【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス メアリ・シェリー フランケンシュタイン 本当の「怪物」は、誰なのかのレビュー

あらすじ

200年前のモンスターが、時代を超えてよみがえる

小説『フランケンシュタイン』は、しばしば「最初の本格的SF」として位置づけられる。科学者が「人間に似たもの」を創り出すというストーリーは、ますます現実味を帯び評価が高まっている。クローンやロボット、生成AIなどが近い将来、さらに人類に近づくとき、我々はどの道を選ぶのか? 共生? 対立? 依存? 排除? 時代を先取りした古典的名作を読み解く。Eテレ「100分de名著」テキストに書き下ろしの特別章・ブックガイドなど大幅に加筆をして書籍化。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

感情タグはまだありません

Posted by ブクログ

 う~ん、本当の怪物ですか? わたしなら「本を1年で365冊超えて読むひと」と答えます。
 それはさておき、本書はメアリー・シェリー著『フランケンシュタイン』を廣野由美子先生が読み解かれたものです。
 先に『フランケンシュタイン』を読むことをおすすめします。
 廣野先生には『フランケンシュタイン』関連の著作がもう一冊。『批評理論入門』です。
 この『批評理論入門』と本書は重なる部分が多いです。『批評理論入門』から「理論」を抜いて、『フランケンシュタイン』部分を縫い合わせたら大体本書ですか?

 わたしは、読んでよかったです。廣野先生の関心の焦点がどのへんにあるのか知ることができました。
 じつは「100分de名著」を書籍化するにあたり、「特別章」が追加されています。「AI時代のフランケンシュタイン」です。近頃のAIの発達を考慮されたようです。
 このことから推測するに、廣野先生の焦点のひとつは「科学」にあるようです。
自分なりに、ざっくりまとめてみました。
・ヴィクター・フランケンシュタイン=あぶないやつ≒科学者
・怪物作成=怖い≒科学技術
つまり、科学者と科学技術は信用ならん!、みたいかなと思いました。(ざっくりすぎるかな?)
 不信感を持たれるのはもっともだなと思います。しかし、ちょっと強すぎじゃないですか? と感じます。
 『批評理論入門』では「百人百通りの感想」にダメだしされていました。批評理論により、一定の方向に収まるはずと。
 わたしは本書を読んで、批評理論を駆使するまえに、批評するひとの常識や考え方によても批評の内容って変わるんだと、しごくあたりまえの事に思い至りました。
 あっ、それで「○○批評」があんなにいっぱいあるの?
 もしもわたしが批評したら、「科学持ち上げ主義批評」とか「楽観し主義批評」とか呼ばれたりして。

 もうひとつ、読んでよかったところがあります。
 それは『フランケンシュタイン』の文学的価値について、しっかりと知ることができたことです。
 廣野先生が大学院生だったとき、イギリス人研究者に「『フランケンシュタイン』は玉ねぎのような作品」と言われたそうです。すぐさま、廣野先生はその「価値」に気づかれたとか。
 わたしもぼんやり感じました。『フランケンシュタイン』は特許?でいうとろの「基本特許」ですか?
 「基本特許」はある分野で、使わざるおえない支配的で最強の特許です。同様に文学で「人間と科学、そしてその悲劇」をあつかうならば、まず『フランケンシュタイン』からとなるみたいです。そのことから「現代的なSFの元祖」と呼ばれているそうです。
 メアリーさんは『フランケンシュタイン』執筆当時にはやっていたゴシック小説へ「科学者と科学、そして、その悲劇」のアイデアを持ち込み「基本特許」を確立したのです。
 メアリー・シェリーさんのアイデアの勝利です!

 最後に廣野先生の本書での「図解」についてお伝えします。
 小説って図解できるんですね、ほんとにすばらしかったですよ。

0
2026年03月20日

「SF・ファンタジー」ランキング