あらすじ
蝶コレクターの龍崎はル・シャスールに、新種の蝶について書かれた『ニューギニアの動物界』を入手したいと依頼する。ル・シャスールは緑川守という少年を訪ね、守の亡き母が遺した『ニューギニアの動物界』を譲るようにお願いする。守は了承するが条件をつける。その条件とは、龍崎への復讐を意味するものだった――。その他、ド・ゴール暗殺計画、フリードリヒ大王の『七年戦争史』にまつわる謎などをル・シャスールが読み解く。
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Posted by ブクログ
書物狩人シリーズ、7作目。
今作は4話編成の短編集。前回が長編だったせいか、今回の短編集の方がテンポ良く進んで読みやすく感じた。あまり腹の内を見せず、表情に乏しいル・シャスールだけれど、今回は少々大人びた男の子や可憐な女性を相手にして、人間味のある優しさが滲み出ていたように思う。そしてマスケット銃を難なく装填してしまうル・シャスール!その姿を想像して笑ってしまった。次回で完結ということで、ミスター・クラウンとも漸く決着が着くのかな。近現代史の謎と稀覯本との絡め方がいつも秀逸なので、ネタが続く限り、読み続けたかったのですが。
Posted by ブクログ
第4話の「狩られた狩人」。現在進行形の事件を扱っているのですが、そんなニュースは全く知りませんでした。いや、別に常に海外情報とかに、目を光らせているわけではないのですが。それでも、これって大きなニュースだよね、と思ってからは居心地が悪い。
あとがきで作者も同じこと書いてましたね。
今までは、新しい・最近といっても一昔前の事件だったりしてたので、単純に歴史フィクションのような感覚だったんですが、現在進行形となると、キナクササが急に増してきます。
ルパンのテレビスペシャルのような、エンターテイメントが楽しみだったんだけどなぁ。
今回は、違う意味でぞくぞくさせられました。
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赤城のル・シャスールの新作。安定感のあるストーリー展開は何時もながら安心して楽しめる。
この作家の研究熱心には、驚かされる。謎解きもスリルに溢れた秀作です。
Posted by ブクログ
米国では現在、情報機関「米国家安全保障局」(NSA)によるテロ対策を名目にした電話の通話記録やインターネットのメール送信などでの極秘の個人情報収集プログラムが暴露されメディアを賑わせている。
書物狩人、今回の舞台は、日本、北米、ヨーロッパ。対象は個人から国家にかかわるものまで幅広いが、どれもフィクションだと言い切れない不気味さを湛えている。