あらすじ
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これまでの教育で論理性という視点から国語を訓練するような場がほとんどありませんでした。この本の学習を通して「論証」といった概念を具体的にイメージすることができるようになります。また小論文やレポートの作成、討論や会議、プレゼンテーション等、日常の実践的な日本語力を鍛えることができます。「ことばを使ってものを考える」という知的作業の基本の力を身につけることが本書の最終目標です。
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Posted by ブクログ
小論文の評価項目を大別すると、「内容」「構成」「表現」の3項目になるが、本書は「構成」力養成を主眼とする一冊。(このようなコンセプトの本は珍しい)
著者の、構造として文章を捉える能力と、それを図式化して分かりやすく表現する能力は、率直に評価したい。
よって、「文章の構造を見抜けない」「構造的・論理的な文章が書けない」という方にはオススメできる。(僕もその一人です)
本書の難点は、思想信条に関する主張や表現に著者本人の癖とでも言うべきものが色濃く反映されてしまっている点。(著者は本書を、大学講義での使用に耐えうるものとしたかった様だが、残念ながらこのままでは受け入れられないだろう)
「表現にばかりケチをつける、権威づけで有名無実な添削が世にはびこっている」といった独自の信念を持つらしく、それを示す文章が随所に現れる。個人的には、著者自身が幼少時代に権威主義のイヤな教師に自分の文章をボロクソに言われたコンプレックスを今も抱えているのではないか、という疑いを持っている。
「不都合」を「不合理」や「不整合性」と混同している節がある点と、模範解答の表現力に特筆すべきものがない点がマイナス。(仮にも日本語のプロを名乗るなら、もっと厳しく自己評価すべき)
意地悪な僕は、『著者の文章を添削して鍛える表現力トレーニング』というレビュータイトルを付けたくなってしまった。