【感想・ネタバレ】マイ シーズンズのレビュー

あらすじ

一九九五年二月、蔵王山麓で小説家の〈僕〉と暮らす早紀のもとにビヨルグ・アブラハムセンの夫、ヘルゲ・アブラハムセンから手紙が届く。
それは草木染めの布を素材に衣服や小物、額絵やタペストリーなどを作る早紀が魅せられたビヨルグの作品の実物を見たいとビヨルグ宛に問い合わせた手紙への返信だった。
そこには早紀の手紙は開封しておらず、ビヨルグがすでに亡くなったこと、ビヨルグの仕事についての問いに答える用意があることが記されていた。
鬱の症状に苦しんでいた〈僕〉は、自らもまたビヨルグの作品によって喜びの感情を抱いていた。
そして、むしろ自分こそノルウェーに行きたいと思うようになり、早紀に渡航を提案する。
一九九五年春から翌年にかけ春夏秋冬の四回、〈僕〉はノルウェーへの旅を繰り返すことになる(早紀は秋の旅を除く三回)。
〈僕〉と早紀はこの旅でビヨルグの作品を実際に目にし、ビヨルグと関わった人々や偶然出会った住民、現地の風土や文化や歴史に触れる。
やがて、人間がものを創りながら日々暮らすなかで抱く感情の奥深いところまで、穏やかにだが確かに思いを馳せるようになっていくのだった。

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Posted by ブクログ

『ノルゲ』と対をなすノルウェー小説
 草木染め作家の妻にノルウェーの旅へついていった主人公。そこでビヨルグの作品に出会ふ。
 水のやうな表現のある布の藝術。じゃがいものお酒・アクアヴィット。青くひかる碍子。

 『ノルゲ』のほうが読み味がよく、しかしこちらも姉妹編として捨てがたい魅力がある。一瞬登場する妻の事故。主人公の境遇。ムンクに重なる風景。
 ときどき顔をのぞかす人生の一瞬こそ、生きてゐることの実感として伝はってくる。生だ。

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2026年04月17日

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