あらすじ
中2の沙耶は、明晩、両親が自分の殺害を計画していることを知っていた。だが下校中、児童相談所職員を名乗る男の車で誘拐される。監禁下のやりとりで男にやさしさを感じ、ふと彼女は男がじつは本当の父親ではないのかと疑う。一方、男は「身代金目当ての営利誘拐である」と警察に犯行声明を送り粛々と計画を進める。彼は一体誰で何が目的なのか?
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Posted by ブクログ
誘拐という決して正しい方法ではないし、罪滅ぼしではあるだろうけど、沙耶との生活の中で渡辺さんの優しさが垣間見れてよかった。
読んでいる途中、あの酷い生活に戻るならこのまま2人の生活が続いて欲しいと思った。
沙耶も本来、取り違えられていなければあの両親の元で毎日苦しまず生活が出来たはずなのに、渡辺さんを恨まず、前向きに生きていて、心が強く人間性が素晴らしいと思った。
とても読みやすく、面白かったです。
Posted by ブクログ
優しい、馴染みのある文章で紡がれているのでとても読みやすかったです。
人と心情の綺麗なお話なのかなと思っていたら、なんとなくどういうことだ?どうなるんだ?と思った疑問がエピローグで大っぴらに判明すると鳥肌が立って、だからこの人物はこの行動を行ったのか。と理解できた。
その行動原理や出来事を含めて結末の落とし込み方は納得いくし登場人物たちの温かい未来に繋がるのだろうなと安堵の気持ちになりました。
ワタシ、コウイッタ話、スキ。
主人公の祈りに向けた気持ちは理由があって良しと思わない視点に学びも得て、こうした作品も読んでおきたいな/著者の歴史も知っておきたいなと感じたり、
けれど一貫して伝えたいテーマは「祈り」であったのかなと。誰かのために祈るのは、誰かの無事を想ったり、誰かの未来を想像したり、「誰か」にフォーカスされている愛情表現なんだろうな。
祈りが、沙耶の両親の言動、心理に対比した内容であったので、親とはなんなのかも今の年齢で読めて良かったなと思いました。
Posted by ブクログ
最後の結末に衝撃を受けた。
産まれたときに違う子供と入れ違いが起きていて、有野沙耶は本当は普通に愛される家で育つはずだった。でも入れ違いが起こってしまったがために、虐待を受け絶望を感じながら生きることになってしまった。それに責任を感じ、死んだほうがいいと思う渡辺の気持ちが少し分かる。でももし入れ違いが起きていなかったら、もう1人の子が虐待を受けていたと思うと、やるせない気持ちになる。
最後に渡辺が言った、「どうして、私はまだ、のうのうと生きているんだ」といえセリフに涙が出た。そう感じるのも分かるけど、あなただけの責任ではないよ、あなたのおかげで救われた人もいるんだよ、だからそんなに自分を責めないでって声をかけてあげたくなった。
あと、すごい素敵だなって思った言葉があった。p.292のカシミヤのマフラーをもらったシーンの沙耶の感情描写。
「本当に、頭がどうにかなりそうだった。嬉しくって、嬉しくって。高価なプレゼントをもらえたからではなく、そうではなくて、これほど誰かに大切にされたことが、なかったから。それが嬉しくて、仕方なかった。」
嬉しさを感じる理由がモノではなくて、渡辺さんが自分のために選んでくれたってことが沙耶にとって嬉しかったんだなって思って感動した。私も沙耶みたいに、自分の気持ちを深く考えられる人間になりたい。
Posted by ブクログ
上手くいえないけど、過去1読後感最高な本でした。
なんとなく、話の展開は見えたけど、早く続きが読みたくて、3日くらいで読んでしまった。
沙耶と渡辺さんの束の間のほのぼの監禁生活にニンマリして、刑事さん目線で語られる有乃両親のクズっぷりにムカムカ、刑事さんに共感して、エピローグでは涙ウルウルと、感情が大忙し。
ひとつ、気になったのは。。
新生児のネーム、生まれたらマジックでカタカナで書かれたなぁって。佐々木 好美ならササキヨシミベビーって感じで。産前に名前決まってないのも普通にあるし。それを言ったらこのお話が成り立たないんだけどね。。
Posted by ブクログ
良すぎる( ; ; )
ミステリーなのに大泣きした。
ミステリーで感動することってあるんだ、、本当に素晴らしく心温まる結末だった。
なんでこんなにいい人が沙耶ちゃんを誘拐したのか、最後エピローグでちゃんと回収してくれたのも助かった。
超スッキリした気持ちで読み終えることができた!
最後に沙耶ちゃんが言っていたけど、もし取り違えていなければ郁ちゃんは助かってなくて。
そして渡辺さん(ではないけれど)が誘拐しなかったら沙耶ちゃんは両親を殺そうとしていて…。
全てが重なって、彼女たちが救われたんだと思うと本当に泣ける。
最後の言葉に、渡辺さんも救われたんだろうな。
出所してから、また2人が一緒に暮らす未来も見てみたい。
なんかとてもいい関係性を築けそう。
Posted by ブクログ
12月の北海道。中学2年の少女・沙耶(さや)は、自分を日常的に虐待をしてきた両親が、今夜、海で自分の殺害を計画していることを知っていた。ところが下校途中「児童相談所の職員」を名乗る男の車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁される。監禁下の交流から、ふと彼女は、男が、じつは「本当の父親」ではないかと疑い始める。一方、男は身代金2000万円が目的の営利誘拐であると犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める。男は一体、誰で、目的は何なのか?
誘拐された少女が誘拐犯とともに暮らす数日間の話。
実家で虐待されていた生活とは違い、やっと人間らしい時間を初めて過ごす主人公。誘拐犯が悪い人間ではないことに当初から気づき、生まれて初めて穏やかな日々を過ごすが、身代金の受け渡しとともに真実が明らかになる。
私はこの誘拐犯、好きだなぁと思いますね。
クリスマスを一緒に祝ってくれること、プレゼントを用意してくれたこと、貯金も家も、譲渡する手続きをさらっと済ませてあること…
話の全体としてつっこみどころはあるものの、良いスピード感・誘拐後の生活と実生活どのギャップとで、引き込まれて読むことができました。
面白かったです。
Posted by ブクログ
4.3
読みやすいし、虐待部分は置いておいて面白いし心温まる話だったけど、気づいた時点ですぐに申し出てれば結果はまた変わったんじゃないかと思わずにいられず。
確かに沙耶の両親はクズだったけど、母親はまだ少しは救いがあったんじゃないか?母親が沙耶を好きじゃないと言ったのは、本能で自分の子供ではないと感じていたからかも?という思いが離れず。
母親もどうして自分の子供なのにこんなに愛せないのか悩んだかも知れず、同じように子供を愛せない夫にもしかしたら?という疑念を持ってDNA検査をしたのでは?とまで考えがいってしまった。
Posted by ブクログ
初めての作家さん
フォローしてる方々の本棚でよく見かけて
高評価ですし、気になって予約しました。
冒頭の誘拐場面から引き込まれて
あっという間に読み終えました。
沙耶の両親のクズっぷりにムカムカムカ。
対して誘拐犯の思わぬ優しさに
これはどういう展開になるのか
とページを捲る手が止まりませんでした。
産院での取り違えは
過去にドラマや映画で何度か使われていて
当事者たちがその事実を受け入れることが
いかに困難かというところに重きを置いていた作品が多い印象なのですが、
今作ではそこはすっ飛ばされて
感情面も手続き面も全部解決したようで
さらーっと終わってしまったので
そこがちょっと残念でした。
(そこが動機のミソではあるが
メインテーマではないので致し方ない)
沙耶のような環境の子供が
程度の差はあれど
実際にもいるのかと思うと
とても胸が痛くなります。
誘拐はいけないことだけど
同じ星の下に生まれながら
そういう不平等に扱われている
全ての子供たちに
「渡辺さん」が現れたらいい。
(そういう場面に出くわしたら
せめて声を掛けられる人になりたいです)
Posted by ブクログ
どうして渡辺さんが沙耶を誘拐したのかが本当に分からなくて、その理由が気になって気になってあっという間に読んでしまった。
あまりにも沙耶が可哀想で、でも強くて、良い子だから、余計に辛かった。私達にとっては当たり前に過ぎていく毎日でも、沙耶にとってはただ耐え凌ぐだけの日々。親の顔色を伺いながら、寂しく1人だけで乗り越える日々。そんな中で起きた誘拐。不自由なはずなのに自由で、恐ろしいはずなのに温かい。初めて感じる人の優しさ。
そして初めてクリスマスを楽しんだ沙耶の幸せな表情が思い浮かぶほど、読んでいて私も幸せだった。渡辺さんがくれたマフラーは形に見える人の温かさ、幸せ、愛されてる証、全てを表してくれていた気がする。
誘拐最終日渡辺さんと沙耶、そして警察官の前で娘の命よりもお金にしか目がなかったもはや親とも人間とも言えない金の亡者となった2人。正直、まだ中学生の沙耶にここまで辛い思いをさせるのは酷だと思ったけど、これからの沙耶の人生を考えて早くに見切りをつけさせるための誘拐だったことには納得した。
でも渡辺さんの誘拐理由には本当に驚かされた。本当なら幸せな日々を歩むはずだった沙耶。その人生を狂わせてしまった罪滅ぼし。でも5年後渡辺さんと再会した沙耶が渡辺さんに感謝の気持ちを伝えるんだけど、あまりにも泣ける。あんなに辛い思いをしたのに助けてくれてありがとうと言えるのはやっぱり沙耶が良い子すぎるからだろうな。
渡辺さんは色んな人の人生を変えてしまう大きな罪を犯してしまったけれど、それでも寄り添ってくれる人がこんなにもいるのは渡辺さんの人柄や誠意が感じられたから。これからも祈り続けて欲しい。そして皆んなの幸せをその目でずっと見守り続けて欲しい。
Posted by ブクログ
はっきり表現されているわけではないんですが、沙耶は父親から性的虐待を受けていると読み取れる部分がありましたね。
だから中学を卒業したらすぐに働けと。それを親が教えてやると。ほんとに胸糞〜〜〜
本当に、渡辺さん(橋口さん)がこのままずっとお父さんだったら良かったのになあ。
血の繋がりが一片もない徹人にも「父親役」をやっていたんだから、渡辺さんは十分だよ。償い代わりに、お祈り代わりに、沙耶と向き合っててほしいなあ。
Posted by ブクログ
沙耶の境遇はつらく悲しかった。
渡辺さんはずっとどんな関係があるのだろうかと思っていたら、児童相談所の嘱託医として働き、かつては産婦人科医として自身の姪と沙耶を結果的に取り違えたことで起こした誘拐だった。
沙耶が児童相談所に電話してからまもなく誘拐を実行したことを考えると、ずっと後悔と自分を責めていたことが伝わるし、誘拐中の沙耶への接し方からも本来はこんなふうに優しい叔父さんとして関わりたかったのかなと思った。
沙耶の境遇は何も悪く無いのに理不尽だしよく耐えたと読みすすめるほどに感じた。
愛するもののために祈り続けてほしいと思った。
Posted by ブクログ
渡辺さんは誰なんだ?が予想外だったのは面白かった。
同じ日に生まれた
「有乃」と「郁」の字を誰かが読み間違い、
2人は別々の両親のもとに育てられることになってしまう。
で、その時の助産師が渡辺さん(本名橋口さん。)
ずっと罪悪感を抱えて生きてきて、その後児童相談所の嘱託医に転職。
有乃(本当は姉の子ども)が児童相談所に連絡をしてきたことをきっかけに、救わなければ、、!!となり、誘拐を決心する渡辺さん。
有乃って苗字が珍しかったのはこのオチのためだったか〜などと客観的に見てしまった。
あとは心にずしっとくる表現が無かったのが物足りなかった。
有乃沙耶が可哀想なのは分かるんだけど、凪良ゆうとか町田そのこだったらもっと心えぐるような表現で読者に訴えてきただろうな。なんて思ってしまったのでした。