あらすじ
「靖国で会おう」――。本土攻撃が激化する中、夜間戦闘機「月光」に乗り込んだ若き海軍中尉・武者滋(むしゃしげる)は、決死の覚悟でB29の大編隊に突入する。被弾して薄れていく意識の下「月光」が舞い降りたのは、なんと現代の厚木基地だった。時空を超えて飛来した“英霊”が、私たちの心に問いかける靖国神社の存在とは。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
再読
最後のシーンだけなぜか印象に残っていて、間の記憶がすっぽり抜けていた。
確認の意味も込めて今回読み直してみた。
平和な世の中にポイと放り込まれた武者中尉が、
タイムスリップした理由について考え続けるのがリアル。
当時の方なら遊び惚けるという思考にはならなさそうだもんなぁ。
にしたって、せっかく初恋の人にルーツがある婚約者をゲットし友達に近いような現代の人間の知り合いを大勢手に入れたのになんでサクッと帰っちゃうかな。
自分の死後の日本を知り、大して良い状態になってないなと思いつつも(なんなら靖国神社大切にされてないという事実を知ってしまった)、元の時代に戻り「靖国に還る」と。
他の英霊に申し訳が立たないってことなのかしら?
少なくともいまの日本のためにって感覚ではないような気がする。
自分の生き方はそれしかないとでも思ってそうな。
終わった後も疑問が残るラストだけれど、形としては綺麗。
私、なんだかんだ昔の人の一本芯が通った純粋さが好きなのよね。
そういう武者中尉を思う存分堪能できるという点でこの本は⭐︎5。