あらすじ
中2の沙耶は、明晩、両親が自分の殺害を計画していることを知っていた。だが下校中、児童相談所職員を名乗る男の車で誘拐される。監禁下のやりとりで男にやさしさを感じ、ふと彼女は男がじつは本当の父親ではないのかと疑う。一方、男は「身代金目当ての営利誘拐である」と警察に犯行声明を送り粛々と計画を進める。彼は一体誰で何が目的なのか?
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Posted by ブクログ
最後の結末に衝撃を受けた。
産まれたときに違う子供と入れ違いが起きていて、有野沙耶は本当は普通に愛される家で育つはずだった。でも入れ違いが起こってしまったがために、虐待を受け絶望を感じながら生きることになってしまった。それに責任を感じ、死んだほうがいいと思う渡辺の気持ちが少し分かる。でももし入れ違いが起きていなかったら、もう1人の子が虐待を受けていたと思うと、やるせない気持ちになる。
最後に渡辺が言った、「どうして、私はまだ、のうのうと生きているんだ」といえセリフに涙が出た。そう感じるのも分かるけど、あなただけの責任ではないよ、あなたのおかげで救われた人もいるんだよ、だからそんなに自分を責めないでって声をかけてあげたくなった。
あと、すごい素敵だなって思った言葉があった。p.292のカシミヤのマフラーをもらったシーンの沙耶の感情描写。
「本当に、頭がどうにかなりそうだった。嬉しくって、嬉しくって。高価なプレゼントをもらえたからではなく、そうではなくて、これほど誰かに大切にされたことが、なかったから。それが嬉しくて、仕方なかった。」
嬉しさを感じる理由がモノではなくて、渡辺さんが自分のために選んでくれたってことが沙耶にとって嬉しかったんだなって思って感動した。私も沙耶みたいに、自分の気持ちを深く考えられる人間になりたい。
Posted by ブクログ
上手くいえないけど、過去1読後感最高な本でした。
なんとなく、話の展開は見えたけど、早く続きが読みたくて、3日くらいで読んでしまった。
沙耶と渡辺さんの束の間のほのぼの監禁生活にニンマリして、刑事さん目線で語られる有乃両親のクズっぷりにムカムカ、刑事さんに共感して、エピローグでは涙ウルウルと、感情が大忙し。
ひとつ、気になったのは。。
新生児のネーム、生まれたらマジックでカタカナで書かれたなぁって。佐々木 好美ならササキヨシミベビーって感じで。産前に名前決まってないのも普通にあるし。それを言ったらこのお話が成り立たないんだけどね。。
Posted by ブクログ
良すぎる( ; ; )
ミステリーなのに大泣きした。
ミステリーで感動することってあるんだ、、本当に素晴らしく心温まる結末だった。
なんでこんなにいい人が沙耶ちゃんを誘拐したのか、最後エピローグでちゃんと回収してくれたのも助かった。
超スッキリした気持ちで読み終えることができた!
最後に沙耶ちゃんが言っていたけど、もし取り違えていなければ郁ちゃんは助かってなくて。
そして渡辺さん(ではないけれど)が誘拐しなかったら沙耶ちゃんは両親を殺そうとしていて…。
全てが重なって、彼女たちが救われたんだと思うと本当に泣ける。
最後の言葉に、渡辺さんも救われたんだろうな。
出所してから、また2人が一緒に暮らす未来も見てみたい。
なんかとてもいい関係性を築けそう。
Posted by ブクログ
12月の北海道。中学2年の少女・沙耶(さや)は、自分を日常的に虐待をしてきた両親が、今夜、海で自分の殺害を計画していることを知っていた。ところが下校途中「児童相談所の職員」を名乗る男の車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁される。監禁下の交流から、ふと彼女は、男が、じつは「本当の父親」ではないかと疑い始める。一方、男は身代金2000万円が目的の営利誘拐であると犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める。男は一体、誰で、目的は何なのか?
誘拐された少女が誘拐犯とともに暮らす数日間の話。
実家で虐待されていた生活とは違い、やっと人間らしい時間を初めて過ごす主人公。誘拐犯が悪い人間ではないことに当初から気づき、生まれて初めて穏やかな日々を過ごすが、身代金の受け渡しとともに真実が明らかになる。
私はこの誘拐犯、好きだなぁと思いますね。
クリスマスを一緒に祝ってくれること、プレゼントを用意してくれたこと、貯金も家も、譲渡する手続きをさらっと済ませてあること…
話の全体としてつっこみどころはあるものの、良いスピード感・誘拐後の生活と実生活どのギャップとで、引き込まれて読むことができました。
面白かったです。
Posted by ブクログ
過去の罪をひとりで背負い続けた男の贖罪の話だと思った。今まで自分の犯した大きな過ちを打ち明ける勇気さえ持たなかった男が沙耶を偶然見つけ動き出す。
そうだよね疲れたよね、彼はずっと神様に許しを乞うてたんだろうな。その為には自分の犠牲が必要だったんだと。他にも別の道があったんだろう、だけどそれでは彼自身が許せなかった。、沙耶を助けると同時に自分の救済が自己犠牲そのものだったんだろうな。
Posted by ブクログ
この本がブクロクの「話題」上位に入っていたのがきっかけで読んでみようかなと思った。
タイトルから連想すると、温かいストーリーかと思っていたが、思った以上に感動させられてしまった!
最近ブクロクの皆さんの紹介もあって、素敵な本に出逢い、「思った以上」の作品を読むことが出来て、My reading lifeが充実しています(◍•ᴗ•◍)✧*。
本作は、両親からの虐待にあっている中2の少女が、児童相談所に電話したことから展開していく。
少女が学校の帰り際に誘拐されたことで、少女は今まで味わったことのない経験を誘拐犯宅で経験する。
足枷を嵌められて逃げられないけれど、毒親たちといる生活とまったく異なることに戸惑いながらも誘拐されたことをありがたく思えるほどの扱いに感謝する。
誘拐された1週間で、初めてのことばかりを体験するうちに、もう元の家には帰りたくない、このままここで暮らしたいとまで思ってしまう。
なぜ誘拐犯はここまで親切にしてくれるのか。
これ以上はほんとにネタバレで読む気が削がれたら残念なのでこの辺で。
実はこの作品はミステリーでもあり、事件で当然警察も出てきます。
犯人の深層心理にも触れます。
投獄中の5年の間に何があって、この先どうなっていくのかもっともっと詳しく知りたい・・・
と思うように終わってしまいましたが、最終のほうでは涙が溢れ、Macで読んでいなくて良かったと思うほど感動しました。
これもイチオシに入れちゃいます!
Posted by ブクログ
どうして渡辺さんが沙耶を誘拐したのかが本当に分からなくて、その理由が気になって気になってあっという間に読んでしまった。
あまりにも沙耶が可哀想で、でも強くて、良い子だから、余計に辛かった。私達にとっては当たり前に過ぎていく毎日でも、沙耶にとってはただ耐え凌ぐだけの日々。親の顔色を伺いながら、寂しく1人だけで乗り越える日々。そんな中で起きた誘拐。不自由なはずなのに自由で、恐ろしいはずなのに温かい。初めて感じる人の優しさ。
そして初めてクリスマスを楽しんだ沙耶の幸せな表情が思い浮かぶほど、読んでいて私も幸せだった。渡辺さんがくれたマフラーは形に見える人の温かさ、幸せ、愛されてる証、全てを表してくれていた気がする。
誘拐最終日渡辺さんと沙耶、そして警察官の前で娘の命よりもお金にしか目がなかったもはや親とも人間とも言えない金の亡者となった2人。正直、まだ中学生の沙耶にここまで辛い思いをさせるのは酷だと思ったけど、これからの沙耶の人生を考えて早くに見切りをつけさせるための誘拐だったことには納得した。
でも渡辺さんの誘拐理由には本当に驚かされた。本当なら幸せな日々を歩むはずだった沙耶。その人生を狂わせてしまった罪滅ぼし。でも5年後渡辺さんと再会した沙耶が渡辺さんに感謝の気持ちを伝えるんだけど、あまりにも泣ける。あんなに辛い思いをしたのに助けてくれてありがとうと言えるのはやっぱり沙耶が良い子すぎるからだろうな。
渡辺さんは色んな人の人生を変えてしまう大きな罪を犯してしまったけれど、それでも寄り添ってくれる人がこんなにもいるのは渡辺さんの人柄や誠意が感じられたから。これからも祈り続けて欲しい。そして皆んなの幸せをその目でずっと見守り続けて欲しい。
Posted by ブクログ
沙耶の境遇はつらく悲しかった。
渡辺さんはずっとどんな関係があるのだろうかと思っていたら、児童相談所の嘱託医として働き、かつては産婦人科医として自身の姪と沙耶を結果的に取り違えたことで起こした誘拐だった。
沙耶が児童相談所に電話してからまもなく誘拐を実行したことを考えると、ずっと後悔と自分を責めていたことが伝わるし、誘拐中の沙耶への接し方からも本来はこんなふうに優しい叔父さんとして関わりたかったのかなと思った。
沙耶の境遇は何も悪く無いのに理不尽だしよく耐えたと読みすすめるほどに感じた。
愛するもののために祈り続けてほしいと思った。
Posted by ブクログ
渡辺さんは誰なんだ?が予想外だったのは面白かった。
同じ日に生まれた
「有乃」と「郁」の字を誰かが読み間違い、
2人は別々の両親のもとに育てられることになってしまう。
で、その時の助産師が渡辺さん(本名橋口さん。)
ずっと罪悪感を抱えて生きてきて、その後児童相談所の嘱託医に転職。
有乃(本当は姉の子ども)が児童相談所に連絡をしてきたことをきっかけに、救わなければ、、!!となり、誘拐を決心する渡辺さん。
有乃って苗字が珍しかったのはこのオチのためだったか〜などと客観的に見てしまった。
あとは心にずしっとくる表現が無かったのが物足りなかった。
有乃沙耶が可哀想なのは分かるんだけど、凪良ゆうとか町田そのこだったらもっと心えぐるような表現で読者に訴えてきただろうな。なんて思ってしまったのでした。