あらすじ
著者は企業の組織開発ファシリテーターをしており、年間のべ5千人の会社員に会いますが、近頃こんな感じの会社が多いと言います。――「このままではダメなんじゃないか」とみんながうすうす感じている。けれども目の前の業績目標に追われて、まじめにコツコツ頑張りつつも、中長期的には会社を沈める方に進んでしまっている。そのこともうすうす気づいているのに「言っちゃいけない」「どうしようもない」とみんな黙っている――。本書では、まず前半で、ほとんどの日本企業が陥っている悪循環のパターンと、その背後にある「囚われ(不合理な思い込み)」を解明します。次に、それとは全く異なる海外や国内のモデルを紹介し、後半では、悪循環と閉塞感に陥っていた組織がいかにして変わっていくか、そのプロセスとポイントを明示します。会社がガラッと変わる瞬間を数多く見てきた「組織開発のプロ」による、人と組織が生まれ変わるための方法論。
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Posted by ブクログ
どうすれば会社はよくなるか?
→社員がそもそもの前提を疑うような深いぶっちゃけ話を始めると、自分たちの囚われに気づいて行き、そこを突破口にして会社は変革していく
自分の中にある常識を疑う
個々の問題てまはなく、今起こっていることの全体を俯瞰する
組織の最大化を目指すのではなく、最適な規模を目指す
何をするかよりも、どんな姿勢でどんな想いを持って取り組むか
Posted by ブクログ
この本では、「うすうすわかっているけど、どうしようもないと思っていること」=「囚われ」をみんなで突破して、組織が進化していくプロセスと方法を共有するべく書かせていただきました。私たちの目や耳は、自分が好きなもの、「今まで大切だと感じてきたもの」を圧倒的に優先しています、その「今まで」を優先するがゆえに、無意識に見えなくしていたり、聞こえなくしたりしていることが、あるはずなのです。「今まで、『これがいいんだ』と思っていたことは、本当に、それでいいのだろうか?」と考えてみることです。それができないと、死角の存在に気づくことはできません。「あの人は聴く耳を持っていない」と判断されて、周りの人も本音で話してはくれません。目に見える個人成果ばかりを重視すると、目に見えない大事なこと―たとえば、他部署との連携、部下とのコミュニケーション、部署内の情報共有、社長の意思を社員にきちんと伝えるといったこと―が、個人成果に特化した効率化のために軽視されるということ。
(デンマークと日本の違いって?)……デンマーク:「教育のゴール」、「社会に参画する主体的な大人を育てることだ」。例、運動会を今年は開催するかしないか、子どもたちが決める(種目)。不平や不満があるならそれを自分たちで解決していこうという考え方がある、「自分自身が社会とどう関わってそこからどのような満足感を得るか」ということです。日本:「教育のゴール」、「いい大学に入ること」や「いい会社に入ること」。
(沈黙の時間を大切にする?)……質の高い対話を行うための9つのポイント、対話の中でも、葛藤があったり、衝突が起きた時には、誰とも話さず、一人でじっくり考える時間を10分でもいいので作りましょう。
(関係性が変わる瞬間)……場の空気が変わる4つの瞬間……相手の気持ちが感じられたとき、自分の知らなかった相手の背景が見えたとき―。人と人との関係性が変わる瞬間は、心に引っかかっていた過去の体験やそのとき相手が感じていたことを聴くことから、始まることが多いようです。その人の意外な一面が見えて、その人への見方が変わったり、その人がしてきた振る舞いやこだわりの理由が理解できたとき、今までの謎が解けたような感覚になり、急にその人に対する人間としての愛情がわいてきたりします。