あらすじ
パラレルワールド×歴史改変SF×戦争児童文学
省一と大二郎は花山小学校の六年生。
ある日、教室の屋根裏に入り込んだ二人が降りてみると、そこは「太平洋戦争で日本が勝った世界」だった。
二人は元の「平和な世界」へ戻ろうと試みるが――
やがて旅の終わりに、戦慄と静かな感動が待ち受ける。
「ズッコケ三人組」の巨匠が若き日に発表し、「代表作」と自負した意欲作。
〈解説〉藤田のぼる
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かつて少年少女読者に戦慄をもたらした、児童文学の異色名作を復刊!
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Posted by ブクログ
昭和五十年代を生きる小学六年生の男子二人が、学校の屋根裏を通って、第二次世界大戦で日本が勝った平行世界に迷い込んでしまう、というもの。
それまで暮らしてきた世界と平行世界との常識や生活のギャップに戸惑い、反発しながらも、順応していく様子は、読んでいて引き込まれた。
生活のあちこちに、戦時下の窮屈さや過剰とも思える規則正しさが表現されているのも見どころ。
子供達の口調、口振りがいやにしっかりしてるのは、元が1970年の作品だから当時は皆そんな口調、口振りでしゃべっていたのか、それとも第二次世界大戦で勝利して大日本帝国が存続していたからという世界観を表しているのかが、少し気になるところ。(多分、前者だと思うが)
安易に「平和!」だの「戦争反対!」だの叫ばないで、戦争や戦時下の生活を描いた、作品自体への出来映えは一切文句無し。ラストも良い終わり方だと思う。
ただし、那須正幹先生には申し訳ないのだが、1990年に発表した子供向けのエッセイ集『夕焼けの子どもたち』にある
❮日本は平和でいられるかどうか。それを決定するのは、政府でも日米安保条約でもない。きみたちの一人ひとりが、戦争を体験した世代と同じように、いや、もっと強力に、
「戦争は絶対いやだ」
と、大きな声で叫びつづけることだと思う。❯
という意見には断固としてNOだと言わせて頂く。
「戦争は絶対いやだ」と大きな声で叫ぶだけでは日本は平和にならないのですよ…。
そこは平和という念仏を唱えるのじゃなくて、現実をしっかり見ないとね。