あらすじ
愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、薄明の世界に鮮烈な軌跡を刻む。著者が織り成す切なく熱い人間讃歌、人生を戦うすべての者へ。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
安定の福井晴敏。興奮しきりに一気読み。
冒頭、子供を怒鳴り付ける遣り手(らしい)会社員が主人公と知り、“いつもの福井ワールド”とはちょいと違うのかな?……と一瞬がっかりしたけれど、それも文字通り一瞬だけだったという(笑)
福井ワールド、最高。
“人の親”としての執念で自分に課した宿願を果たす強い女性を描いた『経ち切る』と、
途中“もしや?”と思いつつ最後に“やっぱり”とニンマリさせられる“アイツ”の登場が強烈な印象を刻んでくれた『920を待ちながら』の2本は、もう、格好よすぎ!
★4つ、9ポイント。
2014.11.19.了。
※短編集とはいえ内容が内容だし、表紙の装丁は、イラストではなく“いつもの”系統で揃えて欲しかったな。