あらすじ
ANAグループ機内誌『翼の王国』の人気連載、待望の文庫化! 二度目の失業でつらい思いをしていた時に、目に飛び込んできた憧れの人の姿。結婚も意識していた7年越しの恋人に別れを告げられ、ひとりで訪れた異国の街――。人生の大切な一場面をあざやかに切り取った短編12本と、作家が仕事でプライベートで訪れた、国内外の印象的な場所を描く11編のエッセイ。あたたかく心にしみる作品集。
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Posted by ブクログ
ANAの有名な機内誌「翼の王国」に連載されている短編小説12編とエッセイ11編の文庫化。
エッセイは読まないので、作者自身のプロローグと小説を読んだ。
すべての小説が、良い意味で尻切れトンボ。
そこに終わりは一つもなかった。
すべての小説は、必ず何かの始まりでペンを置いている。幸せな始まりの予感を感じさせるものもあれば、不吉なことの始まりをにおわせるものもある。
でも必ず…何かが始まっている。
ディテールにあまりこだわらず、無造作に言葉を連ねてゆき、ぶつっと句点が打たれて、いさぎよい。その先を読みたいという気持ちにまでは至らず、次の始まりはどんなのだろうかと、心はページを繰る手を急かす。あっという間の12編。
冒険と いうほどのことも なき身かな
旅先への移動中に読むには最適な一冊。