好きになれませんでしたが、今回はさわやかな心地よい短編が多かった気がします。
気軽に気分転換に読める本だと思います。
Posted by ブクログ
真珠ってただの綺麗な白くて丸い玉だけど、見ようと思う人が見ればみんな違う表情を持ってるかなって気付かされるお話しでした〜そんな繊細な視点を持てるような歳の取り方をしたいなぁw
Posted by ブクログ
フェルメールが描いた真珠の耳飾りの少女
耳元そして目に宿る光に惹きつけられ、その一枚の絵画から目が離せなくなる。
連なる真珠のように人と人が繋がり、物語が生まれる。どのお話も煌びやかではなく優しげな輝きを持つ短編集でした。
Posted by ブクログ
宝飾のMIKIMOTOのため
書き下ろした真珠に絡む短編集
MIKIMOTOのサイトで
ほぼ無料で読めるけど
最後だけ未公開で
それでも読みたい
買って読みたいと
そう思わせる価値が
この物語と文章にある
#すべてが円くなるように
#原田マハ
#幻冬舎
Posted by ブクログ
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貝は
海からの贈り物。
真珠には、
不思議な魔力が
潜んでいる。
祖母と孫、母と娘、
女友達ーー。
真珠がつなぐ
人生と夢を描く、
極上の短編集。
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最近、節約モードでハードカバーの購入は控えていました。
でも、
この表紙を見た瞬間、
迷わず手に取っていました。
仕事が繁忙期で週末はぐったり終わることも多くて。
本もなかなか読めないなか。
久しぶりに読んだ原田マハさん、よかったです。
7篇収められていますが、
どれも短いのに優しくて温かくて
それでいて爽やか。
主人公たちの息遣いから、
背景の景色まで目に見えるようでした。
フェルメールとの約束
あの日のエール
が個人的には好きでした。
読後も良かったです。
Posted by ブクログ
原田マハさんの新作はどうやら、フェルメールの名作『真珠の耳飾りの少女』が表紙らしい…。それを知った瞬間にもう買う以外の選択肢が無かった。
内容は、真珠に導かれる7つの短編集が収録されており、起承転結はそんなにないものの、どれも心がじんわり温まるような作品ばかりだった。
元々私にとって、真珠は素敵な大人の女性が身につけるもので、憧れのジュエリーであった。
そんな中、この作品の真珠を身につけた女性達は本当に魅力的な人物ばかり。この作品を読んで、私も真珠のアクセサリーを自然と身につける素敵な女性になりたい!と思った。
フェルメールの真珠の耳飾りの少女は、あんまり出てこなかったから、今度はそっちに焦点を当てた作品を出して欲しいところ。
原田マハさんの真珠の描写が紡ぎ出す繊細な輝きに思いを馳せながら、うっとりとするようなそんな作品だった。
Posted by ブクログ
真珠がつなぐ人生と夢を描く短編集。
14年前に東京都美術館でヨハネス・フェルメールの代表作『真珠の耳飾りの少女』に出会ってから、この絵を見るとつい気になってしまい、装丁がこの作品も読まずにはいられませんでした。
真珠にまつわる女性の人生が描かれていますが、特に好きな作品は『庭の朝露』と『あの日のエール』で、どちらも娘や孫に思いを継承するあたたかい物語でした。原田マハさんらしい、アートと人のつながりを描いた作品ですが、短編なのでとても読みやすかったです。
Posted by ブクログ
伊勢・鳥羽に行くので手に取った。あの日のエールと海からの贈り物の話が好きだった。あの日のエールは自身のパールを子や孫に贈ってみたいと思えたし、海からの贈り物はこりゃミキモト真珠島に行かないとな、と思いました。
Posted by ブクログ
フェメールのアート小説かと思ったら、ミキモトのホームページに掲載されていたショートストーリーをまとめた短編集だった。
タイトルからしても、すべてが最後に円く繋がるような短編集かと思いきや関連性はなく、どの話も印象が弱めで短いので物足りなかった。
ただ文章が心地よいので全体的に穏やかな雰囲気があり、働く女性が魅力的に描かれている感じは良い。
ほっこりとまではいかないけど優しい物語。
どの物語にも真珠が登場し、密かに彩りを加えたり、キーポイントになっていて素敵。
「あの日のエール」の85歳のタマヨさんが車椅子に付き添ってくれたアテンダントの女性にお礼を言う場面の、セリフとそのあとの描写も好き。
「ご親切にありがとうございます。あなた、嫌な顔ひとつなさらず、ステキだったわ」
そうそう、これこれ。最高にひとたらしな我が祖母の真骨頂。お世辞は言わない、でも本当にステキだと思ったことはちゃんと口にして伝える。タマヨさんのさりげないひと言に、誰だって笑みをこぼさずにはいられない。(p.99)
Posted by ブクログ
・「ケンブリッジに通っていた頃、講義中に、開け放っていた窓から心地よい風が吹いてきて、手元の教科書のページを揺らした。ケネスクラーク」憧れの地で暮らし、慣れ始めたころの何気ない一瞬が、振り返ると代え難い思い出になっている。それがあまりにも当たり前の瞬間であればあるほど、その時間がとても貴重なものになる。
Posted by ブクログ
「真珠の耳飾りの少女」の表紙と、フェルメール展を目指す掌編から、美術ベースの短編集かと思いきや、ベースは真珠だった。
「いつか、相合傘で」が特によかった。
Posted by ブクログ
マハさんには全幅の信頼を寄せているので、このようなエッセイ風短編集も悪くないが、良いともいえない(月刊誌の掲載であることは重々承知)。やはりアート(出来ればミステリー)小説が真骨頂だと思うので、そこで勝負してほしい。短編の1編がフェルメールだからといって、装丁に「真珠の耳飾りの少女」を持ってくるのも小狡い感じがする。。
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フェルメールの真珠の耳飾りの少女。
絶妙に真珠にフォーカスしたトリミングで良い表紙。
フェルメールに関するエッセイに始まり、真珠にまつわる短編集だった。
決して派手ではないけど内側から静かに光るような、長い時間をかけて形成されていくような、そんな真珠ならではの時間と孤独の積層のようなもの。
憧れの人の憧れの人というポジションで登場する、喫茶店の隅で1日中万年筆を走らせている視界の端に存在している老婆が森茉莉という。そんなメタファー。ユーレイカがとても印象的だった
Posted by ブクログ
短編小説でさらっと読み終えた。
自分は真珠が好きだから、真珠の色や輝きなどの美しさを際立たせるために、物語をつくる原田マハさんに感謝の気持ちが湧いた。
自分は本小説の初めの3節をマクドナルドで読み進めてしまったが、おすすめはテラス席でそよ風の中、1文字1文字を噛み締めながらのんびりと読みたい作品。
原田さんの作品は読後感が爽やかでうっとりした気分になるので好きです。
Posted by ブクログ
短編小説と知らずに購入しました。風景描写がうまいからその空間にいるように感じます。
量より質かもしれませんが、薄い割に少し高いなと思いました。
Posted by ブクログ
ミキモトの公式サイトで『真珠』をテーマに連載されていたものが一冊にまとめられ創刊されたもの。
フェルメールの真珠の首飾りの少女 が表紙なので
絵画が好きな人、
原田マハさんが好きな人、
真珠が好きな人、
がきっとこの本を手に取るんじゃないかと。
フェルメールとの約束
庭の朝露
真夏の夜の夢
ユーレイカ
いつか、相合傘で
あの日のエール
海からの贈りもの
個人的には
フェルメールとの約束
と
いつか、相合傘で
が好みだった。
どれもほっこりするような話。
今年フェルメール展が大阪で開催されるので
それも楽しみ。
Posted by ブクログ
短編集
真珠のイヤリング,指輪,ネックレスなど真珠にまつわる何から始まるそれぞれの物語.短いながらみんな生き生きとして真珠のように輝いているのが素敵だ.
Posted by ブクログ
◼️原田マハ「すべてが円くなるように」
真珠をキーにした短編集。カッコよすぎます。
大阪ではこの夏、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を中心とした展覧会がある。日本に来るのは14年ぶり。絵画の中で最も万人に知られているものの1つだろう。その年、数か月前に原田マハのこうした作品を読むのは、やはり高揚感を覚える。
「フェルメールとの約束」
「庭の朝露」
「真夏の夜の夢」
「ユーレイカ」
「いつか、相合傘で」
「あの日のエール」
「海からの贈りもの」
が収録されている。海外や国内で活躍する、また羽ばたこうとしている主人公たちの、真珠とのかかわり。しかしネックレスにしても、ピアスにしても、虹色を秘めた、白が深く詰まったような真珠の輝き、色合いには特別感がある。それを際立たせるような作品たち。
冒頭作は読んでのお楽しみ。京都、イギリス郊外、シモキタ、冬のシカゴ、空港から運転中の首都高速で、真珠のアクセサリーが閃く。主人公が心惹かれる人物が身につけている。
しかし設定や主人公の立場やストーリーの進行がニクいほど洒脱でなおかつエスプリが効いている。カッコよすぎる。あえて詳しくは書くまい。
物語そのものに添えられる真珠の深い白。発想も感心する。さりげなくフェルメールの解説も入っている。
私の部屋の一角はアートの絵はがきやリーフレットなどを置いている。奥のコーナーにはずっと「真珠の耳飾りの少女」のカードが、ミニイーゼルに載っている。ある日模様替えでも、と外したその日に、入ってきた小学生の息子がすぐ
「あれ?あの女の人の絵は?」と当惑った感じで私に訊いた。子どもにも、印象に強く残るパワーが世界の名画ってことなのかなと妙にしみじみと考えたものだ。だから、10数年経った今も同じところにある笑。
ラストの「海からの贈りもの」を読むと、英虞湾を訪ねたくなる。鳥羽には何十年も行っていない。真珠探訪も、いいかも知れないな。