【感想・ネタバレ】ラスト・チャイルド 下のレビュー

あらすじ

「あの子を見つけた」大怪我を負った男はジョニーに告げた。「やつが戻ってくる。逃げろ」少年は全速力で駆けた。男の正体は分からない。だがきっと妹を発見したのだ。アリッサは生きているのだ。ジョニーはそう確信する。一方、刑事ハントは事件への関与が疑われる巨体の脱獄囚を追っていた。この巨人の周辺からは、数々の死体が……。ミステリ界の新帝王が放つ傑作長篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

病んだ現代アメリカ版の「トム・ソーヤの冒険」的ミステリー。とはいっても微笑ましいのはオオラスだけで、ずっとずっと重くてしんどい文章が続く。誰も彼もどの家族もが心のどこかに傷を負っていて、その傷がずっとふさがらないような、かさぶたが出来かけても湿ってる間に剝かれるような、なんともやるせない物語が続く。

主人公は1年前に双子の妹を失った少年、父親はその後疾走し、母は情緒不安定から薬物依存となり街の金持ちにDVされつつ愛人となっている。ぶっつぶれた家庭にあって、少年だけは妹を探し続ける。

もう一人の主人公が妹失踪事件当時、捜査を担っていた刑事。事件解決にのめり込むあまり家庭を崩壊させてしまい、警察内での評価も大きく下げてしまっている。

主人公たちだけでなく、登場人物誰も彼もが家庭や人間関係に問題を持ち、その問題に膿み疲れてしまっている。明るさも希望もない中で、新たな殺人事件、はては少女失踪事件が発生する…。

こんなどうしようもなくやるせない重たい話を上下巻700P読まされるのに、最後の最後に救いが見える。見事な伏線回収、謎解きよりも友情と再生の物語としての感動。読者の気持ちをしんどくさせる小説だが、読んで良かった傑作。できれば心に余裕のある時読む方が良いと思う。

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2018年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何という結末。何という悲劇。事件の真相を知って残るのは、連鎖反応の不可思議さだ。物事には原因と結果がついて回るが、この複合的な事件には声を失ってしまう。

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2012年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最新版のこのミス第一位、ということで楽しみに読み始めたが、ちょっとできすぎというか、子どもがやりすぎる・怖すぎるというかで、あまり楽しめませんでした。でも力作と思います。翻訳も自然な感じでよかったです。

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2011年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

双子の妹、アリッサの失踪は、連続少女誘拐・殺害事件とは別の展開を迎える。もちろん、失われた過去は取り戻せないし、事件の真相は、ジョニーにとっては知らなかったほうがよかったかもしれない。
アリッサの失踪から、1年。ティファニーの事件から、4日。事件は、連続少女殺害事件と拡大してゆくが、アリッサの事件は意外な展開(結末)を迎える。
世間に、神に絶望したジョニーが見つけた先祖との接点。そして、それが、ジョニーが纏った羽根であり、フリーマントルだったのかもしれない。
「それが理由かもしれないな、ジョニー。もしかしたら、アリッサはほかの子どもを死なせないために死んだのかもしれない」ハント刑事のこの言葉は、ジョニーに届いたのでしょうか? そして、ジョニーが最後にたどり着いた、ジャックへの想い、赦しに対して。
最後は、決してハッピーエンドという訳ではないけれども、ジョニー親子に、ジャックに、新しい明日が訪れてほしいと祈らずにはいられない。
気になるフレーズは:
★臆病は罪か?
★仕事とは何なのか?個人的感情に走るとはどういうことなのだろうか
★闇は人間の心に巣食う癌だ。
★彼女のような女性を何人も見てきた。無学で美人、必死により良い場所を求める女性を。
★うそと弱さ。このふたつも罪だ。…。神様はささいな罪は見逃してくれる

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2021年02月09日

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