あらすじ
人は誰でも失敗する。失敗すれば誰でも落ち込む。本当に大切なのはそこからだ。自分の回復力を信じ、待つことができれば、必ず壁は乗り越えられる。そのためのコツを失敗学の第一人者が示す。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
苦境に立ち向かう時、「失敗した!」という時に、開く新書となった。この種の「癒し」の本は数多いが、畑村さんの筆致はたいへん説得力もあり、そして読後感はたいへん心地よい。その理由は、彼の論は常に「未来・将来」志向であるということろにあるからではなかろうか。「失敗は誰にでもある」というところを主張し続けそれに終始するわけではなく、失敗後の対処が大切と説く「失敗学」という新たなジャンルを牽引している著者ならではの「語り」は首肯させられる部分も多い。たとえば、「失敗したときの風景を思い浮かべ」シミュレーションしておくことの大切さを説くなど、失敗の仮想演習を考えろという部分(p54~58)を読むだけでも大変役に立った。