あらすじ
小学校の夏休み、父の実家の蔵からは、夜になると宴会の声が聞こえた。しかしその晩、大人たちは早く寝たという。翌日の夜、楽しそうな声に誘われて蔵の扉を開けたところ…。蔵にまつわる恐ろしくも哀しい話(「蔵の中」)。自宅で娘の遺書を発見した妻が倒れた。暖かい部屋にいるのに、恐ろしいほど体温が下がっている。そして妻の口から驚きの言葉が…(「白い息」)。恐怖と感動が絶妙にブレンドされた、怪談シリーズ第2弾!
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Posted by ブクログ
夜になると蔵の中から宴会の声が聞こえてくることに気がつく。母にその事を話すと、一緒に見に行ってくれると約束してくれた。約束通り蔵を見に行くとそこには誰もおらず、ただ、荷物があるばかりだったが……?
前作に比べ、怖い話もあるが、後半は感動話のようなものが多くあり、やや物足りない印象。前作はただひたすらに怖かったので少し残念。その中でも怖いのはいくつかあり、おすすめは「凶宅」と本書タイトルの「蔵の中」。 「凶宅」は家自体がそうなのか、それとも家に住まうものの仕業なのか……。「蔵の中」は子供だけに訪れる不思議な体験かな?と思っていたが、思っていたよりずっと怖かった。語り手が子供のころの感性で語っているため、文面だけで恐怖を感じることはないが、深く考えるとどうにも恐ろしい。楽しそうな声だったので、良きものかと思ったが、違うようだ。最後の方は、隣の家の人が語るかつての娘の話で感動寄りになったかとも思ったが、蔵の中にあった件の物をみた母親が「怖いからやめてくれ」と言っていたのでどうやらそうでもなさそう。件の物の詳細を語り手が目撃しておらず、また母親からの聞き取りも難しそうなので、結末を我々が知ることはできないだろうが、不穏であることは間違いなさそうだ。