あらすじ
外国語の学習は、多くの人に「良いこと」と信じられているが、正しい発音や流暢さ至上主義、ネイティブ志向、努力神話……等、学習者に劣等感や罪悪感を生む「呪い」も孕んでいる。本書はそうした言語学習の副作用を指摘し、言語やことばをインストールできるシステムではなく、社会的な活動のための人間らしい営みとして捉えなおす。ことばは硬直したものではなく、流動的で柔らかく、世界の見え方を歪めも解放もする存在である。学習者が自由に、そして幸せに学び、より豊かな世界をつくるための方法論を探る。
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Posted by ブクログ
第I部の「言語学習の呪い」の章は英語教師は必読だろう。「理想話者の呪い」、「レベルの呪い」、「ネイティブの呪い」、「正しさの呪い」。良かれと思って行っている日々の教育活動が「呪い」を発生させていることにもなるという視点は持っておくべきだと思う。
後半には言葉の創造的な逸脱の話が掲載されている。英語を教えていると「定型フレーズ」が大切だと生徒に力説するが、その分生徒が創造的に英語を組み合わせる楽しさを学ぶ・経験することを妨げているかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
語学の習得が、いい成績をとるため出世するためや認められるための道具になると、ネイティブ>非ネイティブのヒエラルキーにぶち込まれてしまう
言語は意思疎通のためにあるんだからさ、お互いの配慮が大事だよね。完璧に喋ろうなんて難しいや。、日本語でも言い間違えて、相手の解釈や理解力に助けられてるし。
日本の英語学習ってネイティブへのコンプレックを植えつけられてるんじゃね?分かんないけど
学校とか、入試とか、英会話ビジネスとか、色々
最近英語話せるようになりたくて、勉強始めたけど
ゴールは模倣じゃなくて、できないことが出来るようになった成長実感とか、態度では伝わらない気持ちを相手に伝えられること⭐︎
Posted by ブクログ
外国語を学ぶという行為そのものを批判的に捉え直し、より良い学びへとつなげるための方向性を示してくれる一冊。
第1部「言語学習の呪い」では、言語学習をめぐって私たちが持っているさまざまな価値観や信念を取り上げ、その中でも、学習者を縛り、ときに不幸にしてしまうものを「呪い」として解きほぐしていく。「呪い」は個人の思い込みだけに由来するものではなく、言語教育のシステムや日本社会そのものに起因するものまで含まれており、非常に興味深い。このあたりは、外国語学習者にも教師にもぜひ読んでほしい。
第2部では、ことばを学ぶことによって、私たちが言語的・文化的に複数の視点を獲得し、世界の見方を広げていくことが論じられる。これまでの学術的な議論だけでなく、著者自身の経験も交えながら書かれており、首肯するところが多かった。
一方で、第2部は具体的な方法論というよりも、外国語学習が目指しうる方向性を示す内容であるため、やや抽象度が高い。「外国語学習にどう向き合うべきか」という心構えの話として受け取られてしまう可能性もあるように感じた。留学をはじめ、外国語を使って異なる言語や文化をもつ人々と関わった経験があるほど、実感を伴って深く頷ける部分が多いだろう。その一方で、そうした経験がまだ少ない読者にとっては、本書の言葉を自分自身の経験と結び付けて理解するのは少し難しいかもしれない。
だからこそ、学習者や教員を志す人には、一度読んで終わりにするのではなく、繰り返し読んでほしい本でもある。外国語を学び、使い、人と関わる経験を重ねた後に読み返せば、以前は抽象的に感じられた言葉が、実感を伴って理解できるようになるはずだ。そのように、読み手自身の経験とともに育っていく一冊だと思う。
Posted by ブクログ
言語規範と言語使用の切り分けという新しい視点を得られた。その分け方で現状把握、解決策の提案、と読み進めることで、自分のこれからの学びをくじけず継続できそうと思えた。背中を押された。後半はやや繰り返しが多いかなと思った。