【感想・ネタバレ】サムシングブルーのレビュー

あらすじ

結婚を意識していた恋人と別れてしまった27歳の梨香は、哀しみのさなか、結婚式の招待状を受け取る。差出人は高校時代の彼氏と親友。二人が付き合っていたことを全く知らず、失恋との二重のショックに落ち込む梨香。さらに、当時の仲間たちと一緒に結婚祝いを贈ることになり……。迷いながら、揺れながら、幸せを手さぐりで追い求める女性の姿を丁寧に描く、胸ふるわせる長編恋愛小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

彼氏と別れた翌日に、高校時代の元彼謙治と元親友沙希ちゃんからの結婚式の招待状が届く、という最悪な状況から物語は始まる。
元彼に執着していたわけでもないのになんとなくショックを受けつつ、何に対してショックを受けているのか理解しきれていない梨香。
高校の体育祭で青春を過ごした実行委員のメンバーに招待状が届いたことから、実行委員でプレゼントを準備することをきっかけに、過去と向き合い始めていく。

ストーリー自体は難しくなく、スムーズに読むことができる。
物語は”10年”という単位がポイントになっているように思える。特に、年の差の恋愛に関する記載にハッとさせられた。
梨香の職場の後輩中谷くんは、10個上の梨香の友達マキちゃんに恋心を抱く。年なんて関係ないと励ます梨香だが、それは10年間をマキちゃんなりに歩んできたことを否定するようだ、と言う。たしかに、と思った。お互いに好意を持つことと、年の差があることは全く別の話で、お互いがお互いの人生を歩んできた結果、年の差がある状態で道が交わっただけなのだろうなと感じた。

また謙治、沙希ちゃん、さらに直近の元彼智久のセリフがあまりないこと、昇くんや阿部くんとも最終的に恋愛感情が多く語られず、物語としてもいわゆる”蛇足”にならなかったのも良かった。梨香は梨香として、自分で過去に向き合って生きていこうとしている様子が伝わった。

私自身、なかったことにしたい過去もある。でもその過去でも確かに私は一生懸命生きていて、その自分を否定するのは自分にとって失礼だ。過去に向き合って、そして今の自分、未来の自分のために日々過ごそうと思えた.

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2024年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

基本的に女性、特に主人公と同じくらいから上くらいの人が読むと共感できる小説なんだと思うんだけど、何故か中年のおっさんである俺が思ったよりはまってしまった。

結婚考えるとこまで進んでた彼氏と別れた翌日に元彼と元親友の結婚披露宴招待状がきたら、そら「神様なんていない」ってメゲるわなぁ。結婚や恋愛にまつわるいろんなもん憎むわなぁ。

そんな状況から主人公がどうやって2人を祝う席に行くようになるのか、参考になるやり方も、そらあかんやろってやり方もいっぱいやって平常を取り戻してく過程がなんか良い。

特に義理の妹が立ち直るヒントをくれるところと、女性同士の中華料理店でのくだり、それと地雷男の野島が良い。野島に関しては実際におったら(近いタイプはおりますが)つき合いたくないけど、小説で読む分にはサイコーにおもろい

最後のイラストネタは、うーん…だけど、甘めの星4つで

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2014年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

浅川梨香
二十七歳。広告会社の事務員。

智久
梨香と二年付き合って別れた。マキの友達。

由衣謙治
梨香の高校の時の彼氏。東京で商社勤務。地元で英会話教室の講師。

町田沙希
梨香が高校三年生の時の同級生。クラスで一番仲が良かった。

中谷
広告会社の一年後輩の営業社員。梨香と一番歳が近い。


理科の会社で作っている情報誌で挿絵を描いているイラストレーター。梨香の九つ年上。

野島和人
沙希の高校の時の彼氏。実家の花屋で働いている。

田原法子
高校の時の体育祭の実行委員の一人だったクラスメイト。大手の証券会社に勤めている。

渡部昇
梨香が今も縁が切れてない高校の同級生。サッカー部の部長。謙治の親友。スポーツメーカーの営業マン。

阿部芳信
成績が学年トップで生徒会長もしていて、おまけにメガネ君で優等生の見本みたいな子だった。製薬会社の研究職。

澤田繭子
長身でくっきりした顔立ちの美人だった。モデル。

絵梨
梨香の五つ年下の妹。

正彦
梨香の弟。都内のハウスメーカーに勤めている。

里美
正彦の妻。家政科出身。

愛ちゃん
高校の時の梨香と同じクラスの友達。

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2024年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の心の呪縛を解く。いろんな人との関わりの中で、徐々に解けてゆく。

飛鳥井作品に久しぶりに触れた。いつものことだが、これだけたくさんの人が、その胸に抱える人生の課題と共に精緻に描かれているのを見ていると、どこがが必ず自分と重なるものだ。

誰かに尋ねたら、答えてくれるだろうか。
泣き尽くしたら出口は本当に見つかりますか。

いえ…そんなことよりもまず。

どうしたらそんなに泣けるのですか。
私は父の臨終にも涙が流れなかった。感情のセンサーが、どこか壊れているらしい。

しんどくても、底までは落ちたことがありません。出口はどこなのでしょうか。

自分の出口を見つけた梨香のようになりたい。

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2014年04月25日

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