あらすじ
一歳から九歳までを児童養護施設で暮らした著者が当時の思い出を丁寧に描いたノンフィクション・コミック。傷付き励まし合いながら、世界の秘密の扉をひらいてゆく少女たち。かつて子どもだったすべての人に読んでほしい胸に迫る物語です。
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Posted by ブクログ
繊細な心情を子供の視点で描ける稀有な作品
著者自身の幼少期の回想が元になっている
どのパートも印象的だが、第三者目線から友達姉妹を描いた『妹いじめ』が特に心に残った
何度も読み返したくなる作品
Posted by ブクログ
著者の児童養護施設での体験を元に描かれたエピソードは、鋭い観察眼で施設の子供や面会にきた親の心理を見抜くものもあるが、多くはあたたかいまなざしで、施設での生活の思い出を振り返っているものだ。本当は辛いこともあったのかも知れないが、この作品は、自分を育ててくれた施設と、そこの先生、シスター、友達から「良くしてもらった」ことに応えようという感謝の気持ちを描こうとしたように思う。子供の時、大人を見上げた時の、その背中越しに施設の青い空が広がっていた記憶がタイトルの由来だが、そのタイトルのような読後感のすがすがしさがいい。
Posted by ブクログ
何年か前、高級住宅街を抱える街に児童養護施設を建てようとしたら、住民から猛反対をくらった、という話があったなぁ。住民のひとりが、ここに住む子どもたちは私立に通ったり習い事に忙しかったり恵まれた暮らしをしている、そんな中に施設の子どもが混ざったら引け目を感じて可哀想だ、と傲慢極まりない発言をし、テレビやネットでその切り取られた発言が流布されて、かえって気の毒だ(笑)と思った。その後のことは知らないけれど。迂闊なことは言うもんじゃない。
昔から刷り込まれてきた、こういう場所、そこにいる子どもたちに対する偏見。大人になって、これは偏見だとわかったから口には出さないけれど、私自身に決してないとは言わない。だって、じゃあ本当はどうなの、どう考えればいいのかは、実際中に入り、話を聴いてみないとわからないから。
この本を読んでわかったつもりになるのも危険なので、成程知らない世界を垣間見た、という感想にとどめておくことにする。(2021-06-15L)(2022-03-01)
Posted by ブクログ
子どもの立場からみた、施設の日常。
淡々と、さらりと描かれているところに、逆に感じ入るところがありました。
愛された記憶の大切さ。。
私は自分の子どもをきちんと愛せているだろうかと、自らを振り返るきっかけにもなりました。