あらすじ
1965年、29歳の若手真打が著し、
多くの後進に影響を与えた記念碑的作品を、
刊行60年目にして初文庫化。
《談志生誕90年記念企画》
落語の豊かさ、敬愛する名人たちを熱く語る一方、
「現代」に生きる噺家として抱える逡巡、
古典芸能の未来を憂える焦躁も率直に書き尽くした。
全集(2002年)刊行のため書き下ろされた「『現代落語論』、その後」、
今回の文庫化に際し直弟子17人が綴ったエッセイを収録。
目次
その一 落語の豊かな世界
その二 修業時代
その三 噺家と寄席、今と昔
その四 観客と芸人
その五 わたしの落語論
『現代落語論』、その後
付録
三一書房版に寄せられた五代目小さん師による推薦文
三一書房版まえがき
書き下ろしリレーエッセイ
土橋亭里う馬/立川談四楼/立川龍志/立川談之助/
立川志の輔/立川談春/立川志らく/立川生志/
立川雲水/立川キウイ/立川志遊/立川談慶/
立川談笑/立川談修/立川小談志/立川平林/立川談吉
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Posted by ブクログ
談志は理屈をこねまわすだけではなく、実践家であった。実験し、経験したことを書いた。言いたいことが山ほどあって、それを吐き出したような内容だ。ストレートな物言い。建前を抜きにして本音で書いている。だから、読者の心をつかみ、ベストセラーになったのだろう。
オリジナル版の『現代落語論 笑わないで下さい』 (三一新書、1965年)との違いは2つある。
一つ目は、章立ての題名が違うことだ。章のタイトルが違うだけで、内容自体は同じである。下記に双方の章タイトルを挙げておく。
【章立て】三一新書
その一 落語の観方聞き方
その二 真打になるということ
その三 昔の噺家・今の寄席
その四 観客・芸・人気ないしは笑について
その五 わたしの落語論
【章立て】中公文庫
その一 落語の豊かな世界
その二 修業時代
その三 噺家と寄席、今と昔
その四 観客と芸人
その五 わたしの落語論
『現代落語論』、その後
書き下ろしリレーエッセイ
二つ目は、巻末に、「『現代落語論』、その後」と「書き下ろしリレーエッセイ」が加わっていることである。「『現代落語論』、その後」は、『立川談志遺言大全集(10)落語論(一)現代落語論』のために書き下ろされたもの。この文庫版は、全集を底本としているため収録されている。この文庫本で初出となるのは、立川流の直弟子17名による「書き下ろしリレーエッセイ」である。1人あたり1ページの分量となっている。
個人的な感想を加えると、リレーエッセイに目立って良いと思えるものはなかった。談志が書いた本編のように、書きたくて書いたのという気持ちが感じられない。書けと言われたから書いたというような文章であった。もちろん、出版社からの依頼で書くようにいわれたのだろうから、それも当然ではある。それに、この人たちは噺家であって、作家ではない。このような経緯で面白い文章は書けなくて当然だ。書けるのであれば、第二の談志のようになっていたかもしれない。