【感想・ネタバレ】街場のアメリカ論のレビュー

あらすじ

ウチダ先生が今回俎上に載せるのは、ズバリ「アメリカ」。私たちが「アメリカの圧倒的な力」と思いなしているものの一部は、明らかに私たちがつくり出した仮象である――。本作のベースとなっているのは大学院の演習での講義と、聴講生たちとの対話。ファストフード、アメリカン・コミックなど身近な題材から始めつつ、いつしか本質に迫るウチダ節が炸裂! アメリカを論ずることで、「日本らしさとは何か?」が見えてきます。

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Posted by ブクログ

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ファストフードやアメコミ、統治システム、サイコ(シリアルキラー)などなど、いつものレヴィナスではなく、トクヴィルというフランス貴族の「アメリカにおけるデモクラシーについて」という著作をもとに書いたアメリカ論。トクヴィルの著作は19世紀のものにもかかわらず、底から読み取れるアメリカという国の本質がほとんど建国当初から変わっていない事に驚き。

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2014年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「アメリカという国の構造」と「日本がアメリカをどうみるか」について論じてある。
「アメリカという国の構造」については、歴史的背景や宗教に基づくアメリカ人の考え方をベースに語ってあるので、全体像が掴める。
興味深いのが、アメリカは理想国家として既に存在しているというところからはじまったということ。ということは最初が100で後は下がっていくしかないということになると思うのだけど、確かに現在のアメリカはそんな状況になってきてる。そんな落ちていくアメリカなしに国のあり方について語れない日本はどーすればいいのか?
それを考えるために筆者が提案しているのが、アメリカという国をまっすぐに見つめるということ。日本は戦争経験からアメリカと言う国だけをまっすぐに見れていない。自らよりも大きくて然るべき国と思っているから、アメリカという国を理解できなくても当然だと思っている。
そんな日本人のアメリカ観をぶちのめすために、現在の日本がアメリカをどうみているか、どのような見方をするべきなのかを考えさせてくれます。

筆者の専門がフランス文学というところも私のおススメポイントです。
アメリカの専門家にはできない視点から読みやすく楽しく語ってくれるのがいいです。
内田先生みたいに、専門外領域についても、専門を活かして積極的に論を展開してくれる学者さんがいると、文学部がもうちょっと盛り上がるんじゃないかなあって思います。

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2011年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

西漸志向というキーワードに集約されるアメリカの国民性。従属国としての日本はアメリカの没落にどのように対処するべきか。個人として生き残っていく戦略を考えるための土台としての一般論がこの一冊に集約されていると思った。

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2011年06月11日

Posted by ブクログ

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アメリカの北朝鮮問題や沖縄軍事基地・靖国参拝に対する行動が納得できた。最近の日本を見ていると、アメリカや中国との関係はこのままどちらかが崩壊するまでずるずる行ってしまうんではないか、内田先生がおっしゃる最悪な事態になってしまうのではと感じた。子どもに対する意識の文化の違いやアメコミ、フェミニズム、連続殺人、訴訟などについても興味深かった。もう一度読みたい。

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2011年08月01日

Posted by ブクログ

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筆者はアメリカの専門家ではない。
しかし、だからなのか非常に興味深い視点で書かれている。
また、この書をトクヴィルに向けて書いたと主張し、
アメリカの本質、すなわち不変なものを直視しようとする。

特に興味深かったのは、アメリカが反知性主義に基づくという
もの。筆者によるとアメリカは建国時=「完成系」として
理想のままに生まれたので、
いかに理想を崩さないかが焦点だと言います。

そのため、アホな指導者によってその理想が崩れないように、
政治システムは、権力の集中を防ぐものになっており、
当初は少数の宗教指導者に導かれる事を想定していたが、
西漸運動の過程の大覚醒運動で、
政治参加者が拡大した後には指導者に求められるのは
熱狂と大衆の支持を受けるための人間的魅力となる。
それがアメリカの大衆民主主義に反映されている。

要は能力が無い指導者であった方が
アメリカンデモクラシーは働く。
能力の無い指導者が、能力も知識も無い大衆の支持を受ける。
つまり、本質においてリスクヘッジ>ベネフィット最大化の
システムだと言う事です。

またアメリカについて書いていますが、将来あるかもしれない、
アメリカ亡き後の日本を考える本だと言えます。

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2011年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

楽しかったではあるけど、推論推論の組み合わせで話が構成されているから、たまに読んでいて大丈夫かなと不安になる。 でもアメリカでは、何故あんなにも太っている人が多いのか。何故ハリウッド映画は、子供嫌いを演出をしているのか、面白い答えを示していると思う。 しかし、アメリカは独特な国だな。てか、変な訴訟が多すぎる。。

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2014年08月18日

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