あらすじ
35年前に死んだ父に、まるでそっくりの若い男が息子たちの前に現れた。顔も体つきも言葉遣いさえも、父そのものだった。おまけに名前までも同じなのだ。その男が出現して以来、息子たちの商売はとんとん拍子に繁栄していった。息子たちは、男を父親のように感じ慕いはじめていたが、その裏には、正体不明の組織があった。現代社会を変えるべく、過去からよみがえった“亡霊”を描く異色長篇。
カバーイラスト/杉本一文
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Posted by ブクログ
前半はSFというか、怪談。死んだ人たちが生き返って、日本を軍国化して活性化するという、最近紹介したら、勝手にいろんな解釈を入れられそうなお話。その中途半端で突然、第2章に飛ぶと、全く別の話が始まる。
第2章は、1章と別の話すぎて、しばらく全く違うストーリーなのかと思っていたところ、8割位読み進めたところで、突然1章とのリンクが始まる。
死者が生き返る話以外は、全体にSF的な要素は少なく、生き返るメカニズムが明らかにされるでもなく、解決するわけでもない。生き返った連中が、なぜ現世で活躍できるのかもわからないものの、調度よいタイミングで事件に巻き込まれるため、読んでいて飽きさせない。
しかしなー、最後それ?うーん。
最後の直前まで、好きなタイプの半村良だったので、最後の切れ方は残念。