【感想・ネタバレ】イスラエル・パレスチナ紛争をゼロから理解するのレビュー

あらすじ

現代パレスチナ史の世界的泰斗が、シオニズム運動の胎動から2023年ガザ虐殺まで、その歴史をわかりやすく解説。世界水準の基礎知識がコンパクトな一冊にまとまった決定版。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

久しぶりにパレスチナ問題の勉強。
いやいやたった200ページの新書本だが内容が濃かった。さすがは早尾貴紀の監訳。
読み飛ばすつもりが、第1章に目を通しただけで結局メモりながらの時間をかけた学習になった。チャッピー君にも長々と教えてもらった。

第1章「紛争はいつ、どこではじまったのか?」
 ・この紛争の本質は宗教ではなく「植民地化」
 ・「土地を新しく国家として開拓しようとする  
  人々」と
  「そこに住んでいる住民」 との衝突だ。
 ・紛争の起点は古代ではなく、
   19世紀末のヨーロッパにある。

こんな感じでしっかりと書かれている。作者はイスラエル生まれの著名な学者で、いつかは読まなければいけないと思っていた人だ。

パレスチナ、ガザのことを学びたい人は必読だと思いますよ。疲れた。もちろんいい疲労感だ。

そうそうこれだけは書いておこう。

※1882年夏、ヤーファーに上陸した最初のシオニスト入植者たちは、農業に関する知識をまるで持ち合わせていなかった。そのほとんどは東欧の町で育った元大学生で、そもそも農業には不向きだ。彼らはパレスチナの農民の助けを借り、土地の耕し方を覚え、作物を育てた。パレスチナの農民たちは、無知な理想主義者の若者らを、ほぼ確実に訪れる飢餓の運命から救っているつもりだったにちがいなく、シオニストの計画が自分たちのことをどう見ていたのか、想像だにしなかっただろう。しかし、初期のシオニストのプロパガンダのなかでは、パレスチナ人はよくて自分たちの生まれ故郷の異邦人、悪く言えば旧約聖書の時代からユダヤ人のものだったはずの土地を横領した者と見られていた。すでにこの段階において、シオニストの思想家らは、パレスチナへの移住をヨーロッパの反ユダヤ主義から逃げるための決死の策ではなく、パレスチナを奪うための基礎固めと考えていた。

0
2026年03月14日

Posted by ブクログ

" 一世紀以上にわたりパレスチナ人がいかに不当な仕打ちを受けてきたかを知ったみなさんが奮い立ち、連帯して彼らの闘争に加わり、世界のどこにいても弾圧に抗議して立ち上がることを願っている " (「おわりに」より引用)
帯にも強調されている通り、ユダヤ系イスラエル人パレスチナ史研究家によるパレスチナ史解説(入門)書である。引用文中にもある通り本書内ではパレスチナ人に対する弾圧虐待などの歴史が描かれており、その積み重なることは夥しく、読んでいるとパレスチナ人の視点に入り込みすぎているのではないかと感じたが、しかし先に述べた通り著書はユダヤ系イスラエル人であり、公平性には問題がないと思われるため本書の内容は事実なのだろうと思われる。
タイトルに「ゼロから理解する」とあるが、実際に知識がほぼゼロの状態から読み始めても問題なくわかりやすく、タイトルに偽りなしと言っていいだろう。本書では、パレスチナ·イスラエル間の問題が、よく(第三者である我々による平和のための干渉を放棄する言い訳として)用いられる「宗教戦争」ではなく、パレスチナを都合の良い植民地として見るユダヤ人側と、脱植民地化を目指すパレスチナ人の抵抗であるとして、新たな視点を提示している。またイスラエル側の言い分に頻出する「ハマスはナチ」「ハマスはテロ組織」といった主張がどのように生じてきたかなども簡易な言葉で解説されており、大変わかりやすい。
「イスラエルとパレスチナの対立について、何が問題なのか、どういう経緯を経てきたのか知りたいが何を読んだらいいのかわからない」という人にぜひ読んでほしい、おすすめの1冊。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

入植者植民地主義は、古典的な植民地主義とは決定的に異なる。古典的な植民地主義者は、未開の人びとに近代化をもたらすと考えたのに対し、入植者植民地主義者は、近代化するのは土地であり、人ではないと考えた。土地を手に入れるためには、そこに住む人びとは脇に追いやるべき不都合な存在になった。ユダヤ人は大規模に土地を買い、パレスチナの先住民は農場から追い出され町への移住を余儀なくされた。酪農や農作業から締め出され、貧困街が作られた。多くの村がなくなった。同じ所に住むことはそこの文化が続けられていくということ、村の歴史本のページが増えていくということ。資産の多寡でその歴史の正当性を持つ国が変わるのだろうか。強制に人を移住させるのは痛ましい。

0
2026年03月17日

「学術・語学」ランキング