あらすじ
高校生時に『ちとせ』でデビューした、現役大学生による待望の小説第二作目。不況や政治改革に揺れる激動の明治初期を舞台に、運命に引き裂かれた少年たちの葛藤と成長を描く感動作。
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Posted by ブクログ
五日市憲法も、千葉卓三郎も、秩父事件も学校の授業では一行程度て通り過ぎて行ってしまったけれど、一人の奉公人の目を通してあの時代に確かに息づいていた熱量が鮮烈に浮かび上がってくる。今の日本では義務教育が当たり前のものになっているけれど決してそうではないのだと改めて気づかされた。文字が読めない主人公が学問に触れ、魂を揺さぶられ、最終的には故郷を出て新聞記者の道へと飛び込んでいく主人公の姿に学びによって世界を広げることの意味と、未来を切り拓く強さを教わった気がする。
Posted by ブクログ
『ちとせ』も素晴らしい作品だったが、この作品もほんとうに素晴らしい。言葉が力強い。言葉が美しく、哀しく流れ、情景が豊かに広がる。『怒りの葡萄』のように貧しく不況に力なく沈む人々の中で確かな叫びをあげる。言葉こそその指針だ。おちかの凛とした向き合い方が種吉の迷いに反射して美しい。