あらすじ
ついに僕はデビューした。ずっと夢だった、憧れの職業。小説家になった。すべてがバラ色、これからは何もかもがうまくいく……はずだった。デビュー作の 『バカが全裸でやってくる』 は、売れなかった。それはもう悲しいほどに。そして僕の小説家人生はまだ始まったばかりだった。担当編集から次作に課せられた命題は、『可愛い女の子を出せ』。まてまて。なんだその意味不明な無理難題は。好きなものを好きなように書くのが小説家じゃないのか?業界を赤裸々(?)に描く問題作登場。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
やられた。ちょいちょい違和感を感じつつも読み進めて、最後の章でこの本自体の構造に気付いた時に素直に感動した。発想が素晴らしすぎる。
内容的には前巻より面白くて、少しでも創作に携わる人なら結構響くと思う。
時間と集中力を注ぎ込むか事の重要さを思い知らされて、それが格好悪いけど所謂努力、ってヤツだとおもうのだけど、ソレが致命的に不足している自分が情けなくなってくる。
自分は充分な努力すらしてないのかと。
しかも尚、それでも才能の差が埋まらない事をこの本は明示している。
悲しいけどもいつも現実に立ち向かわせてくれる作者に感謝。
文句なく★5つ。書店にて新品購入。
ところでこれのコミカライズってどうやるんだ一体。。
Posted by ブクログ
うーん前作同様あとがき読んでこの話の真意が分かるという。
細かいとこ含めて謎が謎を読んで、僕がオレなのかなんなのか。。。
まぁいろいろ想像できて面白い。
Posted by ブクログ
一部リアルで重い、全体的に軽い
以下抜粋・・・
五日目。四日間ほど睡眠と執筆活動以外の行動が削減されてストレスによる体調不良が発生したようだ。
胃の中でなにかが暴れるように痛い。その痛みに自然と背筋が伸ばされる。落ち着かない。意味なく部屋をグルグルと回る。寝転んでもジッとしていられなくてすぐに起き上がってしまう。
Posted by ブクログ
どこまで裸をさらけ出せるか。
◎小説と全裸
小説を書くとはどういうことか。
小説家になるとはどういうことか。
リアルな生態がそこにある。
主人公はライトノベルという現代的なジャンルのルーキー。
京都に住む男子大学生。
しかも、同じ大学に売れっ子女性小説家がいるという展開。
しかし、小説を書くことは裸で走ること。
自らをさらけ出す覚悟のいる商売。
そこんところが赤裸々に出ている。
恰好も考えず、一日中部屋にこもって
パソコンに向かい合う。
それは自分と向かい合うということ。
先輩作家の女子大生も同じ。
そして、二人は同業のよしみからか良く一緒に食事をする。
話をする。
そして。
◎同業者というラブストーリー
しかし、二人は恋愛には発展しない。
女子大生は主人公の師匠というポジション。
しかも、同業者であり、ライバルでもあり、
お互いに裸を知っている。心のね。
だから、何度も何度も
美人だけど、恋愛対象にならないという言葉が出てくる。
この付かず離れずというくすぐったさ。
見よ日本流。
◎連作という禁じ手
あとがきにネタばらしが。
この小説はライトノベル作家の連作。
つまりはお互いの業界裏話的な内容もありつつ
微妙にずれる展開や心理はそのなせる技。
そこがまた愛のような、愛でないような
二人の関係を豊かにしている。
愛はパラレル、とも言えるし、
思いは多重人格とも。
恋愛物語として読んだが
メインストリームである若い小説家の
自分の気持ちと立ち向かう日々が
何とも愛おしい。