あらすじ
日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。若くして肺結核を患った著者が織り成す、病への不安と生への憧れからアンバランスで危うい魅力を放つ作品群。それらを通して、独自の美意識をもつ詩的散文世界を創りあげた繊細な感性に触れることが出来る。
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Posted by ブクログ
幻視。丸善に弾ける檸檬爆弾の清冽な香気、桜の樹の下には艶かしく死体が溶ける。若くて天賦の感性があって、死に身近だとこうも研ぎ澄まされるのかな。
Posted by ブクログ
【檸檬】
再読。
今まで憧れていても、居づらかった丸善。
そこへお気に入りの果物屋で買った檸檬を手に
まるで武器を持ったかのように入る。
それでもやっぱり居心地は悪く、
落ち着かなかったが、檸檬を思い出し
積み上げた本へ檸檬を置く。
丸善を彼が生きづらいと感じた社会とするなら、
檸檬は文才が光る彼自身なのかなぁと再読して思いました。
【鼠】
大きな人間が小さな鼠が猫に囚われているのを眺めている。
鼠にとっては恐ろしいことだとしながらも、
猫と戯れているようだと愛らしくも眺めながら。
【栗鼠は籠にはいっている】
日がさんさんと照っている時には籠の中にいながら
車を回している栗鼠を革命家だと意気込む。
しかし、日が落ちてからは現実に戻る。
あっけないけど爽やかな作品。