あらすじ
中2の沙耶は、明晩、両親が自分の殺害を計画していることを知っていた。だが下校中、児童相談所職員を名乗る男の車で誘拐される。監禁下のやりとりで男にやさしさを感じ、ふと彼女は男がじつは本当の父親ではないのかと疑う。一方、男は「身代金目当ての営利誘拐である」と警察に犯行声明を送り粛々と計画を進める。彼は一体誰で何が目的なのか?
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Posted by ブクログ
誘拐犯と人質の話。
読みやすく、わかりやすく、とても良かった。
扁桃炎などの対応やビタミンの話から、渡辺さんは医者だろうと思っていたので、赤ちゃんの頃の沙耶をだっこしていた写真は産院だろうとまでは思っていたけれど、カウンセリングの先生だったことには気づかなかったし、医者だとしてなぜ沙耶をここまで助けようとするのかわからなかったので、最後まで先が読めることなくハラハラしながら読めた。
後半は2人でフィリピンで暮らしてほしくて祈りながら読んだ。
Posted by ブクログ
誘拐という決して正しい方法ではないし、罪滅ぼしではあるだろうけど、沙耶との生活の中で渡辺さんの優しさが垣間見れてよかった。
読んでいる途中、あの酷い生活に戻るならこのまま2人の生活が続いて欲しいと思った。
沙耶も本来、取り違えられていなければあの両親の元で毎日苦しまず生活が出来たはずなのに、渡辺さんを恨まず、前向きに生きていて、心が強く人間性が素晴らしいと思った。
とても読みやすく、面白かったです。
Posted by ブクログ
優しい、馴染みのある文章で紡がれているのでとても読みやすかったです。
人と心情の綺麗なお話なのかなと思っていたら、なんとなくどういうことだ?どうなるんだ?と思った疑問がエピローグで大っぴらに判明すると鳥肌が立って、だからこの人物はこの行動を行ったのか。と理解できた。
その行動原理や出来事を含めて結末の落とし込み方は納得いくし登場人物たちの温かい未来に繋がるのだろうなと安堵の気持ちになりました。
ワタシ、コウイッタ話、スキ。
主人公の祈りに向けた気持ちは理由があって良しと思わない視点に学びも得て、こうした作品も読んでおきたいな/著者の歴史も知っておきたいなと感じたり、
けれど一貫して伝えたいテーマは「祈り」であったのかなと。誰かのために祈るのは、誰かの無事を想ったり、誰かの未来を想像したり、「誰か」にフォーカスされている愛情表現なんだろうな。
祈りが、沙耶の両親の言動、心理に対比した内容であったので、親とはなんなのかも今の年齢で読めて良かったなと思いました。
Posted by ブクログ
最後の結末に衝撃を受けた。
産まれたときに違う子供と入れ違いが起きていて、有野沙耶は本当は普通に愛される家で育つはずだった。でも入れ違いが起こってしまったがために、虐待を受け絶望を感じながら生きることになってしまった。それに責任を感じ、死んだほうがいいと思う渡辺の気持ちが少し分かる。でももし入れ違いが起きていなかったら、もう1人の子が虐待を受けていたと思うと、やるせない気持ちになる。
最後に渡辺が言った、「どうして、私はまだ、のうのうと生きているんだ」といえセリフに涙が出た。そう感じるのも分かるけど、あなただけの責任ではないよ、あなたのおかげで救われた人もいるんだよ、だからそんなに自分を責めないでって声をかけてあげたくなった。
あと、すごい素敵だなって思った言葉があった。p.292のカシミヤのマフラーをもらったシーンの沙耶の感情描写。
「本当に、頭がどうにかなりそうだった。嬉しくって、嬉しくって。高価なプレゼントをもらえたからではなく、そうではなくて、これほど誰かに大切にされたことが、なかったから。それが嬉しくて、仕方なかった。」
嬉しさを感じる理由がモノではなくて、渡辺さんが自分のために選んでくれたってことが沙耶にとって嬉しかったんだなって思って感動した。私も沙耶みたいに、自分の気持ちを深く考えられる人間になりたい。
Posted by ブクログ
両親にひどい虐待を受けていたさら
さらの出生時、姉の子と取り違えてしまった医師が主人公。(最後に明かされる)
取り違えてしまった子がどのように生きているのか、自責の念に駆られる中、壮絶な虐待を受けていることを知る。自分の人生をかけてサラを救おうと、誘拐の計画を立てる。
誘拐は、虐待の保護の難しさ(児相に相談するだけでも警察を呼ぶだけでも、保護が難しい)を知っている主人公が、大きな事件を起こし、その中で両親の愛の無さを証明することで、確実に両親の虐待から救う計画である。
虐待を受けたサラは被害者だが、結果として救われた。もし取り違いがなかったとたら、姉の元で暮らす虐待両親の本当の子の命は誰にも気づかれずに無くなっていたかもしれない。
医師は誘拐の容疑で逮捕され、その後の生きる気力をなくしていたが、取り違いが本人たちに知られており、2人に生きることを切望され、生きていくことが責任だと自分に言い聞かせているところで終わる
虐待から救いたい、取り違えた子に罪を償いたい
ということは読んでいて自然に感じたが、
もし取り違いが起きなかったら、誰にも気づかれずに静かに命が消えていた可能性があったという事には気づかなかったし、ハッとした。そこがこの作品の1番伝えたかったところだと思う。
悲劇の元に救われた命があり、ハッピーではないけど皆が折り合いをつけてエンディングを迎えていて素晴らしかった。
Posted by ブクログ
「渡辺さん」
涙なしには読めないと勧められ、冷静に読んでやろうと変にたかを括っていたが、たった一言名前が呼ばれただけでこんなにも感情が溢れて頬を伝うとは。
沙耶が日々親から虐待されてた環境であったが、誘拐犯から底なしの優しさをもらい、戸惑いながらも部屋で暮らした1週間は眩しく、温かかった。特にクリスマスのお祝いのシーンは空間いっぱいに幸せが詰まってて、愛おしかった。
誘拐犯の目的や動機、また並行で警察による捜査も含めて読み応えのある展開だった。
Posted by ブクログ
4.3
読みやすいし、虐待部分は置いておいて面白いし心温まる話だったけど、気づいた時点ですぐに申し出てれば結果はまた変わったんじゃないかと思わずにいられず。
確かに沙耶の両親はクズだったけど、母親はまだ少しは救いがあったんじゃないか?母親が沙耶を好きじゃないと言ったのは、本能で自分の子供ではないと感じていたからかも?という思いが離れず。
母親もどうして自分の子供なのにこんなに愛せないのか悩んだかも知れず、同じように子供を愛せない夫にもしかしたら?という疑念を持ってDNA検査をしたのでは?とまで考えがいってしまった。
Posted by ブクログ
初めての作家さん
フォローしてる方々の本棚でよく見かけて
高評価ですし、気になって予約しました。
冒頭の誘拐場面から引き込まれて
あっという間に読み終えました。
沙耶の両親のクズっぷりにムカムカムカ。
対して誘拐犯の思わぬ優しさに
これはどういう展開になるのか
とページを捲る手が止まりませんでした。
産院での取り違えは
過去にドラマや映画で何度か使われていて
当事者たちがその事実を受け入れることが
いかに困難かというところに重きを置いていた作品が多い印象なのですが、
今作ではそこはすっ飛ばされて
感情面も手続き面も全部解決したようで
さらーっと終わってしまったので
そこがちょっと残念でした。
(そこが動機のミソではあるが
メインテーマではないので致し方ない)
沙耶のような環境の子供が
程度の差はあれど
実際にもいるのかと思うと
とても胸が痛くなります。
誘拐はいけないことだけど
同じ星の下に生まれながら
そういう不平等に扱われている
全ての子供たちに
「渡辺さん」が現れたらいい。
(そういう場面に出くわしたら
せめて声を掛けられる人になりたいです)
Posted by ブクログ
久々に小説を読みました。
宮部みゆきしか読んだことないレベルで宮部みゆきに傾倒していましたが、心が少し疲れていたのでミステリで且つ泣ける作品を探してこちらをSNSで知り購入しました。
個人的には正直そこまで刺さらなかったです。
子供が産まれてから中々時間が取れなくて久しぶりの読書という楽しみと期待が大きすぎだかもしれません。
真相としては医療事故による嬰児交換ってのが少し弱い気がしました。
しかし主人公沙耶に感情移入する場面もあり、ラストの掛け合いにグッとくるももがありました。かなり読みやすい作品ではあったので読書初心者の方にもオススメだと感じました。