【感想・ネタバレ】プリズンの満月のレビュー

あらすじ

40年におよぶ刑務官生活にピリオドを打った鶴岡に、再就職の話が舞い込んだ。それは、巣鴨プリズン跡地に建つ高層ビル建設の警備を指揮するというものだった。鶴岡の脳裏に、かつて自らが刑務官として勤務したプリズンの情景がよみがえった――。敗戦国民が同国人の戦犯の刑の執行を行うという史上類のない異様な空間に懊悩する人々の生きざま。綿密な取材が結実した吉村文学の新境地。

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

・あらすじ
鶴岡は過去40年間刑務官として働き、退官後はビルの警備会社に再就職をし、その再就職先も退職して余生を過ごしていた。
再就職先のビルはかつて鶴岡が戦後の数年間勤務していた戦犯容疑者収容所である巣鴨プリズンだった。
鶴岡の視点から巣鴨プリズンの設立から解体までを描いた作品。

・感想
鶴岡さん真面目な人だ。部下からも慕われるのわかる。
前半は巣鴨プリズン関係なく、再就職先の会社での奮闘や部下とのあれこれが書かれてるけども、鶴岡さんの真摯で他人に敬意を持った接し方がめちゃ好感持てる。
こんな人間ばっかりだったらいいのにな…。

主題である巣鴨プリズンのことは全然知らなかった。
どこに建てられていたのか検索したところ現在のサンシャイン辺りらしい。

戦勝国が敗戦国を裁くこと、原子爆弾を投下した責任についてなどなど色々考えさせられる。
現代に暮らす私としては侵略先で現地の人に危害を加えた、不慮を不当に扱ったのなら裁かれて当然思う一方、そうしなければならない状況だった人たちに対する同情もある。

結局年月が経過するごとに刑務所とのしての機能は形骸化するんだけど、それは同時代を生きた人たちの戦犯達への共感があったからだと思う。

終盤に処刑台を作成した人間の末路が書かれているんだけど、それも戦争が残した爪痕としてなんとも言えない悲しさがあった。

0
2026年09月28日

「小説」ランキング