【感想・ネタバレ】世界地図の下書き【電子特別版】のレビュー

あらすじ

【電子版限定特典つき】突然の交通事故で両親をなくし、児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らすことになった小学生の太輔。悲しみでしばらく心を閉ざしていたが、同じ部屋の仲間たちのおかげですこしずつ打ち解けていく。とくにお母さんのように優しい高校生の佐緒里は、みんなにとって特別な存在。施設を卒業する佐緒里のため、4人の子供たちは、ランタンに願い事を託して空に飛ばす「蛍祭り」を復活させようと、作戦を立てはじめる――。直木賞受賞後第一作! 電子版限定! スタジオジブリのアニメーター・近藤勝也氏が本書のために描き下ろしたカラーイラスト3点&「青春と読書」’13年7月号に掲載された、著者インタビューも収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が読書好きになったきっかけの本
ハッピーエンドっていう訳じゃないけど、ラストは登場人物たちの後押しをするような、読んでよかったって思う作品

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2021年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 児童養護施設の子どもたちを描いた作品。あまり小説を読む方じゃないので,こういうタイプの内容は初めてだ。
 小学校から高校生まで,さまざまな子が出てくるが,その子たちは,当然,いろんな〈もの〉を抱えているからこそ,ここに,いる。その〈もの〉は一人一人違うから,施設の中の子どもたち同士でさえ,うやらましがったり,見せびらかしたり,秘密にしたり…と,お互いに心を開くことはなかなかできない。
 しかし,そんな子どもたちが,今年高校を卒業して施設を離れてしまう佐緒里(佐緒里は進学を諦めて親戚の家に働きに行くことになってしまった)を勇気づけようと,協力して〈あること〉をしかけようと計画するが…。

以下,ネタバレ注意!

 ラストのシーンは,とってもよかった。浅井さんだから,また何かどんでん返しでもあるのかと心配してたけど,そうでもなかった。
 佐緒里に思いを寄せる(たぶん初恋だな)6年生の太輔の気持ちが,これまた,とてもいい。
 最後の5ページくらいで,浅井さんからのメッセージが伝わってきて,「ここがいやならにげていい」「別にガマンしなくていい」「この先にも,また分かってくれる人が絶体いる」と励まされる。

 「私たちは,絶体にまた,わたしたちみたいな人に出会える」
 「逃げた先にも,同じだけの希望はあるはずだもん」
 こんな佐緒里の言葉に胸を熱くするわたしであった。
 

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2019年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後、めっちゃよかった。
逃げた先にも、同じだけの希望があるはず。そう思いたいけど、自分のために町じゅうにチラシを貼ってくれるような人は、すごくすごく大切だよね。この人だけって思いたいよなあって思った。
あと、小学生だけで火使うのはけっこう危ない(笑)

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2021年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

児童養護施設にいる小学生たちが、力を合わせてある祭りを復活させようと奮闘する。その祭りにかけるそれぞれの思惑とは―。

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今まででいちばん感想が書きづらかった。というのも、お話の内容自体は決して明るくなく(ただし文体は明るいため読みやすい)、「いじめ」「親友たちとの別れ」「小学校というムラ社会」などがテーマであるため、万人には勧め難いと感じたからである。しかし、小学生らしい青春劇であり、中高生や親世代ならば絶対一度は読んだほうがいいとも感じた。

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2019年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家庭に問題を抱える子供達にスポットを当てた物語。最初にテーマに気付いたときは、どんな重い話として進んでいくのかと思ったけど、主人公や登場人物が皆小学生くらいなので基本的には軽くて子供らしい雰囲気で物語が動いていく。だけど、ふとした瞬間の描写や伏線にドキッとするようなものがあり、深く考えさせられる作品。本全体のメッセージとしては、辛いときに逃げてもいいというもので、元気がない時やセンチメンタルな気分のときに読むのをオススメ。読みやすくて世界観に入りやすい素敵な作品でした!

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2019年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

養護施設に預けられた五人の子どもたち。
それぞれが辛い環境の中でも希望を見つけようとし、それをつかもうとするけれど
結局誰ひとり希望をつかむことができなかった。
東京にいけず、母親の暴力は治らず、友だちを得ることはできず、自分を受け入れようとしていた人が求めていたのは自分ではなくただ「そばにいてくれる人」だった。
それでも、次の希望に向けて、次の「私たち」に出会うために、それぞれが違う一歩を進もうとする。何かを諦めて。

どうして世の中はこんなにも残酷なのか
どうして小学4年生の小さい子に、頑張っても変わらないことを分からせないといけないのか

逃げることは悪いことではない。
5人に、それぞれの新しい「私たち」が見つかりますよう。
それを祈るばかりです。

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2018年06月09日

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