あらすじ
かけがえのない、高校生だった日々を共に過ごした四人の男女。テストにやきもきしたり、文化祭に全力投球したり、ほのかな恋心を抱いたり――。卒業してからも、ときにすれ違い、行き違い、手さぐりで距離をはかりながら、お互いのことをずっと気にかけていた。卒業から20年のあいだに交わされた、あるいは出されることのなかった手紙、葉書、FAX、メモetc.で全編を綴る。ごく普通の人々が生きるそれぞれの切実な青春が、行間から見事に浮かび上がる姫野文学の隠れた名作。
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Posted by ブクログ
2018/03/02
手紙とファックスのやりとりだけで、登場人物たちの20年近くを追う。
20年。
スタートは高校生、表現に時代を感じるものの、なんか自分もこんなノリの手紙のやり取りしてたなあと思い出す。
その後大人に近づいて文体は落ち着き内容も年相応に紆余曲折していく感じ、なんかリアルでした。
都築がしょーもない。
上辺では平静を装っていても、どうしようもなく弱くていい加減で、それを直視しないように文学にハマってみたり(ハマったフリをしてかっこつけたり)、自分の失敗や弱さにしょーもない言い訳をつけて正当化したり、もうほんとしょーもない。
でもこういうしょーもない人はいるし、自分にもそういうところある。
あとミポに鳥肌。
末田先生の手紙に涙。人生の大先輩の文章だった。
優子、よかったね。