【感想・ネタバレ】私の嫌いな10の言葉のレビュー

あらすじ

「相手の気持ちを考えろよ! 人間はひとりで生きてるんじゃない。こんな大事なことは、おまえのためを思って言ってるんだ。依怙地にならないで素直になれよ。相手に一度頭を下げれば済むじゃないか! 弁解するな。おまえが言い訳すると、みんなが厭な気分になるぞ」。こんなもっともらしい言葉をのたまう大人が、吐気がするほど嫌いだ! 精神のマイノリティに放つ反日本人論。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中島は「笑い」(P110-115)と「無礼講タイプの会話空間」(P215-217)について、個人の発する言葉をなぎ倒すものだと指摘しているがこれに強く共感した。
言葉による訴えに取り合わず、笑って取り繕う。過ぎ去るのを待つべき嵐としてしかそこにある言葉を扱わない。笑みで躱す。たしかに、笑みは意思伝達や疎通で大きな位置を占めるものではあるが、言葉を受け取らないために使われる場合はあちらこちらで見受けられる。
「無礼講タイプの会話空間」、こちらには特にときおりときおり息苦しさを感じる身であるから共感も一入。そこではこちらの「本音」は勝手に決められる。真剣に語ってはいけない、茶化しに参加せねばならない、希薄でなくてはならない、弱みを見せねばならない、そうした空間だ。「弱み」の内容も俗人的でなくてはならない。紋切型にならねばならない空間なのだ。文化的なものは好きだが、感受性や内面を紋切型に矯正しようとする世間の在り方の大きな一面に当てられすぎるのはごめんだ。

ウィーンの地下鉄の話が面白かった。

人に薦めない好きな本。

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2015年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個人の言語を徹底的につぶす日本文化、よく使われる正しいとされる言葉。

それを言われたら、ほとんど思考停止になっていたんだということ、なんとなく感じていたことをきっちり言葉で表現する、できるということがすごいと思いました。

0
2013年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者が嫌いな言葉。
1.相手の気持ちを考えろよ!
2.ひとりで生きているんじゃないからな!
3.おまえのためを思って言ってるんだぞ!
4.もっと素直になれよ!
などなど。
これら頻出の言葉によって振るわれる同調圧力・形式主義・傲慢といった暴力を非難する。
お題目のように欺瞞を語り続け本当に本音をぶつけ合うことは無作法とされることなども繰り返し具体的に指摘し、抗議する。そういう本です。

自分もこういう言葉とその意図が大嫌いで、常々困っているので、この本をたくさんの人に読んでもらいたい……と思った。わかりやすくどのへんが暴力なのか述べられている。

ただし筆者は自らの意見を持って闘うあまり、攻撃的になるすぎの面もあるかと思った。それも他人に対する押し付けになってしまう。

また、日本人特有、日本文化であるとしているけど、個人主義の国でもこれはあるよね
という部分もある。個人主義の国でも空気読むことはありますよね もちろん。

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2020年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「私の嫌いな10のひとびと」の後にこちらの「私の嫌いな10の言葉」を読みました。
わたしにとっては2冊目だったので前者ほどの新鮮さや刺激や爽快感はなかったものの、中島節は健在(というか出版はこちらが先ですね)。

1.相手の気持ちを考えろよ!
2.ひとりで生きているんじゃないからな!
3.おまえのためを思って言っているんだぞ!
4.もっと素直になれよ!
5.一度頭を下げれば済むことじゃないか!
6.謝れよ!
7.弁解するな!
8.胸に手をあててよく考えてみろ!
9.みんなが厭な気分になるじゃないか!
10.自分の好きなことがかならず何かあるはずだ!

言葉が「暴力」になるときとは、自分で発した言葉に責任を持てずにただ「投げて」しまったときではないでしょうか。
こちらの著書で挙げられている10の言葉は、受け売りで使われることも多い言葉だと思います。
自分で考えずに目の前に転がっている言葉をただ拾って投げただけ。

言葉への違和感ってそういうところから始まって、同じことを言っていてもいう人によって綺麗事に聞こえたり、説得力がなかったりします。

ここで挙がってる10の言葉は、特に、裏付けもないまま発してはいけない言葉であると思います。

たまに反射的にこれらの言葉を発してしまいそうなとき、一旦飲み込んで考える必要がある、そう感じました。

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2013年10月04日

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