あらすじ
「妊娠」「出産」。他人事だと思っていませんか? 男が妊娠・出産するようになり、早10年。エリートサラリーマン桧山健太郎(ひやま・けんたろう)は、自分が妊娠したことを機に、世間の「男の妊娠・出産」に対する偏見を目の当たりにする。最初は自分の居場所を作るため、出産を決意した桧山だったが、その行動は、すこしずつ、周りの人を、そして自分自身を変えていき……?
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私事ですが、今月から3ヶ月連続で3人の友人が子供を産むので、その前祝い(?)的に手に取ってみました。
「男性も妊娠して子供を産む世界」という設定は突飛ですが、妊娠して初めて分かる「満員電車が怖い」という感情など、物理的にも心情的にもまだまだNOTバリアフリーな現実社会の実態が「妊夫」の目線で描かれていて、改めて気づかされる部分も。オムニバス形式のストーリーの中には、高校生の妊娠や不妊のことなども描かれていますが、全体的に重くならず、説教臭くもなくてポジティブに読めるので、男性にもおすすめしたいです。
「男の出産に対する世間の風当たりの強さ」はあくまでフィクションですが、「男の出産」の部分をマイノリティーな「何か」に置き換えると、男女ともに共感できる人は多いはず。
主人公から妊娠をカミングアウトされて、「ホントにあたしの子なの?」と第一声で疑ってしまう相手の女性の反応に、思わず笑ってしまいました。実は女性の方が「そうなった」時に疑り深いのかも!?
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