あらすじ
生涯をかけて各地を旅し,人々の声に耳を傾けつづけた宮本常一.『忘れられた日本人』をはじめとする仕事は,従来の日本像を見直す民俗学の成果であるとともに,民俗学を超えて,多大な影響を与えてきた.網野善彦,司馬遼󠄁太郎ら,宮本の言葉と行動を受けとめ独創的な仕事を成した人々を通して,今に生きる宮本民俗学を考える.
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Posted by ブクログ
日本の民俗学といえば、まずは柳田國男が思い浮かぶ。宮本常一については、今でこそ再評価がはじまっているとのことであるが、1960年代から1990年代はほとんど見向きもされなかったという。
その理由は本書の序盤に書かれているが、民俗学の本流からは忘れられながらも、宮本常一の影響を受けたのは民俗学以外の分野に複数いたという点が興味深い。
中には、宮崎駿や司馬遼太郎といった多くの日本人に知られる著名人も含まれている。
また、草野マサムネや後藤正文といった日本ロックシーンにおける重要人物からも関心を持たれており、そうなると、私たちは間接的に、宮本常一の成し遂げた仕事の一旦から微かに影響を受けていると言ったら言い過ぎだろうか。
宮本常一については以前、佐野眞一の『旅する巨人』を読んだ事もあり、宮本常一について読んだのは2冊だけたが、そこから見える宮本の印象はは、人に対する優しい眼差しである。
民俗学的な業績について私は分からないが、一つ言えることは、宮本が訪れていなかったら現在は忘れ去られていた話や道具、文化がいくつもあったということである。