あらすじ
江戸時代中期には、ヒゲありが幕府によって禁止されたことがあります。しかし、明治時代になると、一転してヒゲありが大流行し、欧米のさまざまな型が取り入れられていきます。だが大正時代になると、今度はヒゲなしが増え、日中戦争が始まると、またヒゲありが増え……、と、ヒゲのある/なしだけでも時代性を窺い知ることができるのです。つまり、ヒゲが時代を映す鑑とも考えられるのです。ヒゲに見える興味深い日本近代史。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
いまどきヒゲNGとか無理って思っていたわけです。読後は、ちょっと分かる。に傾いた。
ほら、男性性を出したいので、ボクはヒゲを生やしているし、体作りもしている。
で、それってつまり、威圧したい気持ちも、少しある。つまり、威圧要素のひとつなんだね。そりゃぁ、日本社会的には威圧という火種は無い方がいいに決まっている。
怖くないよ~っていう雰囲気になれば、開かれていくのかも。
あと、民俗学的な要素が入ってくるのかなと思っていたら皆無。あれ?っとおもったら、巻末に著者ご自身が民族的見地が足りてないと補足されていました。
そのあたりを期待される方は、別の本をおすすめします。
Posted by ブクログ
最近汚いヒゲのタレントがTVに出たり,街中にもいて不快である。
この本を読むと時代でヒゲの評価がとっても異なることが分かった。漢字も何種類もあるし。
Posted by ブクログ
タイトルの通り、日本の近現代におけるヒゲの変遷についてまとめられている。
多くの文献や雑誌などの同時代的史料に基づいており、かなりマジメにヒゲの変遷についてのべている。
Posted by ブクログ
≪目次≫
プロローグ 前近代のヒゲ史概観
第1章 明治時代におけるヒゲ大流行と権力性
第2章 明治後期のヒゲ論ー寺田四郎『ひげ』を中心に
第3章 『太陽』掲載写真にみる明治後期~大正初期のヒゲの様相
第4章 大正デモクラシーと流動化するヒゲ
第5章 軍国主義におけるヒゲの復活と実状
第6章 ヒゲの戦後史
第7章 ヒゲの現在
≪内容≫
ヒゲの文化史。最終章にヒゲをめぐる状況の変化について、4つの要因を挙げている。①権力側の働きかけ ②外国文化の影響 ③女性の目線
④器具の発達(特に安全剃刀の普及) である。
大まかに言って、明治期からヒゲの流行は下降線をたどっているようだ。戦争中は上官は生やすが、一兵卒は剃る、という感じで、政治的色合いが濃くなっているだけである。また、現在は意図的な「無精ひげ」もあるようで、それは手入れされているらしい(私もめんどくさいとときどきやるが、それはみすぼらしいだけだが…)。
まあ、けっこう綿密な研究なので退屈する部分もあるが、全般的には面白かったと言えるだろう。