あらすじ
そこは「やさしい殿さま」が支配する「やさしい村」。
しかしある日、村の人々はその暮らしに疑問を持ち……。
日本児童文学の歴史を変えた、ディストピア×時代小説(初刊1968年)。
多くのリクエストを受け、待望の復刊です。
〈カバーイラスト〉小宮りさ麻吏奈
〈カバーデザイン〉真田幸治
〈解説〉蛙坂須美
***
かつて少年少女読者に戦慄をもたらした、児童文学の異色名作を復刊する中公文庫のラインナップ
鈴木悦夫『幸せな家族』(2023年9月)
那須正幹『屋根裏の遠い旅』(2025年12月)
に続く第3弾!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
導入部から不穏な空気は充満している。
ホラーは悲鳴を観客、あるいは読者の悲鳴にあげさせる事で成立するが、本作では真逆だ。その異様な世界観に呑まれ、必死に悲鳴が出ないように堪えていた。それだけ没入感が強いのだろう。
児童文学というだけあって、平仮名を中心にした文体が異様な世界観を掘り下げ、まるで眼前で起きているかのように鮮烈に描写している。
歪で、残酷で、わずかな情けや涙すらも凍りつく。やさしさを偽った残酷物語だ。
これが長らく絶版で、ようやく復刻したというのだから嬉しい。手元にある事がもっと嬉しい。
Posted by ブクログ
「やさしい殿様」が治める「やさしい藩」。周りは山に囲まれ、山には人食いの「山んば」がでるという。6歳になり「やさしいむすめ」として選ばれた少女みよ。彼女が連れられて行った先は・・・
開始1ページ目から不穏と剣呑の嵐。リズムのいい手まり歌がそれはもう不気味で。いわゆるディストピアものみたいに語られていますが、一見理想郷なのにその裏では・・というよりも最初から全然理想郷然としてない。そして明かされる真実・・はまあさすがに予想通りではあったものの・・・いやあすごい話だったな。
昭和の少年少女にトラウマを与えた怪作が令和に復刊・・・・ということだと後になって知りました。自分が読んだのは昭和の方。知らずに手に取って「小学4年生以上向け」みたいに書いてあってびっくりしました。現代だと使われないような自粛ワードもそこかしこに。さすがに復刊版は修正されてるんでしょうね。
いろんな意味で令和のコンプライアンス的にこれ子供に読ませるの?!と思わなくもない。そりゃトラウマになるよ。今の時代の小学生に読ませて感想聞きたいな。