あらすじ
アリゾナ州の田舎で平穏に暮らす名スナイパー、海兵隊退役一等軍曹、ボブ・リー・スワガーのもとにラス・ピューティという青年が訪ねてきた。「あなたの父上の話が書きたいのです」とラス・ピューティは言った。1955年7月、アーカンソー州の警察官アール・リー・スワガーは逃走中の凶悪犯との銃撃戦で殉職した。四十年前の事件を調べはじめた二人に気づき、真実が明るみに出ることを恐れた男たちが、いま動き始めた・・・・・。巨匠S・ハンターのアクション長編!
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Posted by ブクログ
スティーヴン・ハンターによるボブ・リー・スワガーシリーズ第三弾上巻。
前作でラマーの父とボブの父の関係がチラッと出てきたが、本作ではそれをより深く描くべく、物語が展開する。一方では前作でラマーを倒したバドの息子、ラスがボブに会いにやってくる。この、父と息子の物語が入れ替わり立ち替わり描かれる中、不穏な空気をまとったレッドや保安官・ドゥエインなどが絡んできて物語は混沌とし始める。
物語の中心を貫くのは、なぜアール・スワガーが殺されたのか、という点だ。アールはラマーの父、ジミーに殺されたと思っていたらどうやらそうではないらしいことが明らかになるし、アールが最後に関わっていた殺人事件の犯人ももしかすると電気椅子に縛られた黒人の少年ではなかったかもしれない疑惑まで飛び出し、これらが一体どうつながってくるのかが見通せず、先が気になりついページをめくってしまう。
それにしても、アールのカッコよさはどうしたものか。ただの警官でしかないが、毅然とした振る舞いにしびれてしまう。ボブはやや変人めいているが、アールは正統派という印象を持った。