あらすじ
私の婚約者と王女殿下の恋物語の噂が耳に入ってきた。
だから私、ランタナは、噂を信じるでも避けるでもなく、本人に確かめることにした。静かに、そして誠実に。
私はクレマチス・アルベルトを信じている。この方は私に居場所をくれる人だと。
噂が独り歩きする貴族社会の中で、二人は疑念による行動ではなく言葉による理解を選んでいく。
これは二人の静かな反撃譚。そして小さくても揺らがない恋物語。
王女アンリエッタが見つけた幸せも含む、書き下ろしたっぷりの話題作!
感情タグBEST3
すごく独特な空気感で静かに物語が進んでいきます。何か事件や仕返しなどがあるわけでもなく、貴族とはこうだ!って言われているようでした。ただ王女は否定も肯定もせず沈黙しただけ。それを周りが勝手に解釈しただけ。何がダメだったか分からないまま嫁ぎ優しい辺境伯に気付かせてもらう。そしてヒロインはヒーローを信頼してヒーローは多くを語らずヒロインを守ってて素敵でした。読後もすごく良くてほんわかしました。
プロタガンダのやり方
変わった小説です。主役らしいヒロインやヒーローはいません。いるにはいますが余りストーリーに出てきません。
キッカケは王女が他人の婚約者を欲しがったこと、王女はハッキリとした指示は出しません、匂わせるだけです、今まで匂わせだけで欲しい物を手に入れてきたので今回もこれでいけると思ったのでしょう。後は取り巻きが良いようにしてくれる、今までのように。
取り巻きは僻み根性もあって王女の為と大義名分を打ち立てフェイクニュースを意図的にばら蒔き始めます。ばら蒔いた令嬢達をみればその意図と犯人は容易に知れます。
問題は被害者が反撃にでたこと、そしてその手法が王女達より遥かに高度でひよっこな令嬢達とは違う確固たる人脈を持って細かく修正しながら情報統制を行っていたこと。
これらのことを静かに静かに行っていきます。一見波風が立ってませんが後々大きなうねりになります。
その間王女は棚からぼた餅を只ボーッと待っていただけ。噂のお手入れも周りの雰囲気にも無関心、匂わせで発信したら観察ぐらいしなくちゃね、で気がついたらにっちもさっちもいかなくなってました。
大きな事件はありませんが底知れない怖さがあります。人を呪えば穴二つです。