【感想・ネタバレ】旅のつばくろ、ふたたび―飛び立つ季節―(新潮文庫) 電子オリジナル版のレビュー

あらすじ

私は、またひとつ、旅をしたい土地が増えたことを喜んだ――。世界中を旅してきた著者が、心の声を聴き、気の向くままに日本全国を巡る。初めての一人旅で訪れた男鹿半島、小泉八雲に思いを馳せながら歩いた松江、吉永小百合と語り合った伊豆。近所での意外な発見から遠く福岡で過ごした特別な一日まで、見て聞いて歩き、そして綴った追憶の旅エッセイ。『飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版』改題。〈電子オリジナル版〉は沢木耕太郎撮影の写真が収録されています。

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Posted by ブクログ

沢木耕太郎『旅のつばくろ、ふたたび』新潮文庫。

既に4月刊行の新刊文庫にも手を出しているのだが、ようやく3月に刊行された新刊文庫の最後の1冊が読み終わる。それにしても、今どき550円の文庫本というのは、かなり安く感じてしまう。

今や文庫本は1冊900円から1,000円とかなりの贅沢品になってしまった。海外翻訳作品の文庫本などは無理矢理、上下巻に分冊され、平気で1,700円とか2,000円とか驚くばかりだ。

『旅のつばくろ』の続編の沢木耕太郎による国内旅エッセイである。文庫版あとがき『敵か、味方か』が新たに収録されている。

沢木耕太郎の文章には自身の経験を正確に伝えようとする慎重さが窺える。ノンフィクションという分野は、嘘をついたり、間違った情報を伝えた瞬間にフィクションになってしまうのだから、その慎重さは大切だと思う。


沢木耕太郎が紹介する最初の旅は福島県であった。新幹線で郡山まで移動し、磐越西線で猪苗代まで移動し、バスで裏磐梯の五色沼などを巡る旅である。自分も裏磐梯には何度かドライブに行っているが、その度にツキノワグマを目撃している。


沢木耕太郎はさらに会津若松や須賀川にも足を伸ばし、円谷幸吉について語る。大学時代に沢木耕太郎の『敗れざる者たち』を読み、円谷幸吉という五輪のマラソン選手の存在を知った。その後、高倉健主演の映画『駅』で円谷幸吉の遺書がナレーターにより語られたのを覚えているが、非常に印象深かった。円谷幸吉は五輪で銅メダルを獲得し、次の五輪も期待されていたのだが、知人や親族への感謝を綴った遺書を遺し、自殺してしまったのだ。当時の五輪選手はお国のためという意識が強かったのだろう。


夜行列車の旅についてのエッセイでは車窓の風景を楽しめなかったと昼間の列車旅にしなかったことを後悔している。自分が初めて夜行列車に乗ったのは高校3年生の2月に大学受験で盛岡から上京した時だ。確か夜の10時頃に盛岡駅を出発したのではなかろうか。学生服にハーフコートを着て、デイパックを背負い、4人がけの椅子に座っていると途中から乗車した若い美女が自分の向かい側の椅子に座って来た。さらに暫く進むと途中の駅でスキンヘッドにサングラスでさらには毛皮のコートを着た明らかにその筋の男が乗車し、こちらに来るなと思ったが、願いは虚しく、若い美女の隣りに座ってしまった。自分は眠ろうと努力したが、美女とスキンヘッドが気になり、なかなか眠れなかったが、途中でスキンヘッドは何処かに行ったので、安堵した記憶がある。


沢木耕太郎が盛岡に取材に通う話もあったが、『天路の旅人』というノンフィクションの取材であろう。『天路の旅人』は第二次世界大戦末期に敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した日本人である西川一三の8年間の軌跡に迫るノンフィクションで、沢木耕太郎は盛岡に住む西川一三にインタビューを行ったのだ。

本体価格550円
★★★★★

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2026年04月15日

Posted by ブクログ

深夜特急で青春時代の作家だった沢木さんの国内を旅する1冊、著者も読書も年齢を重ねてこそ楽しく読みました。

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2026年04月08日

Posted by ブクログ

有名な観光地でなくても住んでいる所から近くても旅と言えると改めて認識。自分が気になっている場所へ行くこと、あまり予定を詰めすぎないことが大事なのでは。 読んでいて行きたくなったのは日光です。日光駅のクラシックな外観を見てみたい。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

昔、父は仕事の平日。
車を運転していたら、突然目の前に父が出て来た。
父がどこに行っているのか分からないのに。
著者の偶然より、すごい偶然はある。

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2026年04月01日

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