あらすじ
妻は愛がないと嘆き、別れたいという。しかし言葉の裏に、別れたくないという気持ちが透けて見える。史上最悪の夫婦、すれ違う世界感。愛と依存の連鎖はどこまで続くのか――。
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Posted by ブクログ
中島義道の本が出てるっと思ったら、哲学本ではなくて、初の小説とのこと。
中島義道が描くんだから、とてもハッピーにはならないだろうと、思って読んだけども、やはり・・・。
小説『異文化夫婦』は、2009年にだされた『ウィーン家族』を改題したもので、ある夫婦(家族)についての物語。三人称形式で夫の康司に焦点を当てて描かれている。
暴力などのシーンはないのだけども、相容れることの無い2人の関係にとても気分の悪くなる内容だった。
家族や夫婦の愛、それを逆説的に表現されている。
人間の内面を書き起こされているようでもあって、終始辛くなった。
受け入れたくない人間関係なんだけども、ほんとは、こんなもんじゃないのだろうか?と共感すら感じてしまうところが、また辛い部分だった。
女性が読むのと男性が読むのとでまた違ってくるんだろうな。
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【内容(「BOOK」データベースより)】
冬、ウィーン。口論の絶えない夫婦、多喜子と康司。無謀から大怪我をした妻は、心配をしない夫を詰る。「人が苦しんでいる時に責めるあなたとは、話ができない」。干渉を迷惑、実害とする夫に、妻は愛がないと嘆く。しかし、別れたいという言葉の裏に、別れたくないという気持ちが透けて見える。ああ、ひとりになりたい。己が一番大切なのは、自分なのだ―。自己愛と依存、夫婦の相克を細部まで描いた、著者初めての小説。
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