【感想・ネタバレ】魔都シカモア(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

魔都シカモア。吸血鬼や人狼が跋扈する魔界〈ブラックランド〉への出入り口(ポータル)が出現する町。巷では連続惨殺事件が発生し、血塗れの現場から遺体が消えた。「夫の遺体を探してほしい」依頼を受けた探偵フィリックスは、勝気な女性司書を相棒に、まさかのブラックランドへ足を踏み入れる羽目に……。様々な要素を丸呑みにし、フーダニットとしても完成された最先端特殊設定ミステリーの誕生!(解説・阿津川辰海)

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Posted by ブクログ

人探しをするうち闇の世界〈ブラックランド〉の凶事に巻き込まれ… 怪奇幻想ミステリー #魔都シカモア

■あらすじ
異次元に通じるポータルが出現し、その先は〈ブラックランド〉という闇の世界が存在する物語。

私立探偵レンのもとに、行方不明になってしまった夫を捜索して欲しいとの依頼がくる。レンは妻の話を聞くためにトロント近郊の町シカモアに訪問、周囲では夫以外にも多くの人物が行方不明になっているらしい。調査を進めていくと、レンは〈ブラックランド〉が関わっていることを知る…

■きっと読みたくなるレビュー
これまた不思議なミステリーですね~。異世界ファンタジーであり、探偵小説であり、ホラーであり、特殊設定ミステリーでもある。

表紙の装画をみてみると怪しさ抜群なんだけど、読み味としては比較的軽妙で読みやすい。ネッチョリ、ドロドロ、おもーい感じではありませんのでご安心を、どなたでも楽しめる作品です。

本作は私立探偵のレンが事件に関わり行方不明になった人物を探すうちに、闇の世界〈ブラックランド〉に続くポータルに遭遇。図らずも〈ブラックランド〉の凶事に巻き込まれていくという物語です。

色々感心するところは多いのですが、まずはプロットの妙ですね。まぁ言っちゃうと、とにかく面白ければ何でもありのドエンタメ小説なんです。人探しと言うミステリの筋がありながら、おどろおどろしさや奇妙な世界観をいれていく。

どうなるんだ~と後半まで引きつけられるんですが、えっ?こんな話になるの? 展開の変化にびっくり。さらに終盤なんか、めちゃくちゃになるんすよねー、これがおもろいのよ。それなのに、ミステリーとしての着地もしっかりしているのがスゴイ。組み立てがしっかりしてるんでしょうね。

キャラクターも愛着があっていい! とくに主人公のレンの苦労人の感じや、人間臭さが良く出てる。冒頭の元パートナーの会話なんて面白過ぎるし、何度も立ち上がらんとする粘り強さは、もはや魔界側のソレ。会話のやり取りも粋なんだよね、映画のワンシーンかしらって思わせてくれるの。

何より犯人は誰なんだ?ってところが一番気になるんだけど… ご安心ください、真相は目ん玉が飛び出ます。読ませる総合力が強い、エンタメ増し増しの特殊設定ミステリーでした!

■ぜっさん推しポイント
闇の世界〈ブラックランド〉が気になりますね~。読んでくと分かるんですが、実は詳しく説明されていないってところがミソなんだと思いました。でも間違いなく禍々しいものであって、不安感や嫌悪感が忍び寄ってくるという。いったい何なのかが気になるので、ぜひシリーズ続編をお願いしたくなる作品でした。

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2026年06月05日

Posted by ブクログ

どういうジャンルとして位置付けたらいいか難しい作品だった。
ミステリーとして評価するならかなり物足りない。なぜなら世界設定がふわふわしていて、読者側に謎解きをするだけの材料が揃っていないから。しかし最後まで読むとなるほどミステリーではあるとも思える。
SFとしても中途半端で、《ブラックランド》という異世界の存在がそこまで干渉してくるわけでもない。ただ確実に物語の背景として存在している。個人的にはもっとモンスターや異世界で大活劇を繰り広げてくれた方が面白かったけれど、作者はあくまでハードボイルド調の探偵ものにしたかったんだろうと思う。

巻末の解説で阿津川辰海さんが「怪奇幻想ミステリ」と書いており、ジャンル分けするなら確かにそういう名前なんだろうと思う。
ただ探偵であるフィリップ自体にも、《ブラックランド》という設定にもまだまだ謎が多く、おそらくこの一作だけで完結している話ではないんだろうということは感じた。作者のこだわりの範疇なので(そして出版されるかは謎)、一作の中で消化しきれてないという意味では好き嫌いが分かれそう。
しかし《ブラックランド》シリーズの一作目として読むなら、また続きを読んでみたいと思える作品だった。

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2026年04月20日

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