【感想・ネタバレ】安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録のレビュー

あらすじ

秀吉の秘技、家康の妄執、天下人たちの意外な素顔を巧みに描く、「本能寺3部作」外伝!

信長の命により息子の信康を自刃させてしまった家康。日々鬱々として過ごす家康は、ある日名案を思いつき、臣下の服部半蔵を安土城に派遣する。果たしてその結果は? 表題作「安土城の幽霊」ほか、信長、秀吉、家康と持ち主の運命を左右する器の物語など、著者初めての中篇歴史小説集。

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短編3話。
今川方の武家松下源太左衛門に仕え始めた藤吉が、織田信長と出会い、取り立てられていく「藤吉郎放浪記」は、下っ端時代の秀吉を知らないので、作者の創作である「山の民」の出自と絡めているとはいえ、興味深かった。
表題作「安土城の幽霊」は、信長の刀に宿る女の霊と、それに振り回される信長の話、「つくもなす物語」は、足利義満が入手した唐渡の陶器が、「天下壺」と呼ばれるようになり、山名、朝倉、松永、織田、豊臣へと渡り、落城で焼けた後継ぎ直されて徳川へ、最終的には明治の岩崎家へ渡る物語。

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2024年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「信長の棺」異聞録というタイトルの通り、筆者の以前の著書の外伝的物語集(三本立て)である。
「藤吉郎放浪記」は秀吉が天下人となるために、信長に仕官する顛末記。
「安土城の幽霊」は信長が安土城の幽霊のために眠れなくなった話。
「つくもなす物語」は足利義満の時代から受け継がれる茶器の話。この壺を所有する者は天下を取れるほどの運に恵まれるが、同時にその運は悪運をも引き寄せる。

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2021年09月07日

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