あらすじ
私たちは日々の忙しさや喧騒の中で、自分の「持ち時間」や「残り時間」を振り返る余裕がなくなっています。目先のことで精いっぱいという状態です。しかし、人生の残り時間は刻一刻と減っていきます。若くて元気なうちは、この当たり前のことを意識することが難しい。時間があたかも無限に続くような幻想を持ちがちです。ですが、年を取って体が思うように動かなくなったり、病気をしたりすると初めて、自分の時間が有限であることに直面します。その時になって、残り時間の少なさに愕然としたり、時間の使い方を改めて考えるようになります。長い人生の時間を俯瞰して見た時、「45歳くらいから時間の質が変わる」と著者は考えます。簡単にいうと、45歳までは「足し算の時間」がベースで、45歳以降は「引き算の時間」がベースになります。45歳まではどんどんプラスしていく人生であり、「足し算の時間」ということになります。その後45歳からは、積み上げてきたものを使って結果を出していく時間になります。持っているものを増やすというより、有効に使っていくというイメージが強いので「引き算の時間」という表現になります。引き算の時間は、「完成の時間」でもあります。残りの人生を展開する中で、最終的に自分の人生をどう締めくくるのか。どんな完成形を描き、それに向かってどのように残りの時間を使っていくか。その意味では、引き算の時間は足し算の時間以上に、クリエイティブかつ有意義な時間であるということができると思います。時間というものはどんなに努力しても、どんなに取り乱して抵抗しても、その進みを止めることはできません。著者自身も大病を経験し、残された時間を強く意識した経験を踏まえ、人生後半の時間の使い方、キャリア終盤の役割と使命について紹介します。
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Posted by ブクログ
佐藤氏も腎臓病に伴う透析・腎移植や前立腺がん摘出等の病で、棺桶に半分足を突っ込んだ経験を活かして、人生の残り時間に関する言説や考察本を上梓されているが、本作はその中でも平易でわかりやすい表現を使うことで、その深淵さが更に浮き彫りになる傑作。特に3章の「休養」の重要さ(「休養せず、無目的に仕事に没入してしまうことの弊害は怠惰と同義」の示唆は非常に深い)と「教養」の重要さ(タイパ・コスパの弊害を深く示唆)は心に沁みる。40・50代のサラリーマンを念頭に書かれている内容ではあるが、若年層の今後の生き方にも大きな示唆を与えてくれる一冊。
Posted by ブクログ
読みやすい文章で2-3時間で読めました。
時間は主観的な時間があると言う考え方、そしてその時間をどのように使っていくべきか改めて考える機会を与えてくれる本だった。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれ手に取りました。
仏教は、輪廻転生、始まりも終わりもない考え方で、日本人に多い。
それとは別にキリスト教は始まりがあるから終わりがある、生から死を意識する考え方で、目的意識を持ちやすい。
目標を明確にし、生きていかなくてはならない。
クロノスは、淡々と流れる時間で「TIME」
カイロスは、ある出来事を境目に時代や社会の意識が変わること。
カイロスによって、人は時代と歴史を認識し自分の存在を意味付けたり価値付けたりする。
「自分時間」と「他人時間」を意識する。
目的を明確にすることで、「いつまでに、何を、どう頑張るのか?」を実行に移す。
成功した自分の姿を具体的に思い描く。
45才までは足し算の時間。
仕事のやり方を覚え目の前のことをこなす。経験を積む。仕事の仕方を確立し、その範囲を広げつつ完成させる時間。
45才からは引き算の時間。
ネガティブな考え方ではなく、積み上げてきたものを使って結果を出していく時間。持っているものを増やすと言うより、有効に使っていくイメージ。
余暇は、ただ休むだけの時間ではなく、1週間に1日、自身の行動や仕事を振り返り納得、満足するための時間。
自分の残りの時間を考えながら、時々、読み返したくなる本でした。
Posted by ブクログ
他人に時間を奪われず、自分の幸せのために使うには・・・といったことを、極めてわかりやすく記述した有益な本です。2時間程度で読み終えられました。
本書の中身としては今までの著作などで見覚えのある内容ではあるものの、「幸せになるための時間活用術」という切り口で考え方を再構成した点に本書の価値がある言えます。
世の中には時間泥棒が大勢いる、というのは本当にそう思います。
また、終末論から来るキリスト教的価値観と輪廻転生から来る仏教的価値観の比較からの考察は、日本人の時間の使い方において非常に参考になりました。
今年を振り返るにあたり、今一度、自分の役割とそれに関する目的とをしっかりと見定めて、来年の過ごし方を考えたいと思います。
Posted by ブクログ
佐藤氏が出演しているテレビを見ていて、佐藤優という人間に興味をもった矢先、妻が佐藤氏の本を買ったので、私も読んでみました。
月に約70本の締め切りを抱え、1日20冊ほど、月に約500冊の本を読んでいるというのには、ただただ驚きました。
私も工夫次第で、まだまだ自分の時間が捻出できるなと思いました。
【心に残ったこと・学んだこと】
・この本の最終的なテーマは「幸せになるための時間活用術」だと考えています。人生の究極の目的を、社会で成功するということではなく、「幸せになる」ということに置くのです。
会社の仕事の時間は、結局のところ「他者時間」が支配している時間となります。その中でどんなに成果を上げて評価されたとしても、結局は他人のモノサシで測られたものでしかありません。
自分で自分を肯定し、評価することができれば、それは自分を自分のモノサシで測っていることになります。
ビジネス社会でたとえ勝ち抜くことができなくても、豊かな「自分時間」を持ち、現状を肯定しながら生きていけるとしたら、その人はすでに「幸せな時間」を手にしているといえるでしょう。
・ショーペンハウエルは、「読書は言ってみれば自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。絶えず読書を続けていけば、仮借することなく他人の思想が我々の頭脳に流れこんでくる」(『読書について 他二篇』岩波文庫)と言っています。
私たち個々人は、その持ち時間も能力も経験できることも限られていますが、読書によって代理経験を増やすことで、その限界を超えることができるわけです。