あらすじ
夏休みも終盤。休み中でも、目前に控えた文化祭に向けて、市立の生徒たちは奔走する。ところがある日、登校した葉山君の目に飛び込んできたのは、そこかしこに貼られた目つきの悪いピンクのペンギンとも天使ともつかないものが描かれた、異様な貼り紙だった。それぞれの部活にちなんだ図柄の〈天使〉を不思議に思いつつも、手の込んだ悪戯かと気を抜いていると、化学準備室で工作する犯人と思しき人影を見かける。文化祭のホームページも改竄され、事態は深刻さを増して――。波瀾万丈で事件に満ちた、コミカルな学園ミステリ・シリーズ。
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Posted by ブクログ
文化祭における事件というネタは、個人的にはどうしても相対させちゃう作品があるんだけども、そしてそっちの作品がかなり好きなのだけれど、そういう状況でもこの作品はなかなか秀逸だったと思う。
どこかに叙述トリックが使われてるかもなぁと感じたのはかなり後半の方だったから、相変わらずの騙されっぷり。時間をずらすという叙述だったことにまでは全く思い至らなかった。
文化祭となるといろんな人が勢ぞろいするから、それだけで盛り上がるし、お祭り感のちょっと浮ついた感じと変わり者の探偵役とのコントラストが映える、とでも言うんだろうか。そしてそこにいじられ役の主人公がいることで、三点倒立的にバランスが取れてる気がする。
文化祭的には動機や内容がちょっと重くてバラ色ではないけれど、文化祭は楽しまないといけないから、最後に「文化祭へようこそ」で終われたのはよかった。
Posted by ブクログ
読むのがもったいなくてあえて読むのを先送りにしているシリーズ。
ついに読んだけど、やっぱり読んで良かったと思う。
しかし、高校生の頃は高校が舞台の小説はあまり読んでいなかった気がするのに、大人になってから読む小説になぜか高校生や大学生を扱ったものが多いような気がするのはなぜなのだろう。小説全体に占める青春ものの割合がやはり高いのだろうか。それとも自分が懐古的になり過ぎている、というか年を取るのが怖いのかもしれない。
閑話休題、
今回もトリックは著者の得意のあの手法だった。もしかすると本シリーズで一番うならされたかもしれない…。タイムリミットがある中、葉山さんと柳瀬さんで謎解きをしていく過程は面白かった。本書では、変な嫌味のある人物が誰もいなくて、リラックスして読める。こんなに面白いのに、なんでアニメとかになっていないのかな、と、思ったけれど、トリックというかこのシリーズの特長を考えればそれも難しいのかなと思った。
Posted by ブクログ
「小さい」ことしかわからなかった葉山くんの外見がもうちょっとわかった回。葉山くんは「小さくて細くてほっぺたが美味しそう」で、女装するとすごくかわいい!らしい。
事件を起こした理由がわりといい話だったのがよかった。
でも伊神さんがちょっと足りない。
Posted by ブクログ
学園ミステリーの続き。今回は長編で見事に騙された感じです。
葉山くんの探偵力、発言の内容が上がってきているように感じました。女子も放っておきませんよ。
柳瀬さんが翠ちゃんを牽制しているようにも見える場面も。
ニヤニヤ。
自分の責任でもなく、タイムリミットに迫られて緊迫感が伝わってくるシーンは人命が絡んでいるわけでもないのにかなりハラハラさせられました。
最後はまた伊神さんに頼ってしまうのだけど、頑張れ葉山くん!と応援したくなります。
内容については触れませんが、気になるチョイ役の人物が何人か登場。
「校長先生」遊び心を持っている、というかイカした大人で粋な発言が格好よい。
「お姉さん」ミカさんの事。どこでも居そうな女子なんだけど、大人になった彼女も魅力的そう。チョイ役ではないけどキーマン。ほとんどでてきませんが。
そのほか、文化祭を盛り上げようとする各メンバーにも好感が持てました。
また「ヒロ」がどのようにあのようなキャラになったかのも考察のしがいがあります。う~ん
Posted by ブクログ
くっそー、叙述トリックめ、苦手だぜ
(本編とは関係ありません、本当にない!)
さて、今度の葉山は可愛いぞ(最終章)
感極まって愛妾(葉山がね)呼ばわりされ
ている当の相手に抱き着いて・・・数秒も
いやいや、うらやましい(P181)
自力で解決できそうな探偵力は身に就けた
ものの、まだダミーなどに騙されるのは
非情を貫けないやさしさだと思う
学祭は懐かしいね、ほぼ泊まり込みで作品
を作ったのは思い出だわ
Posted by ブクログ
今回はやられました。読み進めながら,トリックはこちらかあちらか,と予想していたら両方だったというオチ。青春小説としても読み応えがある。葉山=柳瀬は最強!しかし最後になって結局「文化祭の天使」は誰だったのか?という疑問が残り,再読必須!
Posted by ブクログ
ラノベの日常ミステリー、となると手軽であっさり読みやすいのが身上。このシリーズは今のところその期待を裏切らないお手軽さとあっさり味が良。本作でも、この俺ですら「あぁ、あれ系のトリックな」「犯人は複数でしかも・・・」とか、ある程度まで謎が解けそうになるのがまた良。
主人公葉山君とヒロイン柳瀬さんの進展具合が青春していてこれまた良。俺みたいなおっさんでも、むしろふつうに高校生的な2人は応援したくなる。もう「おぉロミオ・・・」とか「来年再来年10年後の今月今夜・・・」なんかに代表される大袈裟な恋愛描写は消化不良を起こして胃もたれしてしまうのだ。この作品ぐらいの綺麗ごとな恋愛描写が口当たりも良くて読みやすい。
Posted by ブクログ
話が繋がらず??となった。
終盤で理由はわかるんですが、驚きというよりはそんな事するから読みずらくなるんだよという印象。ミステリを期待すると肩透かしをくらいそう。
Posted by ブクログ
キャラクター間のドラマよりは話の構成に凝っている小説、かな。謎解きの構造は複雑に仕掛けられているけれども、その動機が意外性に欠ける。
日常生活の中にファンタジー要素を組み込んだ物語を「エブリデイファンタジー」と呼んだりするが、それに倣って「エブリデイミステリー」と名づけたらしっくりくるかもしれない。
あと、主人公の高校生男子がやたらと女の子に好かれるという意味でハーレム系の要素も混じっているかも。
それからもう一つ、あとがきが明らかに時雨沢さんっぽい。時雨沢さんの方がキレッキレだけども。
同じ作者では動物園シリーズの方が好きだな。