あらすじ
現代パレスチナ史の世界的泰斗が、シオニズム運動の胎動から2023年ガザ虐殺まで、その歴史をわかりやすく解説。世界水準の基礎知識がコンパクトな一冊にまとまった決定版。
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Posted by ブクログ
" 一世紀以上にわたりパレスチナ人がいかに不当な仕打ちを受けてきたかを知ったみなさんが奮い立ち、連帯して彼らの闘争に加わり、世界のどこにいても弾圧に抗議して立ち上がることを願っている " (「おわりに」より引用)
帯にも強調されている通り、ユダヤ系イスラエル人パレスチナ史研究家によるパレスチナ史解説(入門)書である。引用文中にもある通り本書内ではパレスチナ人に対する弾圧虐待などの歴史が描かれており、その積み重なることは夥しく、読んでいるとパレスチナ人の視点に入り込みすぎているのではないかと感じたが、しかし先に述べた通り著書はユダヤ系イスラエル人であり、公平性には問題がないと思われるため本書の内容は事実なのだろうと思われる。
タイトルに「ゼロから理解する」とあるが、実際に知識がほぼゼロの状態から読み始めても問題なくわかりやすく、タイトルに偽りなしと言っていいだろう。本書では、パレスチナ·イスラエル間の問題が、よく(第三者である我々による平和のための干渉を放棄する言い訳として)用いられる「宗教戦争」ではなく、パレスチナを都合の良い植民地として見るユダヤ人側と、脱植民地化を目指すパレスチナ人の抵抗であるとして、新たな視点を提示している。またイスラエル側の言い分に頻出する「ハマスはナチ」「ハマスはテロ組織」といった主張がどのように生じてきたかなども簡易な言葉で解説されており、大変わかりやすい。
「イスラエルとパレスチナの対立について、何が問題なのか、どういう経緯を経てきたのか知りたいが何を読んだらいいのかわからない」という人にぜひ読んでほしい、おすすめの1冊。