あらすじ
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、テロ資金や麻薬・武器密売・人身売買などの犯罪で得た収益を、海外の複数の金融機関を使って隠匿する行為をいう。本書ではカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件などの具体的な事例をもとに、初心者にもマネロンの現場が体験できるよう案内した。専門知識はなにひとつ必要ない。グローバル化、大衆化したマネロンによって、いまや世界の仕組みが変わりつつあることを読者は知るだろう。
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Posted by ブクログ
富裕層ははっきり言って、
相続税をまともに払えば
崩壊してしまう事態になるわけ。
結局のところ税を納めてもらうチャンスは
それだけなくなるわけ。
マネロンの手法を詳しく解説する本。
かの有名なライブドアの事件も
ここでしっかり解説されています。
まあ、複雑な手法を持って
莫大な金を生んだわけですよ。
(ン十億ですってよ!!)
結局匿名の部分を悪用したり
他国の法律の穴をかいくぐっているので
結局のところ犯罪がなければ
そこを突くことは不可能です。
犯罪に使われたとて
早急に何とかしなければ
そのお金は悪しきものの手に渡るわけですよ。
そう、テロ組織とかね。
たぶん、マネロンに関しては
いたちごっこでしょうね。
誰だってきちんと保障しない政府に
お金は払いたくないですもの。
Posted by ブクログ
非常に面白いしタメになる。カシオ詐欺、ライブドアとかの事件を資金移動の観点から小説チックに解説してくれる。
バチカン銀行、BCCIの話は知らなかった。理念と実態は乖離するのだな、と。考えれば考えるほど、金の流れの善悪を区分するのは難しい。
この本を読んで、ビットコインの強力さがよく分かった。
あとがきの最後の段落が最も象徴的で腑に落ちた。備忘のためそのまま転載する。
「いつの時代でも、理想や正義を声高に語る人の後をついていくとろくなことはない。この本に書いたのは、たとえば、そんな単純な真理である。」
Posted by ブクログ
どうやってマネーロンダリングをしてきたか、という過去の話がいろいろ載っており、ほほぉ、そういうこともあったのか。と読み物として、楽しめた。決して、指南書ではありません。まあ、あの手この手で法の目をかいくぐり、金持ちは納税を避けようとしているというのはよく分かりましたが、現状、縁のない世界です。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、テロ資金や麻薬・武器密売・人身売買などの犯罪で得た収益を、海外の複数の金融機関を使って隠匿する行為をいう。
本書ではカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件などの具体的な事例をもとに、初心者にもマネロンの現場が体験できるよう案内した。
専門知識はなにひとつ必要ない。
グローバル化、大衆化したマネロンによって、いまや世界の仕組みが変わりつつあることを読者は知るだろう。
[ 目次 ]
第1章 世にも奇妙な金融犯罪(発端 計画 ほか)
第2章 プライベートバンクの憂鬱(プライベートバンクとは何か 香港マネーロンダリング事件 ほか)
第3章 北朝鮮はなぜ核兵器が必要なのか(ドルを支配する者 マネーロンダリングへの入口 ほか)
第4章 世界でいちばん短いマネロンの歴史(神の銀行家 犯罪銀行 ほか)
第5章 誰でもできるマネロン(ハンドキャリーと地下銀行 国際租税回避 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
3
小説と同著者で06著なので情報が古いと思われるが当時の合法的な節税・脱税の話。現実に起きたマネロンの事件を挙げ解説している。カシオから120億円の資金が流出した国際金融詐欺事件、クレディ・スイスやプライベートバンクの話、マネロンの歴史から金融のグローバル化と大衆化がもたらす未来の話。小説のもとのような話もありなかなか面白い。
金融市場の最大のプレイヤーは年金基金や生命保険会社などの機関投資家であり、数億円程度の個人投資家は影響力がない。プライベートバンクの存在意義は、富裕な個人投資家に新興市場も含め多様な商品にアクセスできるようにする事、法人や信託など様々な取引主体が利用でき匿名性を上げられる。
Posted by ブクログ
マネーロンダリング入門といっても、別にマネーロンダリングの指南書というわけではない。要は、現金という実態のあるはずのお金が、いかにして数字と化し、その数字が世の中を巡るか、というお話だ。
国際的なお金の話であるため、銀行や海外送金の仕組みなども説明される。これを読んだ当時は、ちょうど経理関係の仕事に関わっていたため、コレスポンデント口座の説明などはとても参考になった。
カシオ詐欺事件、ライブドア事件、五菱会事件など、現実にあった事例を引き合いに出して、金融の仕組みを説明してくれる。
この様な仕組みが考えだされるということは、それを必要とする人々がいるということだ。どうして必要な人々がいるのか、その答えが世界の何かにつながっているのだろう。