あらすじ
累計10万部突破の『絵を見る技術』第2弾!
絵画史を見る道具があれば、もっと絵と語り合える。
●これまでになかった「絵の見方」を、さらにアップデート
目からウロコの名画の造形分析が話題を呼んだ『絵を見る技術』。それをさらに発展させ、本書では“時代ごとに変化するスタイル”にフォーカスします。
(※独立した内容なので、『絵を見る技術』を読んでいない方でも全く大丈夫です)
今度のテーマはずばり「スタイル(様式)を見る力」。ルネサンス、バロック、ロココなどなど……プロはなぜ、「◯◯世紀の××派っぽい」と言い当てられるのか。その秘密を、どの本よりもわかりやすく解き明かします。
●キモは「2つの系統」――理性派と感性派
西洋絵画の歴史は、実は大きく2つのスタイルが入れ替わり立ち替わり登場し、二重らせんのように発展してきたもの。本書はそれを「理性派」と「感性派」と名づけ、美術史の大まかな見取り図を示します。
理性派と感性派では、求めるものが異なります。「永遠を描くか、一瞬を切り取るか」「理想を追うか、現実に迫るか」「秩序を求めるのか、それを壊したいのか」「トップダウンか、ボトムアップか」。これは西洋絵画だけでなく、東洋美術、写真、ファッション、音楽などにも通底する2タイプ。一度このことがわかると、あらゆる芸術がクリアに見えてきます。
●スタイルを見ることは、なぜ大事?
スタイルを読み解くということは、絵が語っている“声”を聞くこと。画家が何を伝えたいのか、その絵がどんな価値観や時代精神を背負っているのか――そのヒントが筆致や構図、色や質感に宿っています。スタイルを知ることから、絵とのコミュニケーションが始まるのです。
●実践問題で腕試し!
今回も、見る力を鍛える実践問題を多数収録。読み終える頃には、はじめて見る絵でも、「どの時代の、どんな流派か」「これはどんなスタイルで、なにを目指しているか」を言語化できるはず。さまざまな「Q(クエスチョン)」を解きながら、一緒に「名画の謎解き」に乗り出しまししょう!
* * *
名画とは問いかければ問いかけるほど、豊かな情報があふれ出してくるものなのです。つまり、名画のすごさは「情報の埋蔵量」にあるといってもいいでしょう。
絵を見るとは、そのすごさを知り、美しさに触れるとは、絵にこめられたコードを読み解く作業なのだといえるかもしれません。
様式(スタイル)を観察することはコード解読の第一歩です。その一歩を踏み出して、絵画の豊かさにもっともっと触れてみませんか。――著者
* * *
もくじ:
序章 あなたには絵を見る眼がある!
第1章 絵を見る7つ道具
第2章 絵画史を動かす2つの力(上)――理性派と感性派
第3章 絵画史を動かす2つの力(下)――リアルとシンボル
第4章 絵は層構造(レイヤー)でできていた!――材質と技法
第5章 どこまでが絵? ――額縁の効果
第6章 スタイルは語る
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
しっかりめの最高の入門書!
分かりやすく伝えようという思いがすごく伝わるし、実際かなり分かりやすい。
絵画と文章がちゃんとつながるようにレイアウトされていて、ストレスゼロで読めた。
何ページ参照、とかって、そのページをパラパラ探さないといけないから、実はとてもストレスだったのよね…。この本はほぼそれがなく、前ページですでに紹介された絵画も、また別ページで再掲までしてくれて、本当に読み手のことを考えてる。関わった方々の愛を感じる一冊。最高に読みやすかった。
印象派が好きなので、モネとルノワールの違いの解説に大興奮。時代ごとのレイアウトの工夫には脱帽です。そこまで考えられていたとは…ただ配置してるんじゃなかったんだ…。
卵使ってるのは、臭わないのか気になった…。
Posted by ブクログ
非常に分かりやすい説明で読んでいて苦にならなかった。
教科書的な解説に加え、筆者の思いも伝わってきて飽きさせない工夫を感じた。
絵画に興味がある初心者向けの入門的な本という所感。
美術館に足を運んでみようと思わせられた良い本だった。
Posted by ブクログ
前作「絵を見る技術」がとても良かったので、続編楽しみにしていました。絵の見方を7つのポイントで細かく観察していくこと、理性派・感性派で大きく2つに分けられること 絵を見る時に使う、頭の中の道具をもらったような気がします。自分も絵を描くのですが、感性派に憧れる理性派だなと客観視もできました。カラー図版も多くとても勉強になりました。
Posted by ブクログ
いくつかの本を読んできたが、それでもやっぱり西洋絵画の見方がわからず、今まで漠然と眺めていた。本書で紹介された「7つ道具」は、正に求めていた答えであった気がする。「(絵画が)視覚的な表現であるかぎり、スタイルを観察することはつねに大事なスタート地点なのです」という筆者の主張には大いに合意であり、そのスタイルの観察方法の手順をしめしてくれた。十分に習得するには、少し慣れないといけないかもしれないが、それでも大いに役に立つと思う。
「7つ道具」の紹介ののち、「理性派」「感性派」を大別しながら、時代の変遷を追ってくれたのも、とても楽しく、分かりやすかった。
「名画とは、問かければ問いかけるほど、豊かな情報があふれ出してくるもの」であり、名画の凄さは「情報の埋蔵量」にあり、と書かれていた。自分も少しでも名画の凄さを分かるようになっていきたい。
西洋絵画の見方についての、圧倒的に良い解説本だったと思う。
Posted by ブクログ
理性派と感性派の二項対立からの絵画史の腑分けは参考になる。
安定した時代は感性派、激動の時代は理性派というのも頷けるが、例をもう少し集めてみたい気もする。
いまは激動の時代だろう。安定したもの、変わらないものを求めたくなるのか。
エビデンス主義は理性派?壮大なスケールを求めるのは感性派?小さなモノ、かわいいもの、家族を求めるのは理性派?古典を求める心象は理性派?
危機の時代に自分、そしてその家族の保護にしか目が向かなくなるのは、自然なことだ。社会的鬱状態といえようか。絵画も歴史をつくるようなものより、心の安寧を求めるものになる。
この時代の芸術とは。社会の方向性を示すのでなく、安らぎを与えるものか。ロマンではなく確実さをもたらすものか。この時代だけでなく、歴史に意義を持つ芸術は?時代によって評価される芸術が変わることも本書の大事なテーマだった。額縁を見るのも面白い。
下塗り=インプリマトゥーラは伝統的な技法なんですね。酒井駒子はここに黒を塗る。
順境も逆境も確信ある言葉は欲しい。
Posted by ブクログ
美術史だけでなく、政策技法や額縁の意義など様々な角度が絵画を見る視点を提示してくれる一冊。
絵画は特にその傾向が顕著だが、対象から情報を受け取れる知識が多いほど多様な楽しみ方が出来るのは他のあらゆることにも言えると思う。
Posted by ブクログ
オモロ~!
そうそう、こういう美術本が読みたかった!!
絵画を大まかに「理性派」と「感性派」に分け、それが時代とともにどのように変遷していったのかを語った超名著。
美術本は何冊か読んでいたけど、こういう風に体系的にまとめてくれるのがめちゃ助かるな。
時代に影響を受けずに完結する美術作品というのはおそらく無くて、自由奔放に思える現代美術ですらそれまでの美術史の積み重ねを前提に語っている。つまり究極の内輪向けでもあると。
だから『にせもの美術史』で語られたように、最もバレない贋作の作り方は「文明の作品をすべて偽造する」となるのだと腑に落ちた。影響を受けた時代そのものを作ることができたらそりゃバレないよね……。
Posted by ブクログ
4.5 -
前著同様この方の本は、ただ読んで終わりではなく、次の日から絵の見方・考え方を実際に変えてくれるという意味で素晴らしい本。
前回は絵の構造だったが、今回は構造だけでなく絵の色彩や明暗、輪郭・形、筆触、主役、構造線という7つの観点に焦点を当てている。第2-3章で各時代ごとのこの特徴や、何故次の時代の特徴に移っていったかという背景まで説明があり、そこが特に勉強になった。
あとは当時の画材や絵の具、額縁にそれぞれ1章ずつ割かれており、非常にニッチながら大事な絵の要素として、とても勉強になった。
総じて明日美術館に行ってみたいと思わせる本だった
Posted by ブクログ
前著『絵を見る技術』が好きで本書を手に取ったのだが、著者の絵画の解説は非常に明快で分かりやすい。他方、本書では絵画史における趨勢や絵画の材質や技法など、前著よりも踏み込んだ内容に感じた。絵画の歴史や絵画の素材といった専門的な知識を高めたい人向けだと思う。