あらすじ
アーサー・C・クラーク賞受賞! いまイギリスで いちばんポップなSF。
特殊能力を持つ獣を連れた人々が暮らす街、ヨハネスブルグで起こった奇妙な事件とは?
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Posted by ブクログ
南アフリカ・ヨハネスブルグを舞台にした、ハードボイルドとファンタジーが絶妙に混ざり合った一風変わった物語だ。
主人公は、ナマケモノを伴う元ジャーナリスト。過去の過ちから、今は「失せ物探し屋」として生計を立てている。この街では、犯罪者は動物と契約し、超能力を得る代わりに、その動物を生涯連れ歩くことになる。そんな奇妙な設定が、物語に独特の雰囲気を与えている。
一方で、本書は単なるミステリーにとどまらず、社会問題や人間の心の闇なども深く掘り下げている。特に、主人公のナマケモノという動物との関係性や、過去のトラウマとの向き合い方が印象的だった。
この小説の魅力は、何と言ってもその独特な世界観だろう。南アフリカの多様な文化や、動物と人間が共存する奇妙な社会、そして、主人公の皮肉たっぷりの語り口が、読者を物語の世界へと引き込んでいく。
個人的には、主人公のキャラクターが非常に魅力的だった。過去の栄光と挫折を背負いながらも、どこか飄々とした態度で困難に立ち向かう姿は、読者に共感と感動を与える。また、物語に登場する様々な登場人物も個性的で、それぞれが抱える悩みや葛藤が丁寧に描かれている。
ハードボイルド小説やファンタジー小説が好きなら、きっとこの作品を楽しめるだろう。また、社会問題に関心がある人にも、一読をオススメしたい。