【感想・ネタバレ】日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体のレビュー

あらすじ

タガメとは田んぼに生息してカエルの生き血を吸う昆虫。高度成長期以後、日本の各地から田園風景が消える中、タガメの魂は女性たちに宿り、無抵抗な「カエル男」を箍(タガ)にハメて搾取している。すなわち「タガメ女」は「箍女」でもある。気鋭の研究者が、自らの研究過程やゼミ生からの証言をもとに、「専業主婦」「家事手伝い」という姿で女性が現代日本を支配する特異な現象を、ユーモアを交えて実証する。

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Posted by ブクログ

タガメは、田んぼでカエルを前足でがっちり押さえ、消化液を注入し、骨と皮になるまで吸いつくすと。それは、現代社会の女性にあてはまり、世の男たちはカエル男となって、タガメ女に吸いつくされていると。どんな人がカエル男で、タガメ女なのか、チェックの質問などあるが、自分を含めて、いろいろ周囲の人を当てはめてみると、やっぱりと思う部分も多く納得。現代社会の男女の構図が見え、社会面をにぎわせた事件も当てはめていたりしておもしろい。これから結婚する人なんかにもお勧め。

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2013年05月16日

Posted by ブクログ

昔から映画「Shall We Dance?」で手紙を読むシーンで心がゆさぶられて泣いてしまう。桐野夏生小説のグロテスクな社会のタブーを垣間見る面白さ。この感覚の根底にある社会の「箍」を、若干ラディカルな視点で鋭く分析して、幸せに生きて行くことを真剣に考えるように問題提起をしている。

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2013年05月08日

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タガメは、水田などに生息する大型の水生昆虫で、その特徴的な捕食方法で知られています。彼らはカエルなどの獲物を強靭な前足でがっちりと捕らえ、消化液を体内に注入します。そして、溶けた獲物の肉をチューチューと吸い上げ、最終的には皮と骨だけを残します。
​本書は、「ある種」の女性と結婚することの危険性を示唆しています。それは、このタガメに例えられるように、夫の経済力、家事労働力、そして最も重要な自尊心といったものがチューチューと吸い取られ、皮と骨しか残らない「カエル男」になるというものです。
​「タガメ女」は、特に専業主婦に多い傾向があるようです。これは現代においてはある意味当然でしょう。今は昭和とは違い、一人暮らしでも家事の多くは十分にこなせます。子育ては大きな労力がかかりますが、子どもが小学生にでもなれば親の手を離れていきます。その結果、残るのは仕事もせず、家事を少しやるだけの妻となり、妻の存在意義がほとんどなくなってしまいます。
​存在意義を失わないために、タガメ女はモラルハラスメント(モラハラ)やお小遣い制といった経済的DVを用いて家庭を支配します。日々のダメ出しで夫の自尊心を奪い、子どもに夫がいかにダメな人間かを吹聴し、家計を管理する。これによって「家に帰りたくない夫」が生まれるのです。
​私は未婚ですが、このような結婚生活は絶対に避けたいです。カエル男を狙うタガメ女には細心の注意を払うべきでしょう。
​個人的な見解ですが、仕事を継続したい、没頭できる趣味を持っているなど、自分の存在意義や世界観を確立している女性であれば、タガメ女になる可能性は低いのではないかと感じました。しかし、現代ではそもそも結婚しないという選択肢も、ある意味で最良な防衛策かもしれません。

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2025年11月07日

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乳母日傘との訣別が、肝要。そう、二千年の埋葬をしないと、この地の文明は、消え去るな。

ほんと、公家好きな国民性を持っているもんな、我々は。稚児さん文化もあるしな。その上、貧乏でも公家なら我慢するってか。いつまで続くかな。

ジャニオタなんか、その代表例の一つか。つまり、ジャニー喜多川は、その変種のタガメ男ってことになるのかな。差し詰め、ジャニタレは、コドオジってところか。

悲しくも、身につまされる気するな。三つ子の魂百までね。ヤダヤダ。

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2024年10月23日

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キャッチーなネーミング。前半は、いるいるそういう女といったユーモアある考察から、後半は学者らしい演繹的手法による「箍」の考察
10年程前の出版で事例の古さは否めないが、深尾教授にはぜひ新バージョンを執筆していただきたく思いました。
一読して損はないと思います。
本人が意識しているか、無意識かはわからないが、さまざまな箍を嵌めて、嵌められて生きていることの弊害。危惧すべきは、親から子への箍の伝播。

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2022年01月30日

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いろんな観点が興味深かったが、内容はそんなに濃くないような気がして、最後はあんまりしっくりこなかったなぁ・・・

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2018年10月12日

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 日本の男女間の現状をかなり過激に分析した社会風刺本。タイトルと冒頭をちょっと読むだけで人によっては相当な嫌悪感を抱く内容。事実関係だけをみれば多くの論調には賛成せざるをえないし、皮肉を込めた描写には思わず笑ってしまうこともある。しかし本著の本質は、そういった現実について環境問題を絡めた社会的歴史的分析をしている点にある。そしてその視点は今回取り上げられた問題だけでは済まない奥深さを秘めていると思われるのだ。著者の専門領域から「魂の植民地化」というキーワードを提唱して、広く警鐘を鳴らしている。最後まで読んでこうしたメッセージを読み取らないと単なるミソジニー論で終わってしまうこととなるだろう。

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2014年03月12日

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前半はデータ、後半はエピソード重視なので信憑性は読む人次第。自殺者の大半は男性という事実からの理論展開は、見逃せない。前半の愉快な切り口から、後半の怖い事例を挙げて紹介している辺りが妙。

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2013年12月09日

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話題になっていたので、読んでみました。


前半は、「いるいる、こういう人」と思いながら、面白おかしく読んでいましたが、後半は、根の深い社会問題であることに気づかされました。

特に、子育て中の身にとっては、タガメ女が育てた子どもの将来が心配でなりません。タガメ女の子、子タガメが増殖する社会になってしまったら、と考えると恐ろしいです。


学者や専門家の方々が世直しの議論をするより、実際に社会生活を送っているタガメ女、その周囲の人、タガメ女を生みだした社会構造に関わる全ての人たちが、胸に手を当ててみるきっかけとして、存在価値がある一冊だと思いました。


ところでタガメ女……「箍」がはめられた女、どうも私にはなれそうにありません。自分がやりたいと思うことを、自分のやり方で、自分がやる。それが面白いのになぁ。

「考えて、行動する」っていう贅沢、楽しいじゃありませんか。

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2013年09月22日

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友達に薦められて読みました。タガメを箍にかけて、社会問題を解きほぐすあたりに視点の斬新さを感じました。

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2013年08月21日

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箍女(タガメ)の研究所。男を箍にはめる女は、息子や娘も箍にはめ、箍女の再生産がなされる。箍女自体も自ら同種の間で箍にはめる。箍だらけで八方ふさがりの世の中が生きづらい。箍を外すためには自分で考えろ!と。ヒントを言うと、また、新しい箍になると。箍女の由来を60年代に求めているが、60年代以前はどうだったかを言及してもらいたかった。

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2013年06月05日

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題名の勝利。乱暴な論旨でも、確信的なエンタメなので憎めない。同僚にも真性のタガメがいて、彼女がタガメ度チェックシートの殆ど全てに当て嵌まっていて笑った。家事を完璧に行い、様々な手段で旦那を家に縛りつけつつ、陰で悪事を働くという。

この本の中で、我々は「約束の牢獄」の中にいるのではないか、という課題提起がなされていて、これには深く納得した。この牢獄は近年どんどん強固に、かつ狭くなってきている。冷静になれば大勢に影響のないことにまで「コミットメント」を迫り、達成できなければ吊るし上げを喰らう。このギスギス感よ。

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2013年05月28日

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「タガメ女の害」というように、タガメ女は普通の女と区別されているけれど、どんな女の人もみんなタガメ女の部分を少なからず持ち合わせているのでは?と思った。内容的には納得できる内容。

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2024年08月14日

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タガメ女とカエル男、どちらを先に読むか。とりあえず出版順にこちらを先に読むことにした。
で、一気に読んじゃったよ・・。

問題は「箍(たが)」なのね?!
考えてみたら、母がそこからある意味はずれてる人だったからなあ・・。それ故にぶつかる部分もあったけど、今思えばああいう母だったから救われてるところもあったかもしれない。

とりあえず、物理的にも私はこの「タガメ女」とは一線を画すとは思ってるけど、状況次第ではそういう人生を歩んでた可能性もあるかもしれない・・ね。
母を反面教師としてたら、自分でこの箍にはまろうとしてたかも?

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2020年08月20日

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タガメ女とカエル男。日本のいわゆる一般的な家庭のイメージにありがち過ぎて怖い。本書はそんなタガメ女がどうということでなくそういう社会通念として縛られている皆の考えを改める必要があるという提言書。

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2019年06月12日

Posted by ブクログ

おもしろいなーとか、なるほど!と思ったりもするのですが、「すべて悪いことはタガメ女のせい」みたいな結論が安易すぎやしないかと思います。

それにしても、日本のサラリーマンは、毎月少ないお小遣いで頑張っていますよね……。
著者は「タガメ女はカエル男に愛はない」と言い切っていますが、そんなことはないと思いますよ(愛がない人もいるかとは思いますが)。

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2016年01月19日

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男に食らいつき骨になるまで栄養を吸い尽くすタガメ女。社会の病理現象を引き起こし、この国の経済にも暗い影を落としている。恐ろしいタガメ女であるが、害虫というポジションに縛り付けているのが実は餌であるカエル男。彼女ら自身も被害者であり、また、彼女たち自身も共食いのようにタガメ女同士で疲弊させあっているという。何ともやるせない。著者によれば社会に害をもたらすタガメ女の正体は箍であり、自ら考え自ら立つ自律の人間性があれば箍も打破できるとのこと。本書にはカエル男を支配するタガメ女度チェックシートもあれば、タガメ女に吸い尽くされるカエル男についてもチェックシートがある。自らをしっかり理解し正しい道を歩みたい。

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2014年02月06日

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なるほど~!言えてる~! にしても、著者の深尾さん、全く自分はタガメ女じゃありませんて感じの書き方だけれど、ほんとにそうなんですかぁ? 締め近く、アメリカ的考え方の否定ってところが、ちょっと意外でした。 とにかく、まあ、私はタガメ女ですけど。 ただし、だんななカエル男の部分まるでなしだから、駆逐されてかけているタガメ女とでもいえるのかな?

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2013年12月12日

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夫婦の共依存と明文化されていない規範によるがんじがらめをカエル男とタガメ女という稀有な比喩で描く。重苦しさの描写はうまい。抜け出す道が自立思考というのは正しいには違いない。社会制度やありうるモデルの提示等を避けている。考え方の例なりを示す具体性に欠けるのが残念。

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2013年06月04日

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ネタバレ

タガメ女というわかりやすいレッテル貼りをして見ると、夜の男女の関係はこうみえる、というお話。あまり、知的に高い話ではない。軽く読み流す話題提供本的な感じか。

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2013年05月22日

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残念ながら(笑)私にはタガメ女の素質ゼロ。
しかしながら、身近にカエル男が多かったことが判明(苦笑)
タガメにならずによかった・・・と安堵すべきか?
カエル男に近づいてしまう己を反省すべきか?

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2013年05月19日

Posted by ブクログ

日経ビジネスオンラインで著者のインタビュー記事を読み、興味をひかれたので本を買って読んでみました。
なるほど「夜行観覧車」の背景にはこういう日本の現実があったのかと納得。ただ、少数の事例を一般化・極端化しすぎているきらいもあるように思われ、「たしかにそういう現実のあるグループも日本にはあるだろうが、多数がそうだとまでは言えないのでは」というのが正直な感想。
でも、著者の主張である、「周りに合わせようとしすぎず、自分の頭で考えて暮らそう」という考え方には、全面的に賛成。

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2013年05月16日

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親戚に、これぞ「タガメ女」のお嫁さんがいます。怖いように当てはまりました。でも夫側は「可愛い」から、自分が搾取されている自覚が無いようです。

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2013年05月05日

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