【感想・ネタバレ】ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」のレビュー

あらすじ

長崎にも「原爆ドーム」があった――。それは爆心地の北東500メートルほどの位置に立つ、高さ25メートルの鐘楼を持った浦上天主堂。しかし1925年に完成し、東洋一と謳われたこの天主堂は原爆によって廃墟と化す。当初、被爆遺構として保存に積極的だったはずの長崎市長だが、訪米を経て「原爆の悲惨を物語る資料としては適切にあらず」と発言し、撤去路線に転換。結果として旧浦上天主堂は1958年に撤去されるに至る。世界遺産クラスの被爆遺構はなぜ失われたのか? 市長の翻心の裏には何があったのか? 丹念な取材によって昭和史のミステリーを解き明かした渾身のノンフィクション。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

無知であるということは罪深いことだ。と思った一冊。
今の長崎にもしこの原爆ドームが残っていれば、日本人の、戦争や核を否定する思いはもっと強いものになっていただろうと思う。
それほどの歴史的遺産がとり壊れてしまった謎が、ミステリアスに描かれていく。
筆者の考えすぎでは!?と思うほどさまざまな訝しい点が線になり、それが浦上天主堂の撤去へとつながっていく。まるで推理小説を読んでいるみたいだった。
アメリカの誘導だったということは予想できたが、ソ連の、共産主義の排斥もその背景にあるのではという登場人物の指摘には、自分のあまりの無知加減に失望した。

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2015年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

広島には原爆ドームがあるのに、長崎には「原爆遺構」がない。実は1958年まで原爆で破壊された浦上天主堂があったんです。焼けこげたマリア像や首の折れた聖像も多数。市議会も市長も全員「保存」で合意してたのが、1956年に当時の市長がセントポールとの姉妹都市提携に関連して渡米したら豹変。アメリカのソフトな懐柔路線にしてやられた(らしい)という話。読み応えあります。

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2014年05月03日

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