あらすじ
「尾原はAI専門家なのに『さとなおさんの見えてる未来が見えていなかった』。
この本は本当にやばい。
全マーケター・全経営者が読むべき羅針盤だと断言します!」(IT批評家:尾原和啓 氏)
「AIで武装した『世界一賢い生活者』にどうやって選んでもらうか?
この『問い』だけでも素晴らしいのに、答えはもっと素晴らしい。
本書をお勧めします。」(著作家:山口 周 氏)
・AI時代に生活者目線で「マーケティングがどう変わるか」を予測した唯一無二の書籍
・「明日の広告」「ファンベース」の著者が贈る希望の話
・長年の実践に裏打ちされた独自のファンベース理論の集大成・新フレームワークを大公開
本書では、「2つのルート」を提示しています。
(1)AIに選ばれる「AIルート」
(2)ファンに愛され続ける「ファンルート」
あなたは、あなたのブランドは、あなたの会社は、どっちのルートを選ぶべきか。極めて具体的に、そして分かりやすく体系的に解説している"答えを提示する"1冊が本書です。
注目ポイントはまだあります。クライマックスとなる第7章です。
大企業、ベンチャー、中堅メーカー、商店街、自治体といった、異なる"6つの立場"から描かれるAI時代の物語は、あなたの未来の姿かもしれません。
絶望の末に見えた光と再生の先には……
マーケターや経営者だけでなく、全てのビジネスパーソンが読むべき"未来への羅針盤"がここにあります。
【目次】
はじめに ~マーケティングという概念ができて以来最大の事件かもしれない
第1章 「世界一賢い生活者」の誕生とBtoCの崩壊
第2章 AIルートとファンルート ~AI時代を生き抜く2つの道
第3章 AIルート ~「TRUST」と「SENSE」を実装する
第4章 巨大企業総取りとファンベースの重要性
第5章 ファンルート ~選ばれ続ける唯一の解
第6章 AI時代のシン指標「顧客幸福度」とファンベース経営
第7章 AI時代の6つの物語
おしまいに ~そして、あなたの物語へ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2026年の幕開けに相応しい、骨太な問いに支えられた一冊。AIによる技術変化トークが多い中、「お買い物変化」に特化することで、ブランディングやマーケティングにおける地殻変動の芯、あるいはAI時代の「働きがいの核心」が、ガバリと掴める。
この本、広告業界や諸先輩方の評判がすこぶる良かった。過去一ぐらい興奮して語る方々が多かった。その理由は、読んで納得。なんと絶妙な、希望をもたらす切り口からの語り!自分が仮に70でも、ワクワクして読めそうな希望が詰まっている。WEBマーケに疲弊した商業クリエイターたちにとっては、エナジードリンクよりもエナジーな一冊だ。僕自身も、勇気をいただけた。そして何より、自分が新入社員時代に、次の時代を示す先駆者だった人物が、この時代においてなお、次の時代を書き示すことができるとは。その魅惑的な筆力に嫉妬した。
ただ正直、注意が必要な本でもあると思う。
僕は読み方を間違ったせいで、最初ポジショントークだけの本だと読み違えてしまった。「はじめに」で受けた衝撃による高揚が徐々に冷め、中盤からさっと読み終えようとしまっていた。でも違った。捻くれ者は、「はじめに⇒7章(6つのシミュレーションされた物語)⇒各章」という順で読むのを強くオススメする。そうすることで真価が読めるようになる。このシミュレーションこそ、実話じゃないので読み方注意な内容なのだが、とにかく良い。元気がもらえるのはもちろんだが、やるべきことが浮かびやすい。愛のあるレッスンたちを刮目すべし。
加えて、実務家の端くれとして、反証というか、検証したい点も多く合ったので、一つ一つ、実践の中で答え合わせしていきたい。いくつか代表的な懸念だけ、備忘メモ的に遺しておきたい。
◯懸念1)経済学最大の失敗のひとつである「賢く合理的な人間像」を想定し過ぎでは?説
・2025年、そこまで流行したおしてきた行動経済学が一気に叩かれることになった。発端は、行動経済学が実験で示してきたデータの多くが「統計的には誤り。だいぶ歪んだ恣意的なデータ」と批判されたことにあった。そんな分の悪い状況なので、あまり語られなくなってしまった※が、やはり行動経済学が示したひとつの世界線を、僕は支持したい。それは「伝統的な経済学が想定してきたほど、人間は合理的な生き物ではない」「テキトーにお買い物するし、テキトーに生きている。でもそれは不健全なわけではなく、むしろ健全な態度なんだ」というものだ。
※行動経済学は、「過去の過ちを暴く」学問として急成長した。その成長角度が高すぎたせいで、先のような「ミイラ取りがミイラになる」状態になってしまったのかもしれない。でも、だからといって「やっぱり人間は合理的ですよね」とはならないはずだ。
・本書が提示した「世界一賢い生活者」というタグラインには、伝統的な経済学の香りを感じる。人間にとって、CAN(できる)とDO(する)は違う。我ら中年のダイエットは、原理上できるけど、いざ実践しない人が大多数。もちろん、本書で提示しているAIの肝はその「楽さ」にある。ダイエットのように難しいDOではない。だからみんなAIでDOするんだ、というのが本書が示す世界線だ。たしかに、いまやスマホはジジババのマストアイテムになっている。でも、そうすんなりいくとは思えない。SNSが自由をもたらす!と牧歌的に称賛され10年後、世界の分断、テロリズムやいじめの温床になってしまったように、AIベースのお買い物にも、想定外の不都合がたくさん生まれるのではないか。例えば、ほんとに素直に3−5の推奨パターンが生まれるのか?広告モデルがAIにも採用されて、検索時代とたいして変わらないインターフェースに修練する、なんてことはないのか?などなど。まだまだ良くも悪くも無限の可能性を秘めたAIとのお買い物UIUXに、目をみはらしていく必要があると思う(逆に言えば、本書は生まれたてのUIUXにフルベットした未来像になっているとも言える)。
◯懸念2)「明日の広告」の明日じゃない方の成分は、どれぐらいあったのだろう
・サトナオさんといえば、「明日の広告」が電通新入社員だった私に与えた衝撃が大きすぎて、その印象がこびりついている。当時、マスからSNSへ、あるいは一方通行のコミュニケーションからインタラクティブへ、という先駆けとして、多くを学ばせていただいた。ところが、業界の構造が持つ引力は強く、「明日じゃない方の広告」、つまり従来型の生存面積は予想以上だったと思う。あの当時、まさかスマホ時代のアプリDLマーケティングの主戦場がTVCMになるなんて、思いもしなかった(少なくとも僕は)。
・「BtoCマーケ(広告)がジリ貧になる」という本書のホラーストーリーも、同様の状況があり得るのではと思った。僕は、ありがたいことに、タクシーメディアの番組・広告制作という仕事に数年間深く関わらせていただいている。そこで様々な数字や評判、成果を得て確信したのは、「半強制的に数千万人にリーチしてしまうメディアが持つ魅力」だ。そこにはAIやパーソナライズでは得られないセレンディピティがある。もちろん、一定程度、そこをAIベースのPAは置換していくのだろう。けれど、自分の過去データの延長線上をベースとしたAIデザインの情報設計とは異なる回路を、しかも太い回路を、人間は求め続けるんではないか?という想いが拭えない。
◯懸念3)ファンベース、特にリスニング以外の「始まりの情報経路」は無いのか?
・本書自体が前提としているファンベースという考え方。それ自体は有用性がたしかにあるし、AI時代こそ重用だ、という学びが得られたことは個人的にもとても良かった。特にファンの「長文レビュー」が情報開示されることが持つ(パレートの法則的な)経営インパクトは、理解が深まった。
・でも、これらの議論は、SNS時代をベースにした、もっといえば、ファンベースカンパニー社さんのお家芸たるファンの定義と、その上昇をベースとしている。だから悪い!というつもりは決して無い。ただし、同じ「ファンが大事」という視点であったとしても、もっと異なる方法論があるのではないか?その可能性については、誰よりサトナオさん御本人が、本書内でも言及されている。がしかし、きっとそんな部分は読み飛ばされ、テンプレ的に本書が扱われてしまって、思ったほど効果が見えない!と批判されたりするんじゃなかろうか。それはサトナオさんも本望としないところだろう。
・私は、面識こそ深くないが、電通卒業後輩の一人として、そんな悪しき読み方はせず、自分なりに考え抜いたうえで、AI前提時代の、生活者との接点開拓。ファンとよばれるぼやんとした存在の解体新書を描いてみたい。特に、本書がベースとしていた、ファンとの直接のディープインタビュー。これは私も実務でその威力を経験しているが、手詰まり感を感じる局面も少なくない。AIやそれに基づくあらたな消費行動が育っていく新時代だからこその、ファンの捉え方は無いものか?そもそものファンの定義の仕方の刷新も含めて、考えてみたい。
Posted by ブクログ
AIの進化・普及に伴い、生活者は賢くなる。
それによって従来の広告やプロモーションが通用しない世界になる(もうなりつつあるが、今後一気に加速する。猶予は5年以内…!)。
売り方やマーケティングを根本から変えなくてはならない。
①生活者の手前、AIに選ばれるために
徹底した開示とデータの整備・構造化が急務
②選ばれ「続ける」ために
現場ユーザーとの対話を通じて信頼を築く/ユーザーとシナジーを生むことが併せて必要
ここまでが本書の主張。
わたしがこの点数をつける理由は2点。
1)物凄くニューネス、という訳でもなかった。
上記の②はファンベースマーケティングを標榜してきた著者の従来の主張に近く、AI時代が到来したからとて「AIの先」に生活者の最終判断が伴うため、そこの思想が根本から変わる訳ではない。当然と言えば当然。やや期待し過ぎたかも。
2)出口戦術への個人的な納得不足。
これも②の部分だけど、わたし個人がファンマケに親和性の高い業界にいないこともあり、結局提示されるHOW=「ファンイベント」「口コミ醸成」という出口にやや消化不良。
とはいえ特に環境分析と取るべき戦略にあたる前半部分は納得度高く、既存の主張の再確認も含めて改めて危機意識を持てたので、お勧めではあります。
Posted by ブクログ
※私はプロフィールに記載の自己基準で評価をつけているので、星3ですが評価が低いわけではないです。トップバッターのため、念のため。
生活者がAIを携えて情報探索を行う時代、マーケティングで本当に大切になるのは需給の把握と、商品設計による確かな価値の創出ではないか、そう思わされた本。
B to CがB to A to C、あるいらB to A with C(AはAIのこと)になるとの表現には納得させられた。
AIによる変化は凄まじいが、この変化が生活者に真の価値を提供できない商品・サービスは淘汰されるある意味世の中にとって希望となるフェーズになるかもしれない。今一度、自社が提供できる価値を考え、新しいサービスの創出などを検討したい。