【感想・ネタバレ】すごい古典入門 ルソー『社会契約論』 民主主義をまだ信じていいの?のレビュー

あらすじ

民主主義の機能不全がささやかれる今、私たちはいかに自由を失うことなく他者と社会を築けるのか。民主主義論の第一人者である著者が、ルソーの名著から熱きメッセージを読み込む。
「入門書の入門」とも言うべきわかりやすさで、『社会契約論』のキモが100ページのボリュームでわかる!

【目次】
はじめに いまの政治に疑問を感じる人へ
第1章 ルソーはどんな人だったの?
第2章 自由でありつつ人と仲良くするってどういうこと?
第3章 一般意志って結局何なの?
第4章 ルールを作る人と実行する人は別?
終 章 いま『社会契約論』を読む意義って?
『社会契約論』の翻訳について/次に読みたい本
ルソー略年譜

『社会契約論』の翻訳について

次に読みたい本

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Posted by ブクログ

びっくりするぐらいいい本だった
「物分りの良すぎる」現代人に一石を投じるという意味でも、ルソーを今読む価値は充分あると知らしめる名著
「人は生れながら自由で、しかもいたるところで鎖に縛られている。」
一般意志に代表されるように、ルソーはしばしば理想主義者だと言われてきた(し、私もそう思ってた)が、その実彼は現実主義者でもあった、というように価値観を転倒させてくれる
理想論者では間違いなくあるものの、彼の唱えた理想は「お花畑的」理想ではなく「現実的」理想であり、これを目指して努力していって欲しいと目標を提示する意味で理想の社会を考案していた
それに、現実に打ちのめされないために自らの価値観を徹底的に守り抜く覚悟を示すべきだという箇所は感動した
社会全体に諦めが蔓延してる中で、むしろ理想を掲げて邁進しよう!と鼓吹するルソーはいいショック剤になり得ると思う

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2026年01月25日

Posted by ブクログ

ルソーといえばかなり変人なイメージがあるけれど、宇野重規さんの解説を通すと、とてもピュアな人を感じた。自分の自由と、人と共に生きること両方あきらめないために、現代の私たちにとても大きな問いを投げかけている。

このシリーズ、さくっと古典が分かりやすく解説されてるのでとてもいい

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2026年02月16日

Posted by ブクログ

ルソーの本を数ヶ月内に読みたいと思っているので、手に取ってみた。非常に平易にコンパクトにまとまっている。民主主義が危機に瀕していると言われて久しいが、その守護者であるルソーの思想をパッと理解できるのは有難い。また、現代の私たちがルソーから学べることに関する著者の考えも大変面白く、ここを知るだけでも価値があると思った。宇野さんなので間違いはないですね。

私はどうしても哲学者の思想そのものというより、ライフヒストリーを追ってしまう性質がある。
ある事を人類史を動かすほどに突き詰めて考えるには、それなりの原動力や思いがあるはずだ。そこの理解なしには、思想を丸ごと理解することはできないと思っている。

特に、ルソーは私にとって特異な哲学者に映っていた。哲学者っつうものは頭がいい。それぐらい突き抜けた才能を持つ人たちは、選民思想が強くなりがちであるし、それが自然な成り行きだと思う。ニーチェとかね...概して、そのような人たちが支持する政治体制は、貴族制、専制である。そんな選民思想が渦めく中、私たちの民主主義や人権概念の守護者として燦然と勇敢に立っているのが、ルソーである。

本書によると、ルソーは自由に生きながら、みんなで仲良くする事を本気で真剣に考えたという。これは本当に異常だ。だからこそ、私は彼の人生を知る必要があった。

彼の人生を追っていて合点がいくことが多くあった。そもそも孤児だったことが、彼の承認欲求を駆り立てたのだろう。
青年期以降のルソーは、様々な人や組織と交流しようと試みるが、なかなか誰にも受け入れられない。ママンとは歪な愛人関係に、同棲していたヒュームとは喧嘩別れ、学術クラブでも常に田舎者扱いのアウトサイダー。ヴォルテールには「あなたの本を読んでいると、4つ足で歩きたくなります。」と言われる始末。

このようにルソーは、自分を受け入れてくれる共同体を強く求めながらも、常に社会と摩擦を起こしていた。だからこそ、彼は、自由に生きながら、みんなと仲良く調和を持って暮らしたいという理想を描いたのだろう。
このように、哲学者のバックグラウンドや個人的な思いがわかると、小難しい哲学でもその意図や真意が読み解きやすくなる。社会契約説を読むときに大いに役立てたいと思う。

また、前述した通り、宇野さんのルソーへの見解も非常に面白かった。宇野さんはトクヴィルの研究が中心だそうで、中間団体を通じた穏健的で現実的な民主主義の成熟を目指す立場だという。その立場の宇野さんは、ルソーの政治思想は理想主義で、非現実的に映るようだ。だが、同時にそのスタンスに学ぶところは大きいと評価している。ルソーは、自由と共生をどちらも妥協なく理想として掲げた学者であり、「目線が高い」と言う。

民主主義の危機が叫ばれるこの世の中では、外部からの圧力にジリジリと退行していくのではなく、今一度理想に立ち返って、基準を高く、妥協できないラインを再度考え直すべきではないか、と宇野さんは言う。それを手助けしてくれるのが、他ならないルソーであり、現代の我々は彼からたくさんのことが学べるというのだ。

これは、自分には全くなかった視点で面白かった。目線を高くする...。ですか。
本書は社会契約説を読む上での、補助線ならぬ目的まで与えてくれた!これは絶対読まねばと思うが、何せ長いので、、、頑張ります。

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2026年02月06日

Posted by ブクログ

・この本自体の雰囲気
難解な内容を噛み砕いて解説してくれて読みやすかった。NHK100分で名著的なものだと思うとわかりやすいかもしれない。

・内容に関して
流石というべきか…現代に通じる内容だった。「自由でありながら他者と仲良く生きる」という一見ありふれた願いは、トレードオフになりがちで意外と実現が難しい。他者の規模を大きくするほど更に難易度は上がる。どうすべきか検討し直し、ニヒリズムに陥らず理想を持って闘え!勝ち取れ!と鼓舞された気になった。

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2026年01月20日

Posted by ブクログ

社会科は暗記ばかりで、社会契約論について全然理解できていませんでしたが、こちらはルソーの人柄から書かれていたので読みやすく面白かったです。

ルソーは心から納得してつながれることを理想としていて、だからこそそれが難しいことが分かっている。だけどなんとかできないか考えたいよね、っていう人なのかなと思いました。
私も昔は心からみんな仲良くすればいいのにな〜と思っていました。(ルソーの考えとはまた違うと思いますが)
自由でありたいけど、心から納得して(色々考え方はありつつも)つながるって本当に理想でしかないように思えるけれど、それが上手くできたらいいですよね。

一般意志、国などである程度常識の認識が共通してるのもあてはまるのかな。
SNSで意見が簡単に左右される今だからこそ、ルソーが必要な気がすると思った。

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2026年02月15日

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