あらすじ
純子が体験した“血の凍るような恐怖”。それが起こったのは、深夜のタクシー乗り場だった。残業後、ひとりタクシーを待っていると背後から……(「HEY! TAXI!」)、ヨセミテ国立公園の断崖から身を投げようと決意した城島は、意外なものに遭遇し……(「グレイシャー・ポイント・ホテル」)など、これまで書籍化されていなかった幻の12作を1冊に収録。奇妙な世界に迷い込んでしまった人々を描く、ファン必読の貴重な作品集。
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Posted by ブクログ
13の幻視鏡というタイトルなのに収められている短編は12編。
このタイトルは編集の方が作者ならばどうつけるだろうと思いつけたということ。
作者がもし生きていたらどんな題名をつけたのかも知りたいが、このタイトルも捨てがたい。
個人的に一番ぞっと来たのは「着陸」
わき目もふらず必死で働いてきた日本の父親たち、その最後。
最近では若者の離職、終身雇用制度の破壊などがまるで悪であるかのようにニュースで取りざたされているが、本当にそれが駄目なのかと首をかしげたくなる。
Posted by ブクログ
単行本未収録策を集めたホラー&ミステリ短編集。まだまだシリーズになりそうなものもあって、残念です。
お気に入りは「YES,WE’RE OPEN」。あの奇妙な事象も怖いといえば怖いけど。何が怖いって、ラストの一言が……あまりに恐ろしすぎますってば!
「恋するジェラート」も好きだなあ。なんとも言えず皮肉です。
Posted by ブクログ
ショートショート集
新しい文庫だけに文字も大きくて読みやすい。うれしい。ホラーかなと思ったら、いろんな作品が12編。非常に楽しめたファンタジックな短編集だ。作者さんはすでに亡くなっておられるが、ほかの作品も読んでみようと思う
作品は以下の通り
ホラーだが、そんな美女なら幽霊でもいいと思う「オニキスのチョーカー」、ショートホラーが続く「危険なふたり」「HEY!TAXI!」「YES,WE’RE OPEN」「晩秋のクラヴィア」「恋するジェラート」。
味わいある「着陸」、ユーモアたっぷりの「大原不断桜の誓い」、ほろりとくる人情話「宇治川花散らしの霧」、楽しめるショートミステリー「「敵は本能寺にあり」、これまた味わい深い「グレイシャー・ポイント・ホテル」、そしてとても切なく美しい「レイク・クレセントの風」で締める。いい感じだったな。