あらすじ
老剣客・武蔵ここにあり! 著者初の短編集
【著者初となる短編集ついに刊行!】
老いた剣豪の気骨、
紅職人を志す女の矜持、
若き侍からほとばしる熱情……
佐伯泰英は短編も面白い!
【収録作紹介】
老境にあるかつての剣豪・宮本武蔵のもとを柳生十兵衛の門弟が訪ねてきた。……天下の剣を極めた柳生が今さら何を企んでいる? 訝しむ武蔵はしだいにこの門弟に心を許していく――「めじろ鳴く」
女を嫌う職人衆の世界に飛び込んだおゆう。彼女の造る紅は女心を捉えて人気を博するが、おゆうを追う謎の男の影が――「寒紅おゆう」
下士の三男坊ながら、十六の若さで「龍」と称されるほどの剣の腕をもつ惣三郎。師は彼に「無殺多生の剣を極めよ」と諭す――「虚けの龍」
参勤交代の道中、家紋の入ったお鎗(やり)の穂先が強奪された。事件の背景には、国替えに伴う悲劇が――「手毬」
水泳に興じる少年たちが、水戸藩に関わる秘密を耳にしてしまう――「寛政元年の水遊び」
武者修行中の父が騙し討ちに? 悲報を受け、一路、大坂へとむかう青年剣士を待ち受ける困難とは――書き下ろし新作「妻手指(えびらさし)」
読み応えある珠玉の時代小説全6編は、佐伯泰英入門にもぴったりです!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
佐伯泰英さん、301冊目の登録。ここまで来ると惰性と義務感で読んでいるような。
作者初の短編集。6編あるが、5編は過去に書いたものを一部手直しし、最後の「妻手指(えびらさし)」のみ新作とのこと。5編で明確に読んだ覚えのあるのが「寛政元年の水遊び」のみ。これだけ読んでいるのに、読み漏らしがあるようだ。
「めじろ鳴く」
宮本武蔵が主人公。柳生十兵衛の若い従者が、武蔵が隠棲している熊本まで来て十兵衛の手紙を渡す。手紙の返事待ちで一緒に暮らす内に、従者と衆道へ。本のタイトルでもある文言は何とも色事の怪しい状況。この従者が実は偽者で、体をエサに武蔵へ切りつける。読んだ後味はあまり良くない。
「寒紅おゆう」
田舎の庄屋のバカ息子から逃れて江戸へ出てきたおゆう。女性が入れない紅屋に通い詰めて職人になり、三年目にして自分の名前付きの紅を出すことになった。親の死亡で庄屋になったバカ息子が、ヤクザを使って探し当て、新作が完成したのにおゆうは、、。これも悲しい話。
「虚けの龍」
田舎大名の家臣で、貧乏な家禄の3男の惣三郎。やる事もなく道場に通い龍虎の龍となり、数々の困難を乗り越えて出世の糸口を掴む。ちょっとだけ希望の持てる内容。
「手毬」
酔いどれ小籐次の内容と似通う。娘を殺され妻は自殺した侍が、旧主に訴えるため参勤交代のお槍の先を切り取る。勝ち取った旧主の詫びが実は、、、。これも悲惨な結末。
「寛政元年の水遊び」
鎌倉河岸捕物控で読んだ内容。幾つか修正されているようだ。
「妻手指」
武者修行に出た父親が卑怯にも殺されたと大阪から手紙があり、道場の次男が江戸から大阪まで訪ねることに。貧乏道場で次男に渡されたのは由緒のある脇差しの妻手指。江戸を出ようとした途端に三人の無頼浪人達に絡まれ、脇差しを賭けて試合することに。大阪へ行かずに、この試合だけで終わってしまった。疑問の残る試合経過と長編予定の書きかけということだろうか?