【感想・ネタバレ】古文と漢文 ――書き言葉の日本語史のレビュー

あらすじ

古い文と書いて、「古文」。平安時代と江戸時代では、数百年を隔てているのに、なぜ『源氏物語』と『奥の細道』は同じ文法で読めるのか。また、昔の中国の文章である「漢文」。なぜレ点などの印までつけて、「中国語」を「日本語」で読もうとするのか。「そういうものだ」と思って学んできた「古文・漢文」という教科は、たびたび要不要の議論の的となるが、それぞれの主張の前提が一致していない。そもそも古文とは何か。漢文とは何か。書き言葉の日本語史を精緻に解き明かし、議論の基礎を供する。

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Posted by ブクログ

田中草大「古文と漢文」(ちくま新書)
古文は単に古い文章ではなく、平安・鎌倉期に確立した古典文法に則った文章だという。室町時代、江戸時代の文章も古典文法に則っている限りは古文である。一方で狂言などに保存されている室町の話し言葉、キリシタン版文書にある戦国の話し言葉、江戸の戯作の会話文などは古文ではなく、遥かに現代文に近い。
漢文は中国古典を日本語で読もうとして訓読したことから始まり、その訓読の文章が古文にも大きな影響を与えた。また江戸期の候文は漢文の知識が無くても公式的な文章を書くための発明だという。
日本語の書き言葉と話し言葉がそれぞれどのように変遷してきたのかが多くの例文で示され、興味深い。

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2026年03月21日

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